【完結】侯爵家令息のハーレムなのに男しかいないのはおかしい

みやこ嬢

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本編

27話:閨の勉強は騎士団長と 8 *

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「……で、来年度からのクラス委員は僕とラグロ君に決まったんです」


 夜のヴィクランド侯爵邸、その庭園の片隅に建つ離れには明かりが灯されていた。その寝室の衝立の陰で服を脱ぎながら話しているのはアデル。もうすぐ十三歳になる、ヴィクランド家の嫡男だ。
 ベッド脇の椅子に腰掛けて話を聞いているのは、騎士団長のカイン。学年末試験の前はしばらく控えていたため、ここに来るのは一ヶ月振りである。


「アデル君ほど優秀だと、卒業までずっとクラス委員になってしまいそうだね」

「今まで一緒にやってた子が働き者だったので、そんなに負担はなかったですよ。ラグロ君は……どうかなあ」


 この一年、クラス委員の仕事はカナンがほとんどこなしていた。アデルがやったのは確認作業や会合出席、それとカナンを褒めることくらい。
 ラグロは人目がある場所では全く話さないから会合での発言には期待できない。それ以外で協力してくれるかどうかも未知数だ。


「生徒会にも誘われていると言ってなかったか?」

「そろそろ入らないと、とは思ってます」


 ヴィレオから声を掛けられていたが、そのままスルーしてしていたのを思い出し、アデルは苦笑いを浮かべた。
 入学してすぐ生徒会入りしたら親の七光りだと思われそうで避けていたが、この一年で実力はアピールしてきた。そろそろ上級生や下級生にも人脈を広げていかなければならない。それには生徒会という組織に属するのが一番手っ取り早い。


「アランは女好きでちゃらんぽらんな性格だが、話術と人心掌握術に長けていてね、学生時代は一年生の頃から生徒会に入っていたよ」

「そうなんですか」

「私たちが三年の時に入学してきたマリアンナ……アデル君の母上とアランは出会った。成績優秀な彼女と接点を作るためにアランが『成績上位者をクラス委員にする』という決まりを作ったんだよ」

「へぇ……え? この慣例、父上が作ったの!?」


 確かに、クラス委員になれば学年関係なく月イチで生徒会役員との会合に参加する決まりがある。それを作ったのがまさか自分の父親だったとは、とアデルは驚きを隠せない。


「アデル君が賢いのは君自身の努力でもあるけれど、マリアンナに似たのかもしれないな」


 遠い目をして昔話をするカインの横に座るアデル。いま身体を隠しているのは薄い肌着一枚のみだが、特に恥ずかしがることもなく平然としている。
 初めは緊張していた『快楽に慣らすための訓練』も一年続けば余裕が出てくる。現にアデルはカインの前で脱ぐことに対し、あまり恥じらいを感じなくなってきていた。


「私とマリアンナが幼馴染みというのは?」

「母上から聞いたことがあります」

「実家が近いからね。妹がマリアンナと同い年で仲が良くて、幼い頃はよく遊んだものだ。……そうだな、アデル君はあの頃のマリアンナによく似ている」


 そう言いながら、カインはアデルの頬に手を伸ばした。薄明かりの中、間近で見つめられたのが照れ臭くてアデルは頬を染めた。だが、その目が自分を通り越して遠くを見ているような気がした。

 幼馴染みだったというマリアンナとカイン。
 若い頃、密かに想いを寄せていたのではないか。
 今でも独身を貫いているのは、もしかしてまだマリアンナに未練があるからではないか。
 そして今こうしてアデルに接しているのは、マリアンナの面影を重ねているのではないか。

 そう思った途端、心臓が締め付けられるように痛み、アデルは無意識に胸を押さえた。苦しいような、切ないような。
 でも、決して不快な気持ちではない。


「んっ……」


 互いの唇を貪るように重ねて抱き合う。
 ベッドに押し倒され、薄い布越しに胸や脇腹を撫でる大きな手の感触を愉しむ。


「あ、そこ、くすぐったい……」

「くすぐったいだけかな?」

「……いじわる」


 訓練開始当初は、こうやって触れられるのが苦手だった。これまで感じたことのない感覚が内から湧き上がってくるのが怖くて何度も抗った。一年かけて慣らした結果、アデルは快感を素直に受け入れる余裕が持てた。

 だから、ようやく他のことに注意が向くようになった。


「あの、カイン様」

「どうした?」

「今日はカイン様にも気持ち良くなってほしいのですけど」


 アデルは組み敷かれた状態で片足を立て、膝でカインの股間をつついた。ズボンの布越しにも膨らんでいるのが分かる。


「いや、それは駄目だ」


 突然の申し出にカインは戸惑った。
 この時間はあくまでアデルを快楽に慣らすためであり、自身の欲求を満たずためのものではないからだ。何よりアデルは大切な幼馴染みマリアンナ無二の親友アランの子である。訓練の主旨と異なることをさせるべきではない。

 だが、アデルは引かない。


「我慢は良くないから出したほうがいいって、前にカイン様が言ったんですよ」


 小さな手が下に伸ばされ、そっと布越しにそこを撫でる。やんわりとした刺激を受け、軽く勃っていたカインのものが頭をもたげ始めた。


「あ、硬くなった」

「……ッ、」


 ぐりぐりと手を動かし、興味深そうに呟くアデル。彼が自分の意思で他者の股間に触れたのは初めてである。今までカインから散々弄られてきて、どこをどう触れば気持ち良くなれるかは分かっている。
 ただ、子供のものとは違う。
 散々布越しに触りまくった結果、カインのものは完全に勃ってズボンを押し上げた。徐々に大きさを増すそれに、アデルはやや怖じ気づいた。


「……アデル君、悪戯にも程があるよ」

「だって、いつも僕ばかり気持ち良くしてもらって。カイン様は一度も出してないのに」


 これまでは与えられる快楽に翻弄されるだけで気付いていなかった。口付けを交わして身体が触れあうだけで、大人の男カインも興奮していたのだと。それなのにこの一年、カインはズボンを脱ぐことすらなく、アデルだけを満足させて終えていた。


「だから、今日は僕がやります」


 訓練開始当時とは明らかに違うアデルの様子に、カインはごくりと生唾を飲み込んだ。
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