【完結】かみなりのむすめ。

みやこ嬢

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田舎町の謎

第28話:小火

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 五連休の真ん中の日の夜、事件が起きた。

 カンカンカン…と消防車のサイレンが響く。窓を開けて確認すると、割と近くを走っているみたい。音が近い。

 見にいこうかと思ったら、御水振オミフリさんに止められた。

『これ、夜中に出歩くものではない』
「えぇ……でも気になる」
『お嬢ちゃん、野次馬する気ぃ?』
「そんなんじゃないけど、近くみたいだし」

 窓から身を乗り出しても、あたしの部屋からでは向きが真逆のようで、火の手も煙も確認できなかった。

『んー、人が住んでる場所じゃないから安心しろ、だって・・・~』
「それならいいんだけど」

 ん?
 小凍羅コトラさん誰から聞いたの?
 前にもこんなことあったけど、もしかして、まだ喋れない四つの光のうちの誰か?

 やっぱり気になる……と思ってたら、心の中を読まれたのか、御水振さんたちからジト目で睨まれた。いや、光だから表情はわかんないけど、そんな雰囲気がひしひしと伝わってくる。

其方そなたは面倒ごとに首を突っ込みたがる』
『ホントホント。少し前までは・・・・・・そうでもなかったのにね~?』
『次に危ない真似したらタダじゃおかねえ!』
「そっ……、ごめんなさい」

 螺圡我ラドガさんからもきつく止められてしまった。
 そんなことないもん!と言い返そうとしたけど、確かにその通りだったので素直に謝っておいた。





 翌朝、家族揃って朝ごはんを食べてる時に昨夜のことをお母さんが教えてくれた。

「ゆうべ麓の神社で小火ボヤが起きたんですって。やだわ、放火かしら」
「あそこは火の気もないし、境内には明かりもないから夜は誰も近寄らんしなァ」

 早速近所のおばさんたちから情報を仕入れたらしく、お母さんは火災現場と規模を把握していた。お父さんも心配そう。もし放火だとしたら犯人が捕まるまで安心できない。次は民家が狙われるかもしれないからだ。

「な、なんか怖いね。……お兄ちゃん?」
「…………」

 その話を聞いて、お兄ちゃんは黙り込んだ。なんだか難しい顔をしている。家から近い場所でこんな事件が起きて不安になったのかな?

 朝ごはんを食べ終わった後、お兄ちゃんはすぐに自分の部屋へと引っ込んでしまった。





「さて、今日は予定もないし、お散歩でもしようかなあ~っと」
『現場に行くつもりであろう』
『すぐ首を突っ込みたがるよね~』
「人聞きが悪いこと言わないで! あと、着替えの最中は出てけって言ってるでしょ!!」

 部屋着から外出用の洋服に着替えてる間も平気で話し掛けてくるって、ホントに乙女のことをなんだと思ってるんだか!

『姿を消しているだけで常に其方の側にいるのだが……』
『誰もお嬢ちゃんのつるぺたな身体に興奮なんかしないから安心しなよ』
「怒るよ!!?」

 そっちがどう思うかじゃないの!
 あたしがイヤなの!!
 小凍羅コトラさんのばかっ!!!
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