Black Daiamond

Ray

文字の大きさ
10 / 18

9, クラス決め

しおりを挟む
    私の名前が呼ばれた瞬間、大広間は水を打ったように静かになった。喜びあっていた姉妹も、泣いている人も笑っている人も。これが本当の静粛と言うのか…。
    しかし、静粛になったのも束の間。すぐざわざわと煩くなってきた。何を話しているかは聞き取れないが、何か近くの人達とこそこそと話しているようだが、そう話すにしてはいささか大きい声だ。雑音でしかない。



ドカッ



    
    急にざわざわとしていた大広間で大きい音が響いた。
    ピタッと雑音が止んだ。皆がゆっくりと音のした方を見る。私もつられて見る。
    そこには、



──ルナがいた。

「…ごめんあそばセ。皆様随分とお元気そうですわネ。とても喜ばしい事ですワ。…しかし、少々お元気が過ぎるのではなくテ?────黙れよ、糞虫野郎共が」
    話し終わったルナは柔らかい笑顔でふふふっと軽く笑いながら謝罪をしたが、話の後半はいつものようなその高い澄んだ声も笑顔を消し、凄いドスのきいた声でそう言った。
──静粛に戻った。

「ふふふっあははははッ」
    思わず笑ってしまった。
    まわりの人がまるで、異物を見たときのような顔で此方を見る。が、笑いは止まらない。
「ハハハハッ……あー…笑った、笑った。
    ありがとな、ルナ。私のためにやってくれたんだろ?」
    笑いすぎて出てしまった涙を軽く拭う。
    まだ、放心状態のティアを見て、ルナの方を見る。よく見ると、ルナの足下は蜘蛛の巣状のひびが入っていることが分かる。
    そして、フッと笑って見せた。
「大丈夫だ。サッサと終わらして早く話そうじゃないか」
    まだ静粛状態の大広間にいる人たちにもそう笑って見せる。そしてルーのいる場所に真っ直ぐ、まわりの視線を無視して、ゆっくりと移動をする。
「……ブラックちゃん。このままでやっていいの?」
    ルーがまわりに聞こえないように小声で話しかけてきた。
「いいんだよ。面白くなってきた」
「………なら、いいわね」
    そう、小声で言い、バングルを私の腕につけた。バングルには2cmぐらいの透明な何色でもない石が埋め込まれている。
    じっと見る。



「………」
    …なにも起こらない。
    光もしない。
    …これは、何か不具合でもおきたのか?
「…不具合かしら?」
    ルーも不審に思ったらしい。
    また、徐々にざわざわと雑音が聞こえてくる。先程とは違って聞こえる声で。いや、もしかしたらわざとなのかもしれない。
「なぁ、アイツってただの人間じゃないのか?」
「わーーカーワイソー~」
「帰ってくんないかなぁーー?」
「時間の無駄ね」
あれ・・がそうだとカワイソウねー」
「そうそう。私も思ったー」
「あれじゃね?間違えて人間どもの中から連れてきちゃったんじゃね?」
「何それー、あり得るわー」
「てか俺、初めて見たわーあんなの」
「わたしもぉー」
「ないわ~」
「ウケる~」
「人間が俺達の所に来るんじゃねーって話だよな~」
    ルナを見るとプルプルと震えている。どうやら耐えているようだ。まぁ、あまり持ちそうにないが…。
「静か──…」
    注意をしようとしたルーの声が途中で止まる。









──ピカッとバングルが銀色に光ったからだ。

    誰よりも長く。
    誰よりも輝く。
    誰よりも眩しく。








    



    やっと光が収まった。
    バングルに埋め込まれていた宝石は






──【ダイヤモンド】だ。




「……」
    どうやら私は無事、ルナとティアと同じクラスになれたらしい。








しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

真実の愛を見つけたとおっしゃるので

あんど もあ
ファンタジー
貴族学院のお昼休みに突然始まった婚約破棄劇。 「真実の愛を見つけた」と言う婚約者にレイチェルは反撃する。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
【3月中――完結!】 積み上がった伏線の回収目前!! 夫にも子どもにも、私は選ばれなかった。 長年の裏切りを抱え、離縁状を置いて家を出た――。 待っていたのは、凍てつく絶望。 けれど同時に、それは残酷な運命の扉が開く瞬間でもあった。 「夫は愛人と生きればいい。  今さら縋られても、裏切ったあなたを許す力など残っていない」 それでも私は誓う―― 「子どもたちの心だけは、必ず取り戻す」 歪で、完全な幸福――それとも、破滅。 “石”に翻弄された者たちの、狂おしい物語。

今更……助けてくれと……言われても……

#Daki-Makura
ファンタジー
出奔した息子から手紙が届いた…… 今更……助けてくれと……言われても……

三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~

杵築しゅん
ファンタジー
 戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。  3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。  家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。  そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。  こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。  身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。

失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた

しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。 すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。 早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。 この案に王太子の返事は?   王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。

処理中です...