おっとりドンの童歌

花田 一劫

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第1話~どだば(どうした)?~

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やっとコートが要らなくなり、すれ違う人達も何だか生き生きとして見える。みんなの、笑顔、服装、歩き方まで違って来た。小鳥のさえずりの歌や、草木の爽やかな触れ合う音までもがとてもいい。
いい。いいよ~。それがいい。
あ~よっしゃ。朝日が眩しく心地いいな。
今日は何か(良い事)が起こるような気がして来たな。
そんな中、それを打ち砕く出来事が起きた。
前から歩いて来る女の人が、わい(私)
を見て嫌そうな目をしている。
次の人もそうだ。何でだろう?
折角の気持ちがいい朝が嫌な気分になり、「はあ~。」と呟いた。
その時だ、
「よっ、ドン、おはよう。」後ろから、同じクラスの闇田君が肩をポンとたたき、追い越して行った。
その後を闇田君のコバンザメみたいに三人組が追っている。
その三人とは、おかっぱ頭の伊藤、七三分けの要(かなめ)、天然パーマの加藤の三人だ。
闇田君は、他県の中学校から3ヶ月前に転校して来たばかりだが、運動神経が抜群に良く、しかも背が高くて、イケメン顔で、クラスの女の子達に抜群の人気があった。
三人共、そんな、闇田に憧れているみたいで、いつも引っ付いている。
いつも三人でいることから、クラスのみんなからは、イトーヨーカドー(伊藤・要・加藤)と呼ばれていた。
う~ん。確かに憧れる気持ちがわかるような気がする。
それに、彼( 闇田君) の所作( 動きに) に無駄がないな~。
わい(私)にとっても彼は眩し過ぎる生き物(存在)かもしれない。
それに比べ、わいは、小太りの色白でどんくさい事から、クラスの皆の中では、ドンブー( どんくさい豚) と呼ばれていた。
ドカオ( 鈍感な男) と呼ばれるのが、まだ、言い方なのだが・・。
誰も本名の道明寺僚( どうみょうじつかさ) とは呼んではくれない。
マンガ等の「花より○○ 」に掲載された主人公の名前に似ていることから、
(名前が)穢( けが) れる~と女の子達が言っていた。
は~あ、正にトホホなのである。
そんなことを思いながらトボトボと歩いていたら、
「おはよう、ドンチャン。遅刻するよ~。」振り向くと、華ちゃんが微笑みながら、「チャック、チャック。」とわいのズボンを指さしてから追い越して行った。
華ちゃんは学校のアイドル的存在で、その子から挨拶されて、わいは上の空状態で
(ほんと、いい日だなあと、嫌なことを忘れよぉっと。)
ぼーとして歩いていた。
ところで、チャックってなに?
彼( 道明寺僚) の履いているズボンのチャックから、白いワイシャツがはみ出ていたが、いい意味で?おっとり(どんくさい)している性格の彼は未だ気が付かない。


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