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第35話 もぉぉ、ダメですかぁぁぁ!?
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え、ば……バレたの?
ちょっとウロっと門まで歩いただけで!?
脱出計画が!?
え、えぇぇぇぇぇ!!
ってことは……あれ?
もしかして、もう詰んだ? もう!? 早くも!? いやいや、さすがに早すぎない?
えっ……でも、脱出しようとしてたとかバレたら、終わるよね?
えっ!? えええええっ!?!?
「ねー、おちびちゃん、おとなしいと思ったら、意外と大胆なことするよね~」
「……ひっ!」
あーー、もうこれダメですわ。完全に終わってますね。
はーー、もうね、バレたら詰みよ。
わーー、えーー、うーー。
……え、どうしよ。
ととと、とりあえず、がんばってみる?いちおう。諦めたら終わりだし。ホントにすーぐ終わっちゃうし。
試合でもなんでもなく、人生が。
うん。よし、できるだけがんばってみよう。手段は、とわないっ!
「あの、あの……ハロルドさまっ!」
「うん~? なぁに~?」
「あのあの、これは、ひみ……ひみつに……」
「え~? どうしよっかな~?」
ふぇ、ぇぇぇ……こ、こわぃぃ。その、意味ありげみたいな、にこ~~の顔がなんかすごくこわいぃよぉぉぉ!
「どうしたの~? そんな顔して~。ねー?」
「うぇ、ぇ……だ、だって……」
こわぃぃぃんだもんんん!!
「ふふっ」
にこ~のまま、ハロルドさまの手が伸びてぼくの頭に乗っかる。
「……?」
「こ~ら! おとなしいふりして大胆なんだからぁ」
「ふぇ」
頭の上の手が、ゆるる、と動いた。
むむ? これは……?
「いいよ」
「えっ!」
頭をなーでなーでしていた手が止まる。にこ~の顔がググっと近づいて、じぃぃっとぼくを見た。
「ヒミツにしといてあげる」
「……!」
え、ん……? なに?
「ほほほ、ほんとに……?」
「特別だよ~?」
「ひ……ひぁい!」
なにぃ、これ? え、ぼく助かったの? 命拾い……できてる??
どういう状況?
「ふふふ……」
ハロルドさまは、よろしい~ってかんじでウンウンした。
「まさか、おちびちゃんも、やるとはねぇ」
「え、あの……」
「やってたんでしょ?」
「えっ、な……」
「だからぁ……た・ん・け・ん」
「へ……?」
た……んけん?
「え、あの……ちが――」
「いいからいいから~。ヒミツにしてあげるっっていったでしょ」
探検……とは?
「ふふ、僕も小さい頃やってたもんね~。だから、門番から話聞いて、ピンときたんだよね~」
「え、ハロルドさまも……?」
「そう。だって、こんなに広いんだもん、やってみたくなるでしょ?」
「は……い」
……? 流れではいって言ったけど、なんの話?
「ね。やりたくなるよね、やっぱり。王宮探検」
「……!」
王、宮、探、検――!
なんか、それは正解のような正解じゃないような。
「ぼ、ぼくは……でもぉ、そんな……」
あんまり追求されたらぁ、まずい気もするから、ちょっと話さないほうがいぃようなぁ……。
「あれ~? 興味ないの? 興味あるからやったんでしょ?」
「え?」
ハロルドさまがふっと笑った口を、ぼくの耳に近づけた。
「王宮の……ヒミツ」
急なヒソヒソに、ビクッとなる。
「……王宮の?」
王宮の秘密、その言葉に突然、心臓がドキドキのソワソワになる。
「王宮って、すんごく広くて、歴史が長くて……当然いろ~んな秘密がいっぱいなんだ」
ぼくの耳にだけ届くヒソヒソの声。
「いろんな……ひみつ」
すごい……なにそれ。わ、そんなの……
「知りたいんでしょ……?」
「う……」
でもでも、なんか危ないとこに触れそうな、感じも……ぐっ……
「たとえばさ、噴水の裏の通路。あれ、昔は緊急脱出用だったらしいよ~?」
「えっ!?」
緊急脱出用!? そんなものが!? 今もあるとしたら、もしかしてもしかすると……
「ね、気になるでしょ?」
ハロルドさまが、すぐそこからぼくの顔をじーっと見ている。
「……!」
あわわわ……! ぼくは慌てて首をブンブンだ。
王宮の秘密を探そうとしてると思われたら、どんな疑いをかけられるかわからないっ! きけん!
「ふふ」
ハロルドさまは、ちょっと悪い顔をして、ぎゅ、とぼくのほっぺをつまんだ。
「ふぇ?」
「おちびちゃんさ~、王宮の秘密の通路とか隠し扉とか探してたんでしょ?」
「ひゃ!」
なになに? ややや、やっぱりなんかバレてる? 疑われてる? これは尋問だったりする!?
「ち、ちが……あのっ!」
「あれ~? 知りたくないの、王族の脱出用の通路に、隠し部屋、秘密の財宝」
「ふえっ……」
なにそれ! え!?
「え、ほんとにそんなのが……?」
「あるよ~」
「す、すごぃぃぃぃ!」
「ね~、楽しそうでしょ~?」
「はいっ!」
あ、つい本音がぁぁ!
「よし、じゃあ決まりだね」
「え?」
急にぎゅっと繋がれた手と、ハロルド様の顔を、いったりきたり。
「僕も付き合ってあげる」
「付き合って……え?」
なににぃ?
「興味あるんでしょ。王宮探検」
「え、そ……それは……」
「僕は、王宮探検のプロだからね。案内してあげるよ」
「プロ!? すごい!」
「ふふふ」
王宮探検のプロ、プロだって! わぁぁ、すごいぃぃ。どんなとこ、知ってるんだろお。隠し部屋ってどんなんだろぉぉぉ。それに、脱出用の通路! 今も使えるぅ??
「ほら、こっちだよ~」
「え……あれ? ど、どこいくですか?」
「決まってるでしょ! もちろん――」
ちょっとウロっと門まで歩いただけで!?
脱出計画が!?
え、えぇぇぇぇぇ!!
ってことは……あれ?
もしかして、もう詰んだ? もう!? 早くも!? いやいや、さすがに早すぎない?
えっ……でも、脱出しようとしてたとかバレたら、終わるよね?
えっ!? えええええっ!?!?
「ねー、おちびちゃん、おとなしいと思ったら、意外と大胆なことするよね~」
「……ひっ!」
あーー、もうこれダメですわ。完全に終わってますね。
はーー、もうね、バレたら詰みよ。
わーー、えーー、うーー。
……え、どうしよ。
ととと、とりあえず、がんばってみる?いちおう。諦めたら終わりだし。ホントにすーぐ終わっちゃうし。
試合でもなんでもなく、人生が。
うん。よし、できるだけがんばってみよう。手段は、とわないっ!
「あの、あの……ハロルドさまっ!」
「うん~? なぁに~?」
「あのあの、これは、ひみ……ひみつに……」
「え~? どうしよっかな~?」
ふぇ、ぇぇぇ……こ、こわぃぃ。その、意味ありげみたいな、にこ~~の顔がなんかすごくこわいぃよぉぉぉ!
「どうしたの~? そんな顔して~。ねー?」
「うぇ、ぇ……だ、だって……」
こわぃぃぃんだもんんん!!
「ふふっ」
にこ~のまま、ハロルドさまの手が伸びてぼくの頭に乗っかる。
「……?」
「こ~ら! おとなしいふりして大胆なんだからぁ」
「ふぇ」
頭の上の手が、ゆるる、と動いた。
むむ? これは……?
「いいよ」
「えっ!」
頭をなーでなーでしていた手が止まる。にこ~の顔がググっと近づいて、じぃぃっとぼくを見た。
「ヒミツにしといてあげる」
「……!」
え、ん……? なに?
「ほほほ、ほんとに……?」
「特別だよ~?」
「ひ……ひぁい!」
なにぃ、これ? え、ぼく助かったの? 命拾い……できてる??
どういう状況?
「ふふふ……」
ハロルドさまは、よろしい~ってかんじでウンウンした。
「まさか、おちびちゃんも、やるとはねぇ」
「え、あの……」
「やってたんでしょ?」
「えっ、な……」
「だからぁ……た・ん・け・ん」
「へ……?」
た……んけん?
「え、あの……ちが――」
「いいからいいから~。ヒミツにしてあげるっっていったでしょ」
探検……とは?
「ふふ、僕も小さい頃やってたもんね~。だから、門番から話聞いて、ピンときたんだよね~」
「え、ハロルドさまも……?」
「そう。だって、こんなに広いんだもん、やってみたくなるでしょ?」
「は……い」
……? 流れではいって言ったけど、なんの話?
「ね。やりたくなるよね、やっぱり。王宮探検」
「……!」
王、宮、探、検――!
なんか、それは正解のような正解じゃないような。
「ぼ、ぼくは……でもぉ、そんな……」
あんまり追求されたらぁ、まずい気もするから、ちょっと話さないほうがいぃようなぁ……。
「あれ~? 興味ないの? 興味あるからやったんでしょ?」
「え?」
ハロルドさまがふっと笑った口を、ぼくの耳に近づけた。
「王宮の……ヒミツ」
急なヒソヒソに、ビクッとなる。
「……王宮の?」
王宮の秘密、その言葉に突然、心臓がドキドキのソワソワになる。
「王宮って、すんごく広くて、歴史が長くて……当然いろ~んな秘密がいっぱいなんだ」
ぼくの耳にだけ届くヒソヒソの声。
「いろんな……ひみつ」
すごい……なにそれ。わ、そんなの……
「知りたいんでしょ……?」
「う……」
でもでも、なんか危ないとこに触れそうな、感じも……ぐっ……
「たとえばさ、噴水の裏の通路。あれ、昔は緊急脱出用だったらしいよ~?」
「えっ!?」
緊急脱出用!? そんなものが!? 今もあるとしたら、もしかしてもしかすると……
「ね、気になるでしょ?」
ハロルドさまが、すぐそこからぼくの顔をじーっと見ている。
「……!」
あわわわ……! ぼくは慌てて首をブンブンだ。
王宮の秘密を探そうとしてると思われたら、どんな疑いをかけられるかわからないっ! きけん!
「ふふ」
ハロルドさまは、ちょっと悪い顔をして、ぎゅ、とぼくのほっぺをつまんだ。
「ふぇ?」
「おちびちゃんさ~、王宮の秘密の通路とか隠し扉とか探してたんでしょ?」
「ひゃ!」
なになに? ややや、やっぱりなんかバレてる? 疑われてる? これは尋問だったりする!?
「ち、ちが……あのっ!」
「あれ~? 知りたくないの、王族の脱出用の通路に、隠し部屋、秘密の財宝」
「ふえっ……」
なにそれ! え!?
「え、ほんとにそんなのが……?」
「あるよ~」
「す、すごぃぃぃぃ!」
「ね~、楽しそうでしょ~?」
「はいっ!」
あ、つい本音がぁぁ!
「よし、じゃあ決まりだね」
「え?」
急にぎゅっと繋がれた手と、ハロルド様の顔を、いったりきたり。
「僕も付き合ってあげる」
「付き合って……え?」
なににぃ?
「興味あるんでしょ。王宮探検」
「え、そ……それは……」
「僕は、王宮探検のプロだからね。案内してあげるよ」
「プロ!? すごい!」
「ふふふ」
王宮探検のプロ、プロだって! わぁぁ、すごいぃぃ。どんなとこ、知ってるんだろお。隠し部屋ってどんなんだろぉぉぉ。それに、脱出用の通路! 今も使えるぅ??
「ほら、こっちだよ~」
「え……あれ? ど、どこいくですか?」
「決まってるでしょ! もちろん――」
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