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幼年期
#4 初恋と別れ
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朝のいつもの時間に目が覚めた。
最初は慣れずとても眠かったが、もう慣れっこだ。
そして、大広間に行くと、ミサ姉さんがお洒落をして、座っていた。
そう、今日はミサ姉さんが家を出ていく日だ。
とても綺麗だった。
それはもう、直視できない程に。
「おはよう、姉さん」
「おはよう、レイくん」
「姉さん」
「何?レイくん?」
「そのなんていうか…可愛いね」
「あら、そう?レイくんにそう言われると嬉しいなぁ」
俺がそう褒めると、ミサ姉さんは、フフフと笑った。
そして、その表情を明日から見れなくなるのか、と考えると、とても悲しい気持ちになった。
そうして、全員が揃い5人で食べる最後の朝ごはんを食べた、いつもの美味しいご飯だが、どこか、味気無く感じた。
そして、ついに別れの時が来た。
家族全員でミサ姉さんを見送る。
「それでは、ミサ達者でな」
「うん」
父さんの言葉はいつも通り簡潔で簡単だった、しかし、その短い言葉にとても強い愛情が詰まっていると感じた。
「くれぐれも、ライルさんに迷惑がかからないようにね?それと、貴女は負けず嫌いな所があるから、少し立場をわきまえなさいね、それから、私の教えた家事のテクニックを活用すること、それから…それから……」
母さんの目から涙がボロボロと零れる。
しかし、母さんはその涙をすぐに拭き取った。
そしてこう言った。
「幸せになりなさいね?」
その言葉により、ミサ姉さんの抑えていた涙がボロボロと零れ落ちた。
そして、母さんと同じように、涙を拭き取り、自信たっぷりな顔でこう言った。
「うん、絶対……グスン……お母さんより幸せになってやるんだから!!」
その光景を見て改めて二人が良く似ていることに気付いた俺だった。
次はルル兄さんの番だ。
「その……姉さん、これまで沢山迷惑かけてごめんなさい……」
「うん」
「それと……6年前水浴び場を泡だらけにしたの、俺です、ごめんなさい……他にもいろいr……イテッ!」
ルル兄さんが言い切る前にミサ姉さんが拳骨を食らわせた。
「なにすんだよ、姉さん!!」
「うんうん!やっぱりルルはそれが良いよ!!しゅんとしてるずっと良い!!それとさっきの一発でこれまでのことは許したげる!!私も頑張るから貴方も頑張りなさいよ?」
「もちろん!!そっちこそイラッとしてライルさん泣かせんなよ?」
「なにを~」
とミサ姉さんがルル兄さんのこめかみをグリグリする。
ルル兄さんも負けじとミサ姉さんのこめかみをグリグリする。
二人は眩しい笑顔で笑っていた。
喧嘩するほど仲が良いってホントのことだったんだなと実感した。
次は、俺の番だ。
そして、俺は9か月前のことを思い出しながらこう言う。
「姉さん、ぎゅうってしよ?」
姉さんは少しビックリした顔をしたが、すぐに笑顔になり、抱きついてきた。
「ぎゅうううううううううううう!!」
俺も負けじと抱き返す
「ぎゅうううううううううううう!!」
とてもその時間は幸せな時間で、この時間が永遠に続けば良いのにと思うほどだった。
しかし、程無くしてその時間は終わり、ついに本当の別れの時が来た。
ミサ姉さんが大きく息を吸い、
「15年間ありがとうございました!!」
と言い、迎えの馬車に乗っていった。
そして、居なくなって、俺は気付いた、俺は叶わぬ恋心をミサ姉さんに抱いていたんだ、と。
最初は慣れずとても眠かったが、もう慣れっこだ。
そして、大広間に行くと、ミサ姉さんがお洒落をして、座っていた。
そう、今日はミサ姉さんが家を出ていく日だ。
とても綺麗だった。
それはもう、直視できない程に。
「おはよう、姉さん」
「おはよう、レイくん」
「姉さん」
「何?レイくん?」
「そのなんていうか…可愛いね」
「あら、そう?レイくんにそう言われると嬉しいなぁ」
俺がそう褒めると、ミサ姉さんは、フフフと笑った。
そして、その表情を明日から見れなくなるのか、と考えると、とても悲しい気持ちになった。
そうして、全員が揃い5人で食べる最後の朝ごはんを食べた、いつもの美味しいご飯だが、どこか、味気無く感じた。
そして、ついに別れの時が来た。
家族全員でミサ姉さんを見送る。
「それでは、ミサ達者でな」
「うん」
父さんの言葉はいつも通り簡潔で簡単だった、しかし、その短い言葉にとても強い愛情が詰まっていると感じた。
「くれぐれも、ライルさんに迷惑がかからないようにね?それと、貴女は負けず嫌いな所があるから、少し立場をわきまえなさいね、それから、私の教えた家事のテクニックを活用すること、それから…それから……」
母さんの目から涙がボロボロと零れる。
しかし、母さんはその涙をすぐに拭き取った。
そしてこう言った。
「幸せになりなさいね?」
その言葉により、ミサ姉さんの抑えていた涙がボロボロと零れ落ちた。
そして、母さんと同じように、涙を拭き取り、自信たっぷりな顔でこう言った。
「うん、絶対……グスン……お母さんより幸せになってやるんだから!!」
その光景を見て改めて二人が良く似ていることに気付いた俺だった。
次はルル兄さんの番だ。
「その……姉さん、これまで沢山迷惑かけてごめんなさい……」
「うん」
「それと……6年前水浴び場を泡だらけにしたの、俺です、ごめんなさい……他にもいろいr……イテッ!」
ルル兄さんが言い切る前にミサ姉さんが拳骨を食らわせた。
「なにすんだよ、姉さん!!」
「うんうん!やっぱりルルはそれが良いよ!!しゅんとしてるずっと良い!!それとさっきの一発でこれまでのことは許したげる!!私も頑張るから貴方も頑張りなさいよ?」
「もちろん!!そっちこそイラッとしてライルさん泣かせんなよ?」
「なにを~」
とミサ姉さんがルル兄さんのこめかみをグリグリする。
ルル兄さんも負けじとミサ姉さんのこめかみをグリグリする。
二人は眩しい笑顔で笑っていた。
喧嘩するほど仲が良いってホントのことだったんだなと実感した。
次は、俺の番だ。
そして、俺は9か月前のことを思い出しながらこう言う。
「姉さん、ぎゅうってしよ?」
姉さんは少しビックリした顔をしたが、すぐに笑顔になり、抱きついてきた。
「ぎゅうううううううううううう!!」
俺も負けじと抱き返す
「ぎゅうううううううううううう!!」
とてもその時間は幸せな時間で、この時間が永遠に続けば良いのにと思うほどだった。
しかし、程無くしてその時間は終わり、ついに本当の別れの時が来た。
ミサ姉さんが大きく息を吸い、
「15年間ありがとうございました!!」
と言い、迎えの馬車に乗っていった。
そして、居なくなって、俺は気付いた、俺は叶わぬ恋心をミサ姉さんに抱いていたんだ、と。
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