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第65話 剣がすごい理由ってこれ?
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「へいしさんたち、すごかったねー」
「はい。
「ぼく、あの……」
「じゃまにならなかったかな?」
「もちろんです。それどころか、むしろ――」
「うん? なぁにぃ?」
「いえ、応援してくださって、ありがとうございました。きっと兵士たちも励みになりました」
「えへへ……じゃまじゃなかったなら、よかったー」
すごい迫力でつい力が入っちゃったけど、大丈夫ならよかったー。
王国の兵士の鍛錬を邪魔した罪!とかで処されたら、大変だもんね。
あぶないあぶない。今度からもっと気をつけないと。
「でも、カッコよかったな~」
でもぉ、あんなの見ちゃったら、わーーってなるよねぇ、それは。
剣ってぇ、なんであんなにカッコいいんだろぉぉ。
ガギーン!ってなって、ガッ!てなって、あんなに細くて長いのに、あんな力いっぱいガンガンして、折れちゃわないのちょっと不思議。
兵士さんの持ってる剣は、ぜーんぶピカピカ光ってたし。
「んん? いま、なんかあっちでピカってした?」
ちょっと向こうの方で、何かが光ったのが見えた。
「なんだろぉぉ?」
ちょっと足がそっちに向いてしまう。
「サファさま、どちらへ?」
「ちょっとだけ、あっちいってみたい!」
侍女さんの声を背中に聞きながら、ちょっぴり早歩き。
「あれ? あれれ?」
行き着いたのは、倉庫かなんかみたいな場所だった。
でも、変わった倉庫だ。だって――
「わあっ! 剣がたくさんだーっ!」
強そうな長ーい剣とか、ガシッとした重たそうな盾が、いくも立てかけられていて、すごい眺めだ。
「盾も、いっぱいあるっ! すごーいっ!」
倉庫の前でゴシゴシなにか磨いてる人が、びくっと顔を上げてこっちを見た。
「……きみは?」
「あ、こ、こんにちは。ぼく、お散歩してて……少し見てもいいですかっ?」
「見るって……なにを?」
「え……ここを」
「えっ、ここを?」
何を聞かれてるんだろ?なぼくと、
何を言ってるんだろ?の磨いてる人。
ちょっと「えっ」の顔を見合わせて、不思議な感じになる。
「ここ……俺が、作業してるだけだけど……?」
「はい、それを見たくて。……じゃまですか?」
「え……いや、いいけど」
っていって、またゴシゴシしだした。
「おお、ゴシゴシが早い、ていねい」
……と思ったら、
「えっ? ほんとに見学するの? 俺が剣磨いてるだけのとこを?」
嘘でしょ? みたいな顔で、また急に驚いた。
「え? はい。見ますっ!」
「そ、そう……」
だ、大丈夫かな? やっぱり邪魔だったりする?
「あのぉ、ぼく、じゃまだったら――」
「ぜんぜん」
「え?」
「ぜんぜん邪魔じゃない。好きにしていい」
めっちゃゴシゴシしながら、めっちゃキッパリ答えてくれる。
「おお、よかったぁ!」
なんか、親切なゴシゴシ兄さんだ。
「わぁ……だんだん、ピカピカしてくる、すごい」
金属を布でこする音、油のにおいと金属のにおい。
ゴッ、ギュッ、ってしてたこする音が、だんだんキュッ、キッ、ってなってくる。
「よし」
「おお! 完了ですか? ゴシゴシ完了ですか?」
「ああ。でも、まだたくさん磨くのがある」
「わぁぁ、たいへん」
あたりをよく見てみると、立てかけてある剣は、ボロボロのやつとピカピカのやつが、専用の立てかけるやつ、みたいのに分けて掛けてある。
「わ、わ……もしかして、こっちが『完了』のやつで、あっちが『いまから』のやつですか?」
「……そうだ。よくわかったな」
ゴシゴシさんが手を止めて、ちょっと意外、みたいな顔でぼくをみる。
「えへへ……」
褒められ気分でちょっとえへっとなる。
けど、すぐにとんでもないことに気づいた。
「あれ? でも、え?」
「――どうした?」
「はい。
「ぼく、あの……」
「じゃまにならなかったかな?」
「もちろんです。それどころか、むしろ――」
「うん? なぁにぃ?」
「いえ、応援してくださって、ありがとうございました。きっと兵士たちも励みになりました」
「えへへ……じゃまじゃなかったなら、よかったー」
すごい迫力でつい力が入っちゃったけど、大丈夫ならよかったー。
王国の兵士の鍛錬を邪魔した罪!とかで処されたら、大変だもんね。
あぶないあぶない。今度からもっと気をつけないと。
「でも、カッコよかったな~」
でもぉ、あんなの見ちゃったら、わーーってなるよねぇ、それは。
剣ってぇ、なんであんなにカッコいいんだろぉぉ。
ガギーン!ってなって、ガッ!てなって、あんなに細くて長いのに、あんな力いっぱいガンガンして、折れちゃわないのちょっと不思議。
兵士さんの持ってる剣は、ぜーんぶピカピカ光ってたし。
「んん? いま、なんかあっちでピカってした?」
ちょっと向こうの方で、何かが光ったのが見えた。
「なんだろぉぉ?」
ちょっと足がそっちに向いてしまう。
「サファさま、どちらへ?」
「ちょっとだけ、あっちいってみたい!」
侍女さんの声を背中に聞きながら、ちょっぴり早歩き。
「あれ? あれれ?」
行き着いたのは、倉庫かなんかみたいな場所だった。
でも、変わった倉庫だ。だって――
「わあっ! 剣がたくさんだーっ!」
強そうな長ーい剣とか、ガシッとした重たそうな盾が、いくも立てかけられていて、すごい眺めだ。
「盾も、いっぱいあるっ! すごーいっ!」
倉庫の前でゴシゴシなにか磨いてる人が、びくっと顔を上げてこっちを見た。
「……きみは?」
「あ、こ、こんにちは。ぼく、お散歩してて……少し見てもいいですかっ?」
「見るって……なにを?」
「え……ここを」
「えっ、ここを?」
何を聞かれてるんだろ?なぼくと、
何を言ってるんだろ?の磨いてる人。
ちょっと「えっ」の顔を見合わせて、不思議な感じになる。
「ここ……俺が、作業してるだけだけど……?」
「はい、それを見たくて。……じゃまですか?」
「え……いや、いいけど」
っていって、またゴシゴシしだした。
「おお、ゴシゴシが早い、ていねい」
……と思ったら、
「えっ? ほんとに見学するの? 俺が剣磨いてるだけのとこを?」
嘘でしょ? みたいな顔で、また急に驚いた。
「え? はい。見ますっ!」
「そ、そう……」
だ、大丈夫かな? やっぱり邪魔だったりする?
「あのぉ、ぼく、じゃまだったら――」
「ぜんぜん」
「え?」
「ぜんぜん邪魔じゃない。好きにしていい」
めっちゃゴシゴシしながら、めっちゃキッパリ答えてくれる。
「おお、よかったぁ!」
なんか、親切なゴシゴシ兄さんだ。
「わぁ……だんだん、ピカピカしてくる、すごい」
金属を布でこする音、油のにおいと金属のにおい。
ゴッ、ギュッ、ってしてたこする音が、だんだんキュッ、キッ、ってなってくる。
「よし」
「おお! 完了ですか? ゴシゴシ完了ですか?」
「ああ。でも、まだたくさん磨くのがある」
「わぁぁ、たいへん」
あたりをよく見てみると、立てかけてある剣は、ボロボロのやつとピカピカのやつが、専用の立てかけるやつ、みたいのに分けて掛けてある。
「わ、わ……もしかして、こっちが『完了』のやつで、あっちが『いまから』のやつですか?」
「……そうだ。よくわかったな」
ゴシゴシさんが手を止めて、ちょっと意外、みたいな顔でぼくをみる。
「えへへ……」
褒められ気分でちょっとえへっとなる。
けど、すぐにとんでもないことに気づいた。
「あれ? でも、え?」
「――どうした?」
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