15 / 16
【はみだし番外編】※展開バレ有
お題【育てる】……のおまけ(オムライスになりたい)
しおりを挟む
無粋ながら、ふと気付いてしまった。
「ギン君。オムライスになりたいのなら、ケチャップかけるのを忘れてるよ」
黄色の毛布にくるまって寝転んでいるギンが、驚愕の顔をする。確かに、今のギンは真っ黄色なだけ……言うならば『オムレツの状態』でしかなかった。
「……オージュせんせぇ、すみません。ケチャップ、かけて」
ギンが足をばたつかせて懇願する。足元で毛布にくるまれて身動きが取れない子供に懇願されるのは、さすがのオージュもだいぶ罪悪感を覚えた。
「ケチャップねぇ……」
もちろん、本物のケチャップをかけるわけはない。それをやったら、想像力皆無の阿呆である。オージュは部屋の中を一瞥した後、ギンの衣服類が入っているタンスを開けた。
「たしか、ここら辺に……お。あったあった」
何故、他人の家のタンスの中を覚えているのか知っているのか。ツッコむ者は誰もいなかった。
オージュの名誉の為に注釈を入れておくと「何か、緊急時に役に立つかも」と知っているのはギンのもの関連の場所だけであって、その母親の私物などの事は全く知らないし、どうでもいいし興味はない。頼まれても、いらない。
「ほぉら、ギン君。ケチャップだよ」
オージュは、ギンの赤いマフラーをまるで本当にケチャップをかけているかのように”くるくるへにょり”と、オムレツなギンに高所から垂らし置いた。
黄色に赤を置くと、なるほど。単純にオムライスに見えた。
「オムライスに、なりました」
自分からはその様子は見えないが、ギンはそれでご満悦だった。
「……ハムも置いたら、美味しそうになるよぉ」
オージュは、持参してきたピンク色のブランケットをギンの目の前に出した。座布団くらいの大きさの四角に畳まれたブランケットを、オムライスギンの上に置く。
「あっ。じゃあ、パセリ、パセリもっ」
身動き取れないギンがあごで指し示すその方向には、緑色のハンカチが落ちていた。オージュはそれを拾い、オムライスに添える。
「やったじゃん、ギン君! オムライスになれちゃったじゃん!」
「ゆめ、たっせいしたぁ」
オージュが年甲斐もなくはしゃいでいると、後方から「何しとんだ貴様」と冷たい声が飛んできた。
今、洗濯を干し終わり、ベランダから帰ってきた母親からしてみたら、黒づくめの怖い顔の男が我が子をぐるぐる巻きにして辺りに何やらまぶして、謎の儀式をしているようにしか見えなかった。
「…………オムライスごっこ……」
バツの悪くなったオージュは、黒いフードを深くかぶった。
▼関係ないけど、オムライスオージュ先生
「ギン君。オムライスになりたいのなら、ケチャップかけるのを忘れてるよ」
黄色の毛布にくるまって寝転んでいるギンが、驚愕の顔をする。確かに、今のギンは真っ黄色なだけ……言うならば『オムレツの状態』でしかなかった。
「……オージュせんせぇ、すみません。ケチャップ、かけて」
ギンが足をばたつかせて懇願する。足元で毛布にくるまれて身動きが取れない子供に懇願されるのは、さすがのオージュもだいぶ罪悪感を覚えた。
「ケチャップねぇ……」
もちろん、本物のケチャップをかけるわけはない。それをやったら、想像力皆無の阿呆である。オージュは部屋の中を一瞥した後、ギンの衣服類が入っているタンスを開けた。
「たしか、ここら辺に……お。あったあった」
何故、他人の家のタンスの中を覚えているのか知っているのか。ツッコむ者は誰もいなかった。
オージュの名誉の為に注釈を入れておくと「何か、緊急時に役に立つかも」と知っているのはギンのもの関連の場所だけであって、その母親の私物などの事は全く知らないし、どうでもいいし興味はない。頼まれても、いらない。
「ほぉら、ギン君。ケチャップだよ」
オージュは、ギンの赤いマフラーをまるで本当にケチャップをかけているかのように”くるくるへにょり”と、オムレツなギンに高所から垂らし置いた。
黄色に赤を置くと、なるほど。単純にオムライスに見えた。
「オムライスに、なりました」
自分からはその様子は見えないが、ギンはそれでご満悦だった。
「……ハムも置いたら、美味しそうになるよぉ」
オージュは、持参してきたピンク色のブランケットをギンの目の前に出した。座布団くらいの大きさの四角に畳まれたブランケットを、オムライスギンの上に置く。
「あっ。じゃあ、パセリ、パセリもっ」
身動き取れないギンがあごで指し示すその方向には、緑色のハンカチが落ちていた。オージュはそれを拾い、オムライスに添える。
「やったじゃん、ギン君! オムライスになれちゃったじゃん!」
「ゆめ、たっせいしたぁ」
オージュが年甲斐もなくはしゃいでいると、後方から「何しとんだ貴様」と冷たい声が飛んできた。
今、洗濯を干し終わり、ベランダから帰ってきた母親からしてみたら、黒づくめの怖い顔の男が我が子をぐるぐる巻きにして辺りに何やらまぶして、謎の儀式をしているようにしか見えなかった。
「…………オムライスごっこ……」
バツの悪くなったオージュは、黒いフードを深くかぶった。
▼関係ないけど、オムライスオージュ先生
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
チート魔力のせいで神レベルの連中に狙われましたが、守銭奴なので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
――自由を手に入れるために、なにがあっても金は稼ぎます――
金さえあれば人生はどうにでもなる――
そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。
交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。
しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。
だがその力は、本来存在してはいけないものだった。
知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。
その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在――
「世界を束ねる管理者」
神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。
巻き込まれたくない。
戦いたくもない。
知里が望むのはただ一つ。
金を稼いで楽して生きること。
しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。
守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。
金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる
巻き込まれ系異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

