カウドゥール等(メインキャラ)の短編集

東龍ベコス

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カウドゥール

南魔界のハラダさん

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 Jは激怒した。
 必ず、かの飽食終日な同僚の根性を叩き直さねばならぬと決意した。

「"難読書物"と"判読可能な書物"の分別作業、全ッ然終わってないじゃないですか!」

 Jがハラダという後輩に頼んでおいた事務作業は、三時間経っても遅々として進んでいなかった。当のハラダは、普段は温厚なJが珍しく激昂しているというのに相変わらずの端正な顔の無表情を崩さない。ドライマンゴーをムチャムチャ食べる手も口も、止めなかった。

「いえいえ、Jさん。そもそも"難読書物"と"判読可能な書物"の比較が難しいんですよ、コレ。少し考えれば読めるようなのもありますし」

"難読書物"は、前魔王らが雑に扱って風化してしまった書物・そもそも字が汚くて読めない、読みづらい書物の事である。だが、その中に稀に貴重な魔具の話や隠し財源の記述が雑に唐突に存在している事があったりで、これらはおいそれと捨てられるものではなかった。

「『頑張れば読める~』じゃなくて、パッと見で読めるかどうかだけでサラッと分けといていただけません?!」
「JさんJさん。この本、すごく美味しそうなパインゼリーの作り方が書いてあ……」
「いらん! 内容の報告はいらん!」

 Jが食い気味にハラダの話をさえぎる。Jは『新しい井戸建設の会議』や『北魔界との輸入出のやり取り』『主である魔王Gと作業員らとの取り持ち』などの雑務が多くて苛立っていた。

 魔王Gが『人間の子供誘拐、及び性虐待等の罪』でこの城に幽閉されて外出行動を制限されているので、Gと一番付き合いの長い秘書であるJに皆、各々の報告をする。J自身が『話しかけやすいお人好しな雰囲気』の魔族なのも相まって、やはり皆Jに報告(ついでに雑談)をしがちだった。

 城内のG自身に何やらの報告をしに行く猛者もいるが、結局その返事を後々、その猛者に伝えに行くのはJなので、やはり忙しい。
 鳥の足に書簡をくくりつけて飛ばしてもいいのだが、魔王G反対勢に嫌がらせで鳥を射殺される不安があり、頻繁に行う事ははばかられた。

 遠方と会話が出来るようになる鏡型の魔具などがあるにはあるのだが、南魔界の端々にまで配れるほど生産されてはいなかった。一部の、限られた地域にしか配備していなかった。

「で、Jさん。この本にちょっと気になる記述が……」

「とにかく! パッと見で“読める読めない”の仕分けをお願いしますね! ……それが終わりましたら、G様に『北魔界からの輸入物について』の見解を聞いておいてくださいねっ!」

 Jは早口でそうまくし立てると、本や紙が乱積されている部屋から出ていった。一人取り残されたハラダは無表情のまま「まぁいいか」と呟いた後、今度こそ仕分け作業を始めた。


 冒頭で『飽食終日な同僚』とハラダを称したが、ぴったりな例えだなとJは鼻で笑った。
 ハラダは何をそんなカロリー消費する事があるのか、四六時中『何か』をモグモグ食べている。感情が高ぶることも激しく動く事もないのに、まぁ気付けば何かしら食べている。

 我々『魔族』と同じく先の尖った長い耳がハラダには何故か左右に2個ついていて、計4個の耳がハラダにはあった。が、かといってこちらの話を常人より聞けているわけでは一切なかった。

 聞き返しもよくするわ、無視も良くするわで一体何の為に耳が倍あるのかJには謎だった。もしかしたら聴力……耳はいいのかもしれない。だが、肝心の脳にソレが届いていないのなら、やはり無意味だ。

 こんなに使えないハラダだが、たまに起きる『魔王Gの癇癪(Kちゃんに会いたいよ恋しいよビェエエエン)』のなだめ役……聞き役としては優秀だった。無表情・無感情で「こんなにイケメンで優秀なG様を嫌うなんて、Kという奴はわがままですよねぇ」とGの男色を否定することなくなだめて、結果、Gからは信頼を得ている。

 ハラダは、城のすぐ外で(空腹で)倒れていたところを『Gが窓から放り投げたハムサンド』を食べたのをきっかけに安易に忠誠を誓って以降、この城で働いていた。

 ……働いている? 居座っている?
 気がつけば、自分と同じ風体の秘書服を着て「何か手伝える事ありませんか?」と可愛げもなく無表情で尋ねてきたから、まぁ使ってやることにした、のだが。

 すぐサボるわ話聞いてないわ、つまみ食いしてるわ、ついでに『自分より高身長・憂いのある瞳(ぼんやりしているだけ)・さらさらの髪・常に食ってる割にはスマートな体型』と高スペックなので、基本的には気に入らなかった。

 食堂のおじちゃんらにもその飄々さが気に入られており、最近では下の兄弟が多いJが食堂で余った料理をいつものように貰いに行ったら「Jさんゴメンゴメン! 今日の余り、ハラダ君に全部あげちゃったよ!」な悲劇も多々あり、Jはだいぶ、かなりハラダにイライラしていた。

 表面上は穏やかになぁなぁと接してはいたが、内心では「このモグモグ野郎」と地味にけなしていた。Jは根が穏やかで善寄りの性格なので、彼をどうけなしていいのか、その単語がわからなかった。結果「モグモグ野郎」だの「耳4個マン」だの、どうもゆるかわいい罵倒しか出来なかった。

☆ ☆ ☆

「あ」

 ハラダに激昂した一時間後、Jは城内の廊下曲がり角で魔王Gにばったり出会った。上半身裸に薄手の長いローブを羽織り、文様が入り混じったゆったりとしたサルエルパンツ姿という、まともな風体だった。が、息が荒い。

 Gが何か急いでいたように見えたが、とりあえず今現在溜まった報告の数々をその場でGに告げた。
 報告を告げた後、その場で返せるような案件の返しを何個か聞き、Jはそれをメモした。

「………はぁ」Gがため息をつきながら、廊下の壁にもたれかかった。

 メンタルが落ち着いている時のGは、幼い時にJが見て憧れた『カッコイイ大人』そのままだった。南魔界では珍しい肌の白さ、遠くを見据える爽青の鋭い瞳、筋の通った鼻筋、眉目秀麗な顔を飾る金髪の額縁、程よく筋張った長い手足。

 そんな、異国人のような大人から「服破れてるから縫ってやる」と無骨に言われ、その場でチクチクと服を縫われた思い出をJは未だによく覚えている。自分なんかの庶民服をちまちまと一心に縫うGの美しい横顔を、ずっと見ていた。

 自分にそんな気はないが、一切ないはずだが、もしGに一夜を迫られたら断れるかどうかはわからないくらい、油断しているとGに稀にときめく。

 が、Gが自分にそんな気が起きる事は一切ないし、そんなパーフェクトなGがKという想い人(男)の事となるとデレデレでワギャンワギャン泣きわめきながら廊下を全裸で転がり悶えるような残念男に成り下がるのを知っているので、間違いなど起こりようもない。

「……G様? 何かお急ぎだったのでは?」
 壁にもたれかかりながらボォッとするGを見て、Jは不思議がった。

「あぁ、いや……落ち着いたら……別にいいかなぁ、と思っちゃって」
「え。何をです……?」

 Jの心臓がキュッとする。Gはその時のテンションや流れとは全く関係なく、急にとんでもない事を言い出す事が多々あった。

 いつぞやは「おはよぉー」とユルく挨拶した後で「今日、南西地区の女住人を皆殺しにしに行くよぉ」と抜かしたり、トイレから帰ってきた後で「北魔界のシニョリ川に、この前できた毒流そっか」とサラリと言ったり。とかく、Gの言動には気が休まるものがあまりなかった。
 まぁでも、それが「別にいいかぁ」と不実行の方向に思考が行ったのなら良い事だな、とJはホッとした。

「ハラダがさ、古文書を見てたら『アヅカ地区の地下に活火山がある』? 的な記述を見つけたんだと」
「アヅカ……?」Jは聞き返す。

「ほら、アヅカで今日さ。井戸工事あるじゃん? 掘るじゃん? やばくない? って」

 Jは血の気が引いた。あまり詳しくは知らないが、火山……マグマ? が眠っているような付近で掘削作業などしてもいいのだろうか?

「……井戸工事、おやめになった方がいいですよね……?! ちょ、早く工事を止めるよう連絡を……!」

「ねー。マグマどぴゃーんって出たらヤダよねぇ……んー、でもさぁ」
 Gが異様に落ち着き払った様子で呟く。

「アヅカって北魔界と仲良くしたい派で、北からの留学生とかもいたよね。……いっそマグマで全部焼死しちゃえばいいかなって」

 Jは「ギャーーーー!!」と、謎の悲鳴をあげた。

「何言ってんすか! なんつー事を! 鬼! 知ってたけど! ……でも『何とかしないと』って、だから急いでたんじゃないんですか?!」
 JがGに詰め寄る。Gが首を回して顔を掻く。

 Gは、何故か北魔王と仲が悪かった。噂によると「北魔王の男を取ったから恨まれている」そうだが、北魔王はまだ年端も行かぬ幼女なのにどういう事なのか。疑問には思うが、あまり首を突っ込みすぎるのも怖いので詳細は調べていない。

「いやぁ……そう。ハラダからコレ聞いた時は確かに『何とかしないと』って感じだったけど……1回Jに会って落ち着いたら、何かもうどうでもよくなっちゃって」
「私?! 私のせいですか?!」

 自分が廊下でGと会ったせいで、呼び止めたせいでウン千人の命が亡くなるのかと思うと、善人なJには耐えられないものがあった。ただでさえ、Gは過去に『恋の黒魔術の生贄用』に大量虐殺を行い評判が悪く、それを止められなかった自分が悪い、悪いと苦悩したというのに。

 それに先程、ハラダに「この本にちょっと気になる記述が……」と言われたのを制してそれを聞かなかった事を思い出した。もしかしてこの事だったのでは、その時に聞いておけば、やはり、自分のせいになるのでは、とJは汗がどっと吹き出た。

「あと、更に言えばボクは城外に出れないから何で走ったんだろうねっていう……。どこ向かってたんだろうっていう」

 Gが笑う。外出が出来ない魔呪をかけられて外に出れないにも関わらず、何故か走ったGの、とっさの優しさにJは軽く安心する。根はいい人なのだ。根は。

「かと言って、今から誰かが馬でアヅカ向かってもどうなのかなぁ……っていう」

「……G様! G様って転移魔法をお使いになられましたよね!? それを私にかけて、アヅカまでぶっ飛ばせば……! それで工事中止させますから……!」

「……あ~、やめといたほうがいいと思う……」
 Jの必死のアイデアにGがまさかの難色を示す。

「なっ、なんでですか?! ほら、昔よく脱走したKをふんづかまえて転移魔法で一緒に帰ってきてたじゃないですか?!」

「あれは転移対象であるボクがKちゃんを『愛着のある持ち物』として一緒に運べただけでさ……。転移対象を『他人』に設定して転移させた事は……ないなぁ。意外とないんだよねぇ」 
 Gがしみじみとしながら語る。愛しのKを思い出して、若干ニヤける。

「んー……。君に魔法かけても、アヅカに無事に着くかどうかちょっとわかんないなぁ。目的地に着くかわからないし、外側の皮膚と内臓がちゃんと一緒に転移するかどうかもわからないしさ」

 Jはゾッとした。何ソレどういう状態?

「Jで命の博打をするくらいなら、ここでゆっくりとアヅカの悲報を待ったほうがいいかなと」

 良くない良くない良くない良くない。

 Jは涙をこらえて、唇を噛みしめる。かと言って、自分がどんな状態でどこに飛ばされるかの不確定要素ばかりの転移魔法をくらうのも恐ろしかった。

「まぁ、そもそも古文書がバカ言ってるのかもしれないし。そんな、火山なんて滅多にボーンってならないっしょ。今から使者をゆっくり送ろうよ」

 Gは完全に焦る事をやめた。
 そう、そうかもしれない。悲観的に考えすぎだろう。
 しかし、でも。

 Jが意を決して「転移魔法をかけて下さい」と叫ぼうとした時、目の前の空間が勢い良く開けた古いタンスのような大音量と共に裂けた。風が吹き抜けた。ここ、首都ではあまり香っていない種類のフルーツの香りがした。
 そこから、ハラダが出てきた。廊下で話し合っていたG達と目が合う。

「あ、只今戻りました」

 ……どこから? Jは呆気にとられて、その言葉を声にするのを忘れた。


「G様。事情を説明して、アヅカ地区の工事を一旦停止させて参りました」
 ハラダが空間の裂け目から出てくる。Jは空間の裂け目の奥に『ヨウこそ! ここはアヅカ地区ぅ!』という立て札を見た。そこで、裂け目が静かに閉じた。

「えっ、行ってきたの?」
 異様な光景を一緒に目にしたはずのGのその普通の返しに、JはギョッとしてGを見やる。

「大丈夫か? ソレ、お腹めっちゃへるんだろ?」
「まぁ、でも……え? そんな一大事でもなかったんです?」
「いやいや、マジかぁ。ありがたいよ、ありがとう」

 Gとハラダの間でユルい会話がラリーされる。Jだけが、泣きそうな顔で汗だくで、落ち着きがなかった。

「あ……あの、これは一体……?」
「………え? 何が?」Jの言葉にGが応える。
「ハラダさんはどこから……?」返答にしばしの間。

「……ハラダが空間裂いて移動できるの知らなかった?」

 何すかソレ。Jは、そう声に出すのを忘れた。

「でも、滅多にやってくれないんだよねぇ」
「コレやると、とてもお腹すくんですよ」

 そう言いながら、ハラダはズボンのポッケから干し肉を出してかじる。

「あ、Jさん。書物の分別作業、終わりました」
 相変わらずの無表情でハラダが淡々と報告してきた。Jは恨みがましい目でハラダを睨む。

「……なんです? そんな怖い顔して」
「あなた、そんな事が出来るのなら……私の仕事、もっと手伝えませんか?」

 その空間移動があれば、国々への連絡や配達がだいぶ楽になる。時短になる。何故、今までコレをやってくれなかったのか。

 ハラダがクチャクチャと干し肉を噛む。

「ハラへるから嫌ですね」
 Jは久しぶりに殺意を覚えた。Kが、Gの娘であるRを殺そうとしたのを目にした時くらい殺意を覚えた。

「……誰だって、ハラへらしながら日々を生きて働いているんだが?」
 ハラダが、今度はポケットから干しぶどうを固めたものを出して食らう。

「常人には理解できないくらい、ハラへるんですよ」

 あの『悟りきって無感情』のはずのようなハラダが若干、語気を強めた気がした。
 え? 私、そんな無茶言ってるんです? Jはたじろいだ。

「……駄目ですか? あなたが出来る9割の事を私はやらない。でも、あなたが出来ない1割があれば、私はそれを全力でやる、のは」

 ………いいのかなぁ?

 いろいろあってもう疲れ果てていたJは、簡単に折れた。いいのかなぁ。現に、こうして『自分が出来ない1割』をクリアしてくれた事だし。

「……じゃあ、それでいい……? ですよ」

「わぁい」ハラダは無感情にそう言うと、食堂の方向に踵を返した。

「……G様、あいつ……何なんですか?」
 Jがぼんやりと呟く。

「さぁ? でも、食べ物あげてればすっごく懐いてくれるから、わかりやすくていいじゃない?」


 そう、ハラダは食べ物で動く。
 食べ物をくれた人のためなら働く。その食べ物を生み出してくれた土地のためなら働く。食べ物をくれるのなら、その相手が善だろうと悪だろうと関係なく働く。
 ちなみに、その恩義は『上書き式』である。仮に、Xから食べ物をもらう恩義を受けた後にYから食べ物と同時に「Xを殺せ」と言われれば、それに従う。
 ハラダには、ただただ食べ物だけ与えていればいいのである。
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