36 / 45
第36話 王子様と行く!とんでも王宮探検
しおりを挟む
「ほら、こっちだよ~」
「え……あれ? ど、どこいくですか?」
「決まってるでしょ! もちろん、おうきゅうたんけん!」
いいい、いつの間にお散歩から王宮探検へ? あれえ?
「ででで、でもぼくっ――」
「ねぇ、おちびちゃん」
ななな、なんですかぁぁ? お顔グググイって、近いぃ。
「僕が、特別に――」
と、とくべつっ?
「秘密の通路を教えてあげる~」
「えっ! ひみつのつうろっ!?」
えっ! ええっ!? なにそれ?
それはさすがに気になるやつぅぅ!!
「昔から王族専用で使われてきた、秘密の通路があるんだ~」
「えっ、そんなものがっ!」
ハロルドさま、ニッコニコがすごい。
「おちびちゃん……知りたくない?」
「――っ!」
こ、これはまさか、なんかのワナっ!?
王族の秘密を、知ろうとするなんて不届きな考えがないかとか……まさかまさかっ。
「誰にも内緒で、君にだけ教えてあげる~」
「ひぃぃぃぃぃ!?」
こわいっ! それはなんか、とってもワナのかおり!
「ぼ、ぼくやっぱり、えんりょし――」
「さ、こっちだよー」
えええっ、まさかの拒否権なしっ!?
「ほら、はやくはやく~」
「あわわわ」
足、もつれちゃうから! ゆっくり、ゆっくりね!
**
「はい、到着~」
「こ、ここが……」
あわわ、っとなってる間に連れてこられたのは、うーんと背の高い扉の前。
「いい、開けるよ?」
「あ、ちょっとまっって! やっぱ――」
「いざ、王族の秘密の通路へ~」
ぼくがそんなところに入ったらダメー! 普通に有罪っ! ストップストップ!
――ギギギ。
「あ……」
開いちゃった……。
「少し暗いから、気をつけてね~」
ハロルドさまはどっかすみっこの方から、すっとランプを取り出して灯りをつける。
ど、どこにそんなものが……? なんかぁ、手慣れてる感じぃ?
「わ、ずっとつづいてる……!?」
「そう、ずーっとまっすぐ、秘密の出口まで続いてるんだ~」
「ひみつの出口! すごいっ」
ハロルドさまが、ぎゅ、とぼくとてをつなぐ。
「さ、いくよ~」
「あ、あのあの! でも、ぼくは王族じゃないからっ!」
こここ、これ以上はダメ! ぜったい怒られる……っていうか、有罪!
「大丈夫。僕たちだけの秘密だよ」
「えっえっ」
「なぁにぃ~? 僕のこと、信じてくれないの~?」
「ち、ちがっ!」
そ、その言い方はずるっこじゃないですかぁ……信じてないっていうわけ、ないじゃないですかぁ……。
「そ? じゃ、行くよ~」
「ええ……」
本当に、ほんとのほんとに大丈夫かなぁ……。
「で、でも――」
「はーい、気をつけてねー」
あわわ、て、手を引っ張らないでね! ゆっくり、ゆっくりね!
「はわ、こ、これ、どこにいくんですか!?」
「ふふーん、ナイショ~」
な、なにぃぃ、もう! 思わせぶりがすごい。
「ぼ、ぼくおこられない……?」
ほら、叱られるとか、何かの罪に問われるとか、それかサクッと処されるとか。
「大丈夫大丈夫~」
ほ、ほんとかな~。
「いいから~、手、はなさないでね~」
「は、はいぃ」
と、とりあえず言うことは聞いておくしかないぃ……。だってもう、秘密の通路に入っちゃったしぃぃ。ふえぇぇ……。
「ど、どれくらい歩く、ですか……?」
「う~ん、もうちょっとかな~」
「もうちょっと……」
あまり情報を得られなかった。
どこに行くのかなぁ、これ。無事だといいなぁ、ぼく……。
なぜかノリノリのウキウキなハロルドさまに手を引かれて、おそるおそる……ぺたりぺたり、歩く。
「きゃっ!」
「ん? どうしたの~?」
「な、なんか首のとこが今! ヒヤって! ヒヤってしまた!」
「あ~、風が入るんだよ、ちょっとね」
こここ……こわい。おば、おばけとかじゃ……。
だ、だいじょうぶ? 誰も……っていうか、なにもいない?
「なーに、キョロキョロしてるの~?」
「いえ、な、なんでもっ」
「ほら、もうちょ~っとだからね」
***
「あっ! あれ、ちょっと明るいですっ!」
「うん。出口が見えてきたね~」
ほそーい光が向こうの方からちょっと見える。
「もうすぐだよ~」
どんどんほそい光が近づいて――
「はーい、ここから出るからね~」
古い小さな扉が見える。さっきの入口のおっきな扉とはべつものだ。
「い、いったいどこに……!?」
おもわず、手にぎゅっと力が入るぅ。
「はい、とうちゃ~く」
そこにあったのは――
「え……あれ? ど、どこいくですか?」
「決まってるでしょ! もちろん、おうきゅうたんけん!」
いいい、いつの間にお散歩から王宮探検へ? あれえ?
「ででで、でもぼくっ――」
「ねぇ、おちびちゃん」
ななな、なんですかぁぁ? お顔グググイって、近いぃ。
「僕が、特別に――」
と、とくべつっ?
「秘密の通路を教えてあげる~」
「えっ! ひみつのつうろっ!?」
えっ! ええっ!? なにそれ?
それはさすがに気になるやつぅぅ!!
「昔から王族専用で使われてきた、秘密の通路があるんだ~」
「えっ、そんなものがっ!」
ハロルドさま、ニッコニコがすごい。
「おちびちゃん……知りたくない?」
「――っ!」
こ、これはまさか、なんかのワナっ!?
王族の秘密を、知ろうとするなんて不届きな考えがないかとか……まさかまさかっ。
「誰にも内緒で、君にだけ教えてあげる~」
「ひぃぃぃぃぃ!?」
こわいっ! それはなんか、とってもワナのかおり!
「ぼ、ぼくやっぱり、えんりょし――」
「さ、こっちだよー」
えええっ、まさかの拒否権なしっ!?
「ほら、はやくはやく~」
「あわわわ」
足、もつれちゃうから! ゆっくり、ゆっくりね!
**
「はい、到着~」
「こ、ここが……」
あわわ、っとなってる間に連れてこられたのは、うーんと背の高い扉の前。
「いい、開けるよ?」
「あ、ちょっとまっって! やっぱ――」
「いざ、王族の秘密の通路へ~」
ぼくがそんなところに入ったらダメー! 普通に有罪っ! ストップストップ!
――ギギギ。
「あ……」
開いちゃった……。
「少し暗いから、気をつけてね~」
ハロルドさまはどっかすみっこの方から、すっとランプを取り出して灯りをつける。
ど、どこにそんなものが……? なんかぁ、手慣れてる感じぃ?
「わ、ずっとつづいてる……!?」
「そう、ずーっとまっすぐ、秘密の出口まで続いてるんだ~」
「ひみつの出口! すごいっ」
ハロルドさまが、ぎゅ、とぼくとてをつなぐ。
「さ、いくよ~」
「あ、あのあの! でも、ぼくは王族じゃないからっ!」
こここ、これ以上はダメ! ぜったい怒られる……っていうか、有罪!
「大丈夫。僕たちだけの秘密だよ」
「えっえっ」
「なぁにぃ~? 僕のこと、信じてくれないの~?」
「ち、ちがっ!」
そ、その言い方はずるっこじゃないですかぁ……信じてないっていうわけ、ないじゃないですかぁ……。
「そ? じゃ、行くよ~」
「ええ……」
本当に、ほんとのほんとに大丈夫かなぁ……。
「で、でも――」
「はーい、気をつけてねー」
あわわ、て、手を引っ張らないでね! ゆっくり、ゆっくりね!
「はわ、こ、これ、どこにいくんですか!?」
「ふふーん、ナイショ~」
な、なにぃぃ、もう! 思わせぶりがすごい。
「ぼ、ぼくおこられない……?」
ほら、叱られるとか、何かの罪に問われるとか、それかサクッと処されるとか。
「大丈夫大丈夫~」
ほ、ほんとかな~。
「いいから~、手、はなさないでね~」
「は、はいぃ」
と、とりあえず言うことは聞いておくしかないぃ……。だってもう、秘密の通路に入っちゃったしぃぃ。ふえぇぇ……。
「ど、どれくらい歩く、ですか……?」
「う~ん、もうちょっとかな~」
「もうちょっと……」
あまり情報を得られなかった。
どこに行くのかなぁ、これ。無事だといいなぁ、ぼく……。
なぜかノリノリのウキウキなハロルドさまに手を引かれて、おそるおそる……ぺたりぺたり、歩く。
「きゃっ!」
「ん? どうしたの~?」
「な、なんか首のとこが今! ヒヤって! ヒヤってしまた!」
「あ~、風が入るんだよ、ちょっとね」
こここ……こわい。おば、おばけとかじゃ……。
だ、だいじょうぶ? 誰も……っていうか、なにもいない?
「なーに、キョロキョロしてるの~?」
「いえ、な、なんでもっ」
「ほら、もうちょ~っとだからね」
***
「あっ! あれ、ちょっと明るいですっ!」
「うん。出口が見えてきたね~」
ほそーい光が向こうの方からちょっと見える。
「もうすぐだよ~」
どんどんほそい光が近づいて――
「はーい、ここから出るからね~」
古い小さな扉が見える。さっきの入口のおっきな扉とはべつものだ。
「い、いったいどこに……!?」
おもわず、手にぎゅっと力が入るぅ。
「はい、とうちゃ~く」
そこにあったのは――
175
あなたにおすすめの小説
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
婚約破棄された際もらった慰謝料で田舎の土地を買い農家になった元貴族令嬢、野菜を買いにきたベジタリアン第三王子に求婚される
さくら
恋愛
婚約破棄された元伯爵令嬢クラリス。
慰謝料代わりに受け取った金で田舎の小さな土地を買い、農業を始めることに。泥にまみれて種を撒き、水をやり、必死に生きる日々。貴族の煌びやかな日々は失ったけれど、土と共に過ごす穏やかな時間が、彼女に新しい幸せをくれる――はずだった。
だがある日、畑に現れたのは野菜好きで有名な第三王子レオニール。
「この野菜は……他とは違う。僕は、あなたが欲しい」
そう言って真剣な瞳で求婚してきて!?
王妃も兄王子たちも立ちはだかる。
「身分違いの恋」なんて笑われても、二人の気持ちは揺るがない。荒れ地を畑に変えるように、愛もまた努力で実を結ぶのか――。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??
シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。
何とかお姉様を救わなくては!
日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする!
小説家になろうで日間総合1位を取れました~
転載防止のためにこちらでも投稿します。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
「洗い場のシミ落とし」と追放された元宮廷魔術師。辺境で洗濯屋を開いたら、聖なる浄化の力に目覚め、呪いも穢れも洗い流して成り上がる
黒崎隼人
ファンタジー
「銀閃」と謳われたエリート魔術師、アルク・レンフィールド。彼は五年前、国家の最重要儀式で犯した一つの失敗により、全てを失った。誇りを砕かれ、「洗い場のシミ落とし」と嘲笑された彼は、王都を追われ辺境の村でひっそりと洗濯屋を営む。
過去の「恥」に心を閉ざし、ひまわり畑を眺めるだけの日々。そんな彼の前に現れたのは、体に呪いの痣を持つ少女ヒマリ。彼女の「恥」に触れた時、アルクの中に眠る失われたはずの力が目覚める。それは、あらゆる汚れ、呪い、穢れさえも洗い流す奇跡の力――「聖濯術」。
これは、一度は全てを失った男が、一枚の洗濯物から人々の心に染みついた悲しみを洗い流し、自らの「恥」をも乗り越えていく、ささやかで温かい再生の物語。ひまわりの咲く丘で、世界で一番優しい洗濯が、今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる