RESERVER

建月 創士

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code:00 世界観

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 まずお話に入る前に世界観を説明しておこう。
 舞台であるここは言わずもがな地球である、しかし、少し現代とは違う。
 25世紀後期にこれまで不可能だ、と言われていた机上の空論、魔法、魔術といったあまりに非科学的で幻想的な技術が成立した世界なのだ。
 その技術の成立により『魔力』という新しいエネルギーが発現した。
 もちろんこれによりエネルギー革新が起きた、まぁ、そこまで急激な発展とはいかなかったが。
 そして、長年の研究により26世紀中期に魔力は電力よりも機械を動かす力に富んでいることが証明され、世界中はこれに注目し、期待した。
 そしてその期待に答えるかのように、魔力はその強力な力を大衆に示した。
 それまで重々しく動いていた重機が軽々しく動き、そして、従来では持ち上げられない物を持ち上げるなどの「それまで出来なかったこと」を実現させた。
 しかし、この世界が、そんなイージーモードな世界であるはずがない、人々は魔力の微量の毒性に気づけなかった。
 魔力と直で触れあい、そして研究していた研究者達は蓄積した毒により突然の死を迎えた。
 その死は、微量な毒性ではあるが魔力に秘められる危険性を知らしめるには十分すぎることであった。
 そして、研究者が次々と亡くなったことにより魔力の研究は停滞期を迎えた、当たり前といえば当たり前である。
 研究を続ければ続けるほど死が近づく研究などよほどの魔力キチではない限りやりたがりはしないだろう。
 ただ一つ、日本人の研究所を除いて。
 危険性が証明されたにも関わらず、彼らは研究を続け、そして、大きな一歩を踏み出した。
 それは、魔力は電気を避けて動く、という性質がある、ということである。
 これはつまり、人を電気で覆えば魔力は人間に害を及ぼすことはない、ということになる。
 滅茶苦茶なことではあるが、実証されたのだから否定など出来はしない。
 これを研究所はすぐに公表をせず、自分達だけで更に研究を進めた、そして、研究は急激な前進を遂げる。
 魔力を完全に遮断する繊維、生地が誕生したのだ、他の繊維の生地より厚く、重くはあるものの、魔力を遮断するだけでなく、保温性に優れ、冬場の活動に多大なる活力を見出した。
 これを研究者達は研究チームのリーダーから名字を取って、「ナトリ繊維」と名付けた。
 ナトリ繊維が完成した年、彼らは技術を論文として発表し、そして、満足したかのように魔力の毒により命を散らしていった。
 論文の最後に「Let's leave it to you how you use thisこれをどう扱うかは君達に任せよう」と、残して。
 その論文が公に晒されたとき、それまで二の足を踏んでいた魔力の研究はそこで一気に数歩前に進んだ。
 まず最初に、重機が進化した、魔力を動力源とし、作業服の素材にナトリ繊維を採用することにより、抜群の運動性による効率の上昇、今までクレーンなどを必要としていたコンテナの詰め込みやその他諸々の重量物への扱いが簡単になった。
 勿論、これによりクレーンなどの作業用重機は廃れていき、20年後にはもうかなりの辺境でないと見受けられなくなっていった。
 そして、魔力はその絶大な力を発揮し続け、人間は魔力の虜となった。
 そして、虜になった人間達はすぐにこう考えた。

「これで誰よりも強くなれるのでは」と。

 人間とは愚かな生き物で、研究が進められて行くに連れてだんだんとその力を『武力』として使い始めた。
 もしかしたら論文を提出した研究員達はこうなるとわかっていたため、「これをどう扱うかは君たちに任せよう」と、大人しく死を選んだのかもしれない、彼らも愚かな人間と等しく同じ人間だったから。
 そして、人間は魔力を利用し、銃、剣、そして『戦闘用ロボット』の開発を開始した。
 結果を言うと、それは成功した。
 勿論だ、これまで幾度となく山を越え歩を進めてきた人間なのだから、兵器を一つ開発するなど造作もない。
 そして、そのロボット達は「もしものときの予備の戦闘ロボット」として開発されたため『リザーブ』と名付けられた。
 あくまで「予備」である、そう開発されたはずだ。
 しかし、現実はそうはいかない。
 チカラというものは人を狂わせ、操作し、そして殺す。
 リザーブにもその性質は受け継がれていたのである。
 そして、「強力なチカラ」であるリザーブが招いたのは言わずもがな、戦争だ。
 それはとても悲惨な戦いであった、かつて大変栄えていた街中を各国のリザーブが走り回り、凌ぎを削りながら鉛玉を吐き出し、そして壊し、血を流す。
 勿論、核兵器も使われた。
 数百年前の一つや二つの世界大戦など、人間達はとうに忘れていた。
 いや、思い出さないようにしていた、罪悪感などというくだらない感情を表に出さなくて良いように。
 リザーブの力を手に入れ、笑いながら人が人を殺す様はさぞ醜く、狂気的であっただろう。
 しかし、人間とはそういう生き物なのだ、表では「世のため人のため」と言うが内心では「自分さえ良ければ」と考えているのが人間である。
 ここでしょうがない、というのは実に勝手だろう、しかし、他になんとも言えない、完全に否定できないのが人間だ。
 人間を否定できるものなど人間には居ない、そう断言出来てしまうのが人間という生き物だ。
 しかし、それは裏を返せば人間以外なら人間を否定できる、となる。
 そして、戦争の真っ只中、[人ならざるもの]が人間を否定しに地球に舞い降りた。
 それは、異星人、エイリアン、ミュータント、色々な呼ばれ方をしたが、結果的にこう呼ばれた「外敵」と。
 彼らは地上に母船を下ろした後、そこに巣を構築した。
 外敵の圧倒的な戦闘力を前に人間は苦戦を強いられた、気づけば戦争の影響もあってか人間の数はかつての半数まで減少していた。
 しかし、人間はこのまま殺られるような生き物ではなかった。
 現れたのだ、「英雄」が。
 「英雄」は単機で地上の外敵を狩り尽くし、外敵の唯一の巣である母船を破壊した。
 単機で、である。
 その戦う様子を見ていたリザーブ乗りは皆口を揃えて、彼のことをこう呼ぶ、白銀の機体を血で紅くした紅白の騎士「血塗れ鬼」と。
 そして、彼は機体の魔力を最大開放状態で休みなく常に動いていたため、外敵との戦闘が終わり、機体が回収された頃には、極度の疲労により、痩せこけ、目や口、耳からは血を吹き出し、愛機の中で静かな微笑みを浮かべながら死んでいたという。
 この英雄の話は別の場所で語る機会があれば語ろう。
 そして、人々はこの戦争での人々の死を「尊き命の瞬き」と、都合よく綺麗に誇張し、蓋をした。
 そして、それから人間が復興するのには数十年という年月がかかった。
 その中で彼らは対外敵戦闘軍『FECAフィーシャ』を開設した。
 そしてそれと同時にリザーブを対外敵人型戦闘兵器とした。
 外敵という存在を認識してから平和というものを認識し直したのだ。
 そして、これが完全に定着し、当たり前となったのはこの物語の本筋、28世紀のことである。
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