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僕はミューズに恋をした
しおりを挟む多くを望みすぎていたのでしょう。
これは天罰なのです。
そう思えたらどれだけ楽だったのだろうか。
生き恥しかない人生で
輝きをくれたのは
あなたでした。
存在価値など無い
生きていることが無意味な私に
価値を付けたのは
貴方でした。
そして、
私に人の心を教えたのは
貴女でした。
そして、
私に絶望を教えたのも
彼方でした。
私は欲張りました。
それは深海ですら届かない
果てしない鎖
だからこれは天罰なのです。
そう思いたいのです。
私は逃げているんです。
自ら着けた鎖から。
アナタに着けられた鎖から。
縁(えにし)を切るのはとても簡単です。
空気になればいいのです。
何もしません。
存在だけです。
そう
存在だけで
良かったはずなのです。
知らなければ
聞かなければ
興味を持たなければ
欲は深くなりません
無知は恥と言う言葉もありますが
無知である方が心は守られるのです
強さはいらない
優しさは欲しい
弱さはいらない
怒りは欲しい
矛盾の欲求は
暗い海に沈みます。
自分しかいない
望み通りにしかならない世界に
手を伸ばしているのです。
自分で自分の縁を切るのです。
わかっています。
甘えだと言う事は
無能だと言う事は
こんな生き方を望んでいなかったのも
こんな性格(ひと)になりたくなかったのも
失笑しかでません。
呼吸も忘れました。
感動も忘れました。
熱を忘れました。
冷たさも忘れました。
礼節、人情、感謝
笑顔
そのどれもが
他人の集合体
だからこそ
たった一人を求めたい。
だが、
私は欲張ってしまった。
強欲の罪は重く
私を内側から蟲毒にする。
私の存在から溢れるそれは
私の致命傷になり、替わる。
全て己で蒔いた種
己で対処するのが世の理
だが、世はそれを許さない
蟲毒は
他者が存在するから蟲毒となり
己では扱うものなど一つもないのだ
蟲毒は孤独になりえない
分かっているのに…
熟考するほどに腐っていく
たった一つの事
人が狂うたった一つの理由
「恋」
恋なんだこれは
自分の立場も弁えず
感情だけで心が病に繋がれる
これだけは
これだけは
分かりたくなかった
知りたくなかった
覚えたくなかった
でも
興味を持ってしまった
開いてしまった
捜してしまった
そして
見つけてしまった
そこに居たんだ
ミューズが
僕の心を構築した
ミューズが
出会ったときは奇跡だと思った
運命だと思った
この瞬間(とき)の為に生きて来たのだと
思考は侵され
甘美な世界が広がる
自分の楽園(エデン)を見つけて喜ぶ稚児の様に
私は目の前の光景だけを愛してしまった。
終焉は突如として現れる。
現実が目の前を覆う
ロスタイムはとっくに終わっていた。
ミューズが神で無くなる時
私の楽園は崩壊する
あっという間に
これが、私の罰
欲張りすぎで全てを失った
「コドク」
変えられない過去を呪い
壊れた楽園を眺めながら
一人で涙を流し続ける。
「天罰」と言えばどれだけ楽だったか
でも、目の前にある楽園は
私の愛そのものだった。
それだけは断言できる
ミューズが神でなくとも
私のミューズは存在し続ける
私を置いて行って
僕を置いて行って
生き恥しかない人生で
輝きをくれたのは
彼方でした。
存在価値など無い
生きていることが無意味な私に
価値を付けたのは
彼方でした。
そして、
私に人の心を教えたのは
彼方でした。
そして、
私に絶望を教えたのも
彼方でした。
私は貴方を忘れます。
僕は貴方を置いて進みます。
消えるのは簡単です。
切るのは簡単です。
だからこそ
縁を結ぶのは難しい。
でも
ミューズは
そんな僕に微笑みだけ残して
ふわりと光と一緒(とも)になった。
僕がその光に触れたら消えてしまうから
僕は触らない。
私は見ない。
相反する気持ち
それが今の自分である。
私は今日もどこかで孤独になりたがる。
叶わない願いを心にしまって。
「僕はミューズに恋をした」
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