引きこもり令嬢エスリーンの逆襲 婚約破棄・追放からの逆転人生の答えは魔導書にあった!

らんた

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第四章

第五話

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棺が修道院から出る。国葬だ。

嘆き悲しむ領民。

愛用の大型の弓も棺の中だ。遊牧民族にとって空は最高の自由だ。遺体は竜とともに燃やされる。骨は地下の墓所に埋葬される。あの地下学級の隣にある墓所に。あれは歴代の聖女と盟主の墓だった事を思い出した。

そして緊急でそれは行われた。

「これより新盟主エスリーンの就任式が行われる!!」

そう、遺言に従いエスリーンは盟主になるのだ。

金の鉾が掘られた金色と青色のマントを着る。なんかヴァースキになった気分だ。

(二度目のゲームオーバーは許されないってことだよね……)

――『悪』じゃない。『悪役』令嬢になるんだ

エスリーンは遺言通り決意を固めた。

「リーエ」

「はいっ!」

彼女は十四歳になっていた。だいぶ大人びてきた。

「もう一回北方王国に同盟の依頼をしてちょうだい。もちろん国庫にある多額のお金を渡すという条件よ。それだけじゃだめね。秘密研究の成果を渡すわ」

「はいっ!」

「それじゃ技術を悪用されて逆に我が国に攻め込まれます!」

アイザックが猛烈に反対した。

「それはない」

「何で!」

「正義を重んじるあの少年王はそのようなことはない」

「それと急いで作って欲しいものがあるの」

「何だ」

副校長が聞いた。

「ドローンよ。そこに爆発魔法を仕込んだ石を積むの」

「ドローンとは何だ?」

「おもちゃよ。でも使いようによっては自爆装置ね」

「自爆……」

全員が沈黙した。

「いい、戦場では『卑怯』は誉め言葉なのよ!」

「城下町の住民は全員避難させます」

「聖女様……」

「あの鬼畜を止めるにはそれしかねえべ」

ユーレクが珍しく意見を言った。

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