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幼年期
#3 一家の生活リズム
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鍛冶職人一家の朝は早い。
朝早くに起きては朝食を取り。
父さん、ルル兄さん、俺は工房に向かい。
母さんとミサ姉さんは家事をする。
どうやら、来年ミサ姉さんは許嫁の家へと嫁ぐらしいので、今はグラント家の女として恥ずかしく無い家事スキルを身に付けるため、一生懸命だ。
工房に向かった俺達は、鉄を打つ。
厳密に言うと俺は見学するだけで、鉄を打つのは父さんとルル兄さんだ。
本で鍛冶について学んでみたものの、全くわからなかったので、今父さんとルル兄さんを見て勉強しているという状態だ、実際、本で読むより勉強になる、まさにこれこそ百聞は一見にしかずということだ。
あぁ来年が待ち遠しい……早く鉄を打ってみたい……。
鍛冶職人一家の性なのかどうかわからないが、とても鍛冶というものが楽しみだ。
_____________________________________________________
見学を終え庭に出た俺は魔導書を片手に魔法の訓練を開始する。
「種火よ灯れ」
そう唱えると、指先に小さな炎が灯る、この魔法は蝋燭などの着火させるものように使う魔法[小炎]《マイクロファイヤ》だ。
この程度なら簡単だが、問題は攻撃系魔法である。
とりあえず今日はその攻撃系魔法のなかで最も低ランクの[ウィンド]を練習しようと思う。
「ん~と、攻撃魔法は形を想像しながら詠唱っと」
手を的の木に向けて構え、形を想像しそれを使うイメージを固める。
そして詠唱をする。
「[風よ!!吹き荒れろ!!]」
瞬間手から突風が飛び出し的を揺らす。
「(なるほど、[ウィンド]が攻撃魔法の中で一番低ランクなのは、攻撃力が無いからなんだな……でもこれも工夫すれば……)」
頭の中で風の槍をイメージし、詠唱してみる。
「[風よ!!吹き荒れろ!!]」
さっきと同じように手から突風が飛び出した、しかし、今度は形が違った、細い槍のような形をした突風が木に浅く穴を開ける。
「(やっぱりだ、低ランク魔法でも少し工夫すれば十分に使えるじゃないか、これは使えるな……あれ?……頭がくらくらする……体に……ちか……らが……)」
そこで俺の視界はブラックアウトした。
____________________________________
「知らない天井だ」
と言ってみたが、その天井はよく見知っている自室の天井だ。
「何変なこと言ってるの?レイくん?」
「あぁミサ姉さん、俺……なんで部屋のベッドに?」
「庭に倒れてたのよ、全く……ビックリしたんだから」
「ごめんなさい」
「それじゃあ、お詫びとして、ぎゅうってさせて?」
「え?」
「ぎゅうぅうぅぅぅう」
返事をしてないのに、ハグされた。
「!?(ちょっとお姉さん待ってくれるかな?外見は4歳だけど中身は29歳のおっさんでありまして……えと……その……ありがとうございます!!)」
俺じゃない方のレイは、これを普通にやって居たのだろうか…羨まけしからん。
チラッとミサ姉さんを見る。
「ふあぁ~久しぶりのレイくん成分だぁ……ライルさんの所に行ったら、たまに会えた時にしかぎゅうって出来なくなっちゃうなぁ……あぁ~レイくんの体柔らかくて気持ち良い……」
恍惚の表情をしてらっしゃる。
「(ライルさんって、許嫁の人の名前かな?
そうか……ミサ姉さんはもうすぐ家から居なくなるんだよな……しょうがない……姉さんが満足するまでハグさせてあげよう、あぁ姉さんにハグされてると眠くなるな……もういっそ姉さんの胸のなかで寝てしまっても良いよな……兄弟だし……俺、今ショタだし……おやすみなさい)」
そうして俺はすぐに寝息をたて始める
「あれ?寝ちゃった?でも……もう少し、もう少しだけこうさせてね……」
そう、少し悲しげな顔をしながら、ミサ姉さんは俺をハグし続けるのだった。
朝早くに起きては朝食を取り。
父さん、ルル兄さん、俺は工房に向かい。
母さんとミサ姉さんは家事をする。
どうやら、来年ミサ姉さんは許嫁の家へと嫁ぐらしいので、今はグラント家の女として恥ずかしく無い家事スキルを身に付けるため、一生懸命だ。
工房に向かった俺達は、鉄を打つ。
厳密に言うと俺は見学するだけで、鉄を打つのは父さんとルル兄さんだ。
本で鍛冶について学んでみたものの、全くわからなかったので、今父さんとルル兄さんを見て勉強しているという状態だ、実際、本で読むより勉強になる、まさにこれこそ百聞は一見にしかずということだ。
あぁ来年が待ち遠しい……早く鉄を打ってみたい……。
鍛冶職人一家の性なのかどうかわからないが、とても鍛冶というものが楽しみだ。
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見学を終え庭に出た俺は魔導書を片手に魔法の訓練を開始する。
「種火よ灯れ」
そう唱えると、指先に小さな炎が灯る、この魔法は蝋燭などの着火させるものように使う魔法[小炎]《マイクロファイヤ》だ。
この程度なら簡単だが、問題は攻撃系魔法である。
とりあえず今日はその攻撃系魔法のなかで最も低ランクの[ウィンド]を練習しようと思う。
「ん~と、攻撃魔法は形を想像しながら詠唱っと」
手を的の木に向けて構え、形を想像しそれを使うイメージを固める。
そして詠唱をする。
「[風よ!!吹き荒れろ!!]」
瞬間手から突風が飛び出し的を揺らす。
「(なるほど、[ウィンド]が攻撃魔法の中で一番低ランクなのは、攻撃力が無いからなんだな……でもこれも工夫すれば……)」
頭の中で風の槍をイメージし、詠唱してみる。
「[風よ!!吹き荒れろ!!]」
さっきと同じように手から突風が飛び出した、しかし、今度は形が違った、細い槍のような形をした突風が木に浅く穴を開ける。
「(やっぱりだ、低ランク魔法でも少し工夫すれば十分に使えるじゃないか、これは使えるな……あれ?……頭がくらくらする……体に……ちか……らが……)」
そこで俺の視界はブラックアウトした。
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「知らない天井だ」
と言ってみたが、その天井はよく見知っている自室の天井だ。
「何変なこと言ってるの?レイくん?」
「あぁミサ姉さん、俺……なんで部屋のベッドに?」
「庭に倒れてたのよ、全く……ビックリしたんだから」
「ごめんなさい」
「それじゃあ、お詫びとして、ぎゅうってさせて?」
「え?」
「ぎゅうぅうぅぅぅう」
返事をしてないのに、ハグされた。
「!?(ちょっとお姉さん待ってくれるかな?外見は4歳だけど中身は29歳のおっさんでありまして……えと……その……ありがとうございます!!)」
俺じゃない方のレイは、これを普通にやって居たのだろうか…羨まけしからん。
チラッとミサ姉さんを見る。
「ふあぁ~久しぶりのレイくん成分だぁ……ライルさんの所に行ったら、たまに会えた時にしかぎゅうって出来なくなっちゃうなぁ……あぁ~レイくんの体柔らかくて気持ち良い……」
恍惚の表情をしてらっしゃる。
「(ライルさんって、許嫁の人の名前かな?
そうか……ミサ姉さんはもうすぐ家から居なくなるんだよな……しょうがない……姉さんが満足するまでハグさせてあげよう、あぁ姉さんにハグされてると眠くなるな……もういっそ姉さんの胸のなかで寝てしまっても良いよな……兄弟だし……俺、今ショタだし……おやすみなさい)」
そうして俺はすぐに寝息をたて始める
「あれ?寝ちゃった?でも……もう少し、もう少しだけこうさせてね……」
そう、少し悲しげな顔をしながら、ミサ姉さんは俺をハグし続けるのだった。
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