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ミラスラス誘拐編
#3 少年、代表と会う
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男性の後ろをついていき、入ったのはとても大きな形はアパートに近い建物だった。
「代表、イクタ様とミナガワ様をお連れしました」
男性が一つの部屋の前で止まり、ノックしてそう言うと中から「レイモンド、ご苦労、入っていいぞ」と声が聞こえる。
その言葉を聞いたレイモンドはドアを開け、耀と秋穂を部屋に招き入れる。
部屋の中には橙色の綺麗な夕日が差し込んでおり、とても白い内装とマッチした色合いとなっていた。
そんな部屋の奥の椅子にはなんだか何人もの人を殺したことがあるような目をした30代半ば程の男性が座っていた。
その鋭い視線に二人は少々後退る。
この惑星の人はみんなリアクションが同じなのか、と思うほど、先程のレイモンドと呼ばれた男性と同じようなリアクションを取り、代表はサングラスを掛ける。
「あぁ、すまない、生まれつきこのような目付きでね、私も困っているんだ、許してくれ」
「は、はぁ……」
耀と秋穂は視線とは真反対な温厚そうな話し方に少々のギャップを感じながら微笑を浮かべる。
すると代表は気を取り直すように、咳払いをする。
「おっほん……改めて、遠路遥々ミラスラスへようこそ、イクタ殿、ミナガワ女史、歓迎する、私は地球との交易の代表をしているロムンという、以後お見知りおきを、さて、ここに来てもらったのは言うまでもないだろうが君達にミラスラスで初めてのレイジングを作ってもらいたいからだ、一応確認を取っておきたい、我々と共に作ってもらえるかな?」
その問いに秋穂が耀が口を開くまでもなく二つ返事で了承する、その目は光り輝いている。
ここに来る前まで来るのを嫌がっていたなど今の彼女の様子を見て誰も思うまい。
秋穂の意気揚々とした姿勢にロムンは優しく微笑む。
「慣れるまでの間、世話役にレイモンドをつけよう、何かわからないことがあれば彼に聞いてくれ、大抵のことは知っているはずだ」
「わざわざありがとうございます、それでは僕達は失礼させて頂きます」
「あぁこれからの活躍に期待している」
その言葉に少しの責任感を感じながらお辞儀をし、部屋を出る。
部屋を出ると窓の外はもう真っ暗だった。
ミラスラスの1日ってどれぐらいなんだろうか、と思い早速レイモンドに耀は質問する。
「ミラスラスの1日って何時間なんですか?」
「なんじかん?……あぁ刻のことですか、一日は15刻……約15時間です、その中で日が出ているのは7刻で今はちょうど8刻ですね」
「結構ややこしいわね、一日が短いなんて」
「確かになぁ~地球より日が短いなんてちょっと厄介かもな」
「きっと慣れると思いますよ、もっとも慣れてもらわなければ困るのですが……」
レイモンドは少し苦笑いを浮かべ、そう言う。
そして、建物の中をレイモンドについて歩いていると、レイモンドが一つのドアの前で立ち止まり、そのドアを指差し言う。
「こちらがお二人のお部屋になります」
「え、二人……合同部屋ですか……?」
「えぇ、そうですが、何か問題が?」
正直問題はある。
その問題とは、耀のある悪い癖だ。
耀は何故か異性と同じ部屋で二人っきりの状態で寝るといつの間にかその相手の寝ている場所へと移動する癖があるのだ。
そのことで秋穂に何度ビンタを浴びせられたかわからない。
そのことを耀がレイモンド伝えようとすると、秋穂が口を挟む。
「あぁ、アレのこと?大丈夫よ、私達もう18歳よ?私もあなたも子供じゃないでしょ、それにもう流石に慣れたわ」
秋穂は腕組みをしてそっぽを向き、そう言う。
その頬はほのかに紅潮しているが、耀はそのことに全く気付かない。
しかし、それでも本人が良いと言っても心配なものは心配である。
「いや、なんか18歳だからこそ心配なことがあるというかなんというか……」
「はいはい、そんなことはもうどうでもいいから、今日はちゃっちゃと寝て明日に備えるわよ」
こうして耀と秋穂の異星同居生活が始まった。
「代表、イクタ様とミナガワ様をお連れしました」
男性が一つの部屋の前で止まり、ノックしてそう言うと中から「レイモンド、ご苦労、入っていいぞ」と声が聞こえる。
その言葉を聞いたレイモンドはドアを開け、耀と秋穂を部屋に招き入れる。
部屋の中には橙色の綺麗な夕日が差し込んでおり、とても白い内装とマッチした色合いとなっていた。
そんな部屋の奥の椅子にはなんだか何人もの人を殺したことがあるような目をした30代半ば程の男性が座っていた。
その鋭い視線に二人は少々後退る。
この惑星の人はみんなリアクションが同じなのか、と思うほど、先程のレイモンドと呼ばれた男性と同じようなリアクションを取り、代表はサングラスを掛ける。
「あぁ、すまない、生まれつきこのような目付きでね、私も困っているんだ、許してくれ」
「は、はぁ……」
耀と秋穂は視線とは真反対な温厚そうな話し方に少々のギャップを感じながら微笑を浮かべる。
すると代表は気を取り直すように、咳払いをする。
「おっほん……改めて、遠路遥々ミラスラスへようこそ、イクタ殿、ミナガワ女史、歓迎する、私は地球との交易の代表をしているロムンという、以後お見知りおきを、さて、ここに来てもらったのは言うまでもないだろうが君達にミラスラスで初めてのレイジングを作ってもらいたいからだ、一応確認を取っておきたい、我々と共に作ってもらえるかな?」
その問いに秋穂が耀が口を開くまでもなく二つ返事で了承する、その目は光り輝いている。
ここに来る前まで来るのを嫌がっていたなど今の彼女の様子を見て誰も思うまい。
秋穂の意気揚々とした姿勢にロムンは優しく微笑む。
「慣れるまでの間、世話役にレイモンドをつけよう、何かわからないことがあれば彼に聞いてくれ、大抵のことは知っているはずだ」
「わざわざありがとうございます、それでは僕達は失礼させて頂きます」
「あぁこれからの活躍に期待している」
その言葉に少しの責任感を感じながらお辞儀をし、部屋を出る。
部屋を出ると窓の外はもう真っ暗だった。
ミラスラスの1日ってどれぐらいなんだろうか、と思い早速レイモンドに耀は質問する。
「ミラスラスの1日って何時間なんですか?」
「なんじかん?……あぁ刻のことですか、一日は15刻……約15時間です、その中で日が出ているのは7刻で今はちょうど8刻ですね」
「結構ややこしいわね、一日が短いなんて」
「確かになぁ~地球より日が短いなんてちょっと厄介かもな」
「きっと慣れると思いますよ、もっとも慣れてもらわなければ困るのですが……」
レイモンドは少し苦笑いを浮かべ、そう言う。
そして、建物の中をレイモンドについて歩いていると、レイモンドが一つのドアの前で立ち止まり、そのドアを指差し言う。
「こちらがお二人のお部屋になります」
「え、二人……合同部屋ですか……?」
「えぇ、そうですが、何か問題が?」
正直問題はある。
その問題とは、耀のある悪い癖だ。
耀は何故か異性と同じ部屋で二人っきりの状態で寝るといつの間にかその相手の寝ている場所へと移動する癖があるのだ。
そのことで秋穂に何度ビンタを浴びせられたかわからない。
そのことを耀がレイモンド伝えようとすると、秋穂が口を挟む。
「あぁ、アレのこと?大丈夫よ、私達もう18歳よ?私もあなたも子供じゃないでしょ、それにもう流石に慣れたわ」
秋穂は腕組みをしてそっぽを向き、そう言う。
その頬はほのかに紅潮しているが、耀はそのことに全く気付かない。
しかし、それでも本人が良いと言っても心配なものは心配である。
「いや、なんか18歳だからこそ心配なことがあるというかなんというか……」
「はいはい、そんなことはもうどうでもいいから、今日はちゃっちゃと寝て明日に備えるわよ」
こうして耀と秋穂の異星同居生活が始まった。
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