【1部完・2部準備中】人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ

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第35話 もぉぉ、ダメですかぁぁぁ!?

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え、ば……バレたの?
ちょっとウロっと門まで歩いただけで!?
脱出計画が!?

え、えぇぇぇぇぇ!!

ってことは……あれ?
もしかして、もう詰んだ? もう!? 早くも!? いやいや、さすがに早すぎない?
えっ……でも、脱出しようとしてたとかバレたら、終わるよね?

えっ!? えええええっ!?!?

「ねー、おちびちゃん、おとなしいと思ったら、意外と大胆なことするよね~」
「……ひっ!」

あーー、もうこれダメですわ。完全に終わってますね。
はーー、もうね、バレたら詰みよ。
わーー、えーー、うーー。

……え、どうしよ。
ととと、とりあえず、がんばってみる?いちおう。諦めたら終わりだし。ホントにすーぐ終わっちゃうし。

試合でもなんでもなく、人生が。

うん。よし、できるだけがんばってみよう。手段は、とわないっ!

「あの、あの……ハロルドさまっ!」
「うん~? なぁに~?」
「あのあの、これは、ひみ……ひみつに……」
「え~? どうしよっかな~?」

ふぇ、ぇぇぇ……こ、こわぃぃ。その、意味ありげみたいな、にこ~~の顔がなんかすごくこわいぃよぉぉぉ!

「どうしたの~? そんな顔して~。ねー?」
「うぇ、ぇ……だ、だって……」

こわぃぃぃんだもんんん!!

「ふふっ」

にこ~のまま、ハロルドさまの手が伸びてぼくの頭に乗っかる。

「……?」
「こ~ら! おとなしいふりして大胆なんだからぁ」
「ふぇ」

頭の上の手が、ゆるる、と動いた。
むむ? これは……?

「いいよ」
「えっ!」

頭をなーでなーでしていた手が止まる。にこ~の顔がググっと近づいて、じぃぃっとぼくを見た。

「ヒミツにしといてあげる」
「……!」

え、ん……? なに?

「ほほほ、ほんとに……?」

「特別だよ~?」
「ひ……ひぁい!」

なにぃ、これ? え、ぼく助かったの? 命拾い……できてる??
どういう状況?

「ふふふ……」
ハロルドさまは、よろしい~ってかんじでウンウンした。

「まさか、おちびちゃんも、やるとはねぇ」
「え、あの……」

「やってたんでしょ?」
「えっ、な……」
「だからぁ……た・ん・け・ん」
「へ……?」

た……んけん?

「え、あの……ちが――」
「いいからいいから~。ヒミツにしてあげるっっていったでしょ」

探検……とは?

「ふふ、僕も小さい頃やってたもんね~。だから、門番から話聞いて、ピンときたんだよね~」
「え、ハロルドさまも……?」

「そう。だって、こんなに広いんだもん、やってみたくなるでしょ?」
「は……い」

……? 流れではいって言ったけど、なんの話?

「ね。やりたくなるよね、やっぱり。王宮探検」
「……!」

王、宮、探、検――!

なんか、それは正解のような正解じゃないような。

「ぼ、ぼくは……でもぉ、そんな……」

あんまり追求されたらぁ、まずい気もするから、ちょっと話さないほうがいぃようなぁ……。

「あれ~? 興味ないの? 興味あるからやったんでしょ?」
「え?」

ハロルドさまがふっと笑った口を、ぼくの耳に近づけた。

「王宮の……ヒミツ」

急なヒソヒソに、ビクッとなる。

「……王宮の?」

王宮の秘密、その言葉に突然、心臓がドキドキのソワソワになる。

「王宮って、すんごく広くて、歴史が長くて……当然いろ~んな秘密がいっぱいなんだ」

ぼくの耳にだけ届くヒソヒソの声。

「いろんな……ひみつ」

すごい……なにそれ。わ、そんなの……

「知りたいんでしょ……?」
「う……」

でもでも、なんか危ないとこに触れそうな、感じも……ぐっ……

「たとえばさ、噴水の裏の通路。あれ、昔は緊急脱出用だったらしいよ~?」
「えっ!?」

緊急脱出用!? そんなものが!? 今もあるとしたら、もしかしてもしかすると……

「ね、気になるでしょ?」

ハロルドさまが、すぐそこからぼくの顔をじーっと見ている。

「……!」

あわわわ……! ぼくは慌てて首をブンブンだ。
王宮の秘密を探そうとしてると思われたら、どんな疑いをかけられるかわからないっ! きけん!

「ふふ」

ハロルドさまは、ちょっと悪い顔をして、ぎゅ、とぼくのほっぺをつまんだ。

「ふぇ?」

「おちびちゃんさ~、王宮の秘密の通路とか隠し扉とか探してたんでしょ?」
「ひゃ!」


なになに? ややや、やっぱりなんかバレてる? 疑われてる? これは尋問だったりする!?

「ち、ちが……あのっ!」
「あれ~? 知りたくないの、王族の脱出用の通路に、隠し部屋、秘密の財宝」
「ふえっ……」

なにそれ! え!?

「え、ほんとにそんなのが……?」
「あるよ~」
「す、すごぃぃぃぃ!」
「ね~、楽しそうでしょ~?」
「はいっ!」

あ、つい本音がぁぁ!

「よし、じゃあ決まりだね」
「え?」

急にぎゅっと繋がれた手と、ハロルド様の顔を、いったりきたり。

「僕も付き合ってあげる」
「付き合って……え?」

なににぃ?

「興味あるんでしょ。王宮探検」
「え、そ……それは……」
「僕は、王宮探検のプロだからね。案内してあげるよ」
「プロ!? すごい!」
「ふふふ」

王宮探検のプロ、プロだって! わぁぁ、すごいぃぃ。どんなとこ、知ってるんだろお。隠し部屋ってどんなんだろぉぉぉ。それに、脱出用の通路! 今も使えるぅ??

「ほら、こっちだよ~」
「え……あれ? ど、どこいくですか?」

「決まってるでしょ! もちろん――」


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