21 / 23
▼とてもへいわであんしんなおはなし
低画力百鬼夜行
しおりを挟む1つの県に必ず1箇所、磁場の影響で負の力が溜まりやすい場所があってさ(大体は盆地)。
深夜4時にそこに行くと、何やら奇形な人間達が集まって夜な夜な集会をしていたりぞろぞろ歩き回っていたりするんだ。
アゴが異様に長い者、目がこぼれそうなほど大きい者、顔のパーツが歪んだ位置にある者、見ていられないほど奇形な手足。
見続けていると正気を失いかけるほど動悸がする……しかし、どこか懐かしくもある……。
実はこいつら『低画力な人が描いた"人の絵"の怨念』なんだ。
ここは、描いた奴が描いた事をひどく後悔して破り捨てたり、机の奥にしまった絵の念がそこに集まっているんだ。
……あぁ。人だけじゃなく、たまに動物なんかもいるよ。
犬だか猫だかわからない謎の生き物を、お友達と一緒に「どっちだろう」と当てっこするのも楽しいよ。
行くのはおすすめしないが、軽い肝試しにいっちょどうだろうかな。
行くとボサボサ頭の目のでかい女が「私、カワイイ?」とか訊いてきたりするんだ。
ここで「カワイイ」と言ってしまうと取り憑かれる。己の審美眼が『こういうのが"カワイイもの"なんだ』と変化させられてしまう。あなたの審美眼は一生そのままだ。相手も「今の私は可愛いんだ」と満足して、この世から去れなくなるからやめよう。
「可愛くないよ」も逆上されるからやめよう。
1番いいのは「個性的だね」と言うことだ。それでいい。「努力すればもっと可愛くなれるよ」と言ってあげるのもいいと思う。
たまに、絵が上手い人に対して逆上している奇形もいるんだ。
憎い、羨ましい、私はこんなに歪なのに、と。
絡まれたら、変になだめたりせずに「お前を描いた親が客観的目線で見る事が出来ない、努力もしない、根性もないのが悪い」と言ってやろう。
……うん。奇形は逆上するだろう。
しかし、正論だから攻撃はしてこない。
「でも、あなたを描いた時の親にとっては“それ”が全力だったんだ。仕方ない」
性格のいい奇形はそれで落ち着くかもだけど、性格悪い奇形はデモデモダッテを繰り返すから、もう無視していいよ。面倒くさいから。
多分、前者の“親”の絵は今現在はとても上手くなっていると思う。
後者は、きっと絵の講座を大量にブクマするだけして満足して自分で何もしないような奴になっている事だろう(偏見)。
1番恐ろしいのは、己の過去絵と出会った時だね。
なんて声をかけたらいいのかわからないね。
「あなたがいるから、今の私の“絵”がある。ありがとう」で納得してくれる相手かな。
「どうしてこんな奇形に産んだ!」って逆上してくるかな。それはあなたの人間性によるよ。絵とあなたは似ているから。
おぞましい場所ではあるんだけど、観光に来る人は割と多いんだ。
画材ガン無視、塗り汚い、はみ出た塗り、パースやばい、奇形。見てられない見てられない。
……あぁ。でも、評価だ流行りの技法だ描き方だ塗りだキャラだのな、くだらないしがらみが何もなく自由にフリーダムな世界なんだよ。
いつから僕ら、評価だ流行りの技法だ描き方だ塗りだキャラだの、くだらない縛りを自らに課して描くようになったんだろう。
ちなみに、個人的に胸にキたのは【全身に均等な薄い横線が付いている鉛筆描きの奇形の女の子】だったな。
最初「あの薄い横線は何だ?」って思ってたんだけど「アレ、学習ノートの線やん」って気付いてからはボロボロ涙出てきて。
今は印刷するためとかで白い紙、ちゃんとした水彩紙で描くようにしているのが自分のデフォルトなんだけど、昔はそんな事を気にせず横線入りのノートに描いちゃってたよね。学校のわら半紙の裏とかね。
気兼ねないラクガキなんて、ここ数十年したことなかったな、って(漫画のネームやキャラ練り絵は“真剣作業”であって“ラクガキ”ではない)。
と言っても、帰還できた後で相変わらず結局、評価だ流行りの技法だ描き方だ塗りだキャラだの、くだらない縛りを自らに課して描く癖はもう消える事も直しようもないんだけどね。
過去の絵も今の絵も未来の絵も誇りに思えたらいいね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
