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第74話 とつぜんの王子様
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「おちびちゃん!?」
「……?」
突然、聞き慣れたふんわり声がぼくを呼んだ。
「どうしたの、こんなところで」
「ふぇぇ、え……ハロルドさま……えぐっ」
「よしよし、迷ったの? 大丈夫だよ~」
「ふぇぇ……ちがうの、うさたん、うさたんがいなくて……」
「うさたん?」
どたどたどた、とあまり聞いたことない勇ましい足音がして――
「ああっ! サファさまっっ!!」
「サファさまが、いらしたわよっ!」
「ふえぇ……」
侍女さんに騎士さんに……お部屋の色んな人が、こっちめがけてすごい顔で走ってくる。
「あ、みんな……」
「よかったね、お迎えがきたよ~」
「うぅ……」
「でも、うさたんって、言ってたのはなにかな? 探しもの?」
「はい。あの……」
「ああ、ハロルドさま! サファさまのことは大丈夫ですので! 保護してくださって、誠にありがとうございますっ!」
「そう? でも――」
「本当に大丈夫ですので、ご心配なく。あとは私どもにお任せを!」
「そうか、わかったよ」
じゃあね、と手を振るハロルドさま、行ってしまう前にお礼をしないと。
「あぃがと、ごじゃました」
ぐすぐすしながらだから、ぜんぜん言えなかった……
「さ、サファさま。お部屋に戻りましょうね」
「……!」
眉をしょん、と下げた侍女さんの顔見て、ふと思い出した。
ぼく、だれにも何にも言わずに、出てきちゃった!
だからみんな、こんなにしょんとして、どたどたして、探しにきてくれたんだ……
ど、どうしよう……
「ふえぇぇ……ごめんなさぃぃ。ひとりでぇ、出てきちゃってぇぇ……うう」
「い……いいんですよ!」
ぜんぜん、怒ってる感じじゃない。
「というより、私たちが悪いんです。ああ、泣かないでくださいまし……」
「まぁぁ、どうしましょう。大丈夫、大丈夫ですからね」
……? なんか、怒ってるより、困ってるかんじ? どぉしてぇ?
「さ、なにも心配いりませんから、戻りましょうね」
あ……どうしよう、帰らないと。わがままは絶対ダメだし、でも……
「あの、あの……うさたんがいないの。だから……うぅ……」
うぇぇ……どうしよう。わがまま言ったらダメだけど、でもでも、うさたん探さないと……ふぇぇ……
「ああ……泣かないで、大丈夫。大丈夫ですよ。うさたんは、私たちが見つけますからね」
「でも……ぼくがぁ、なくしたのにぃぃ……ううっ……」
「ぐっ……大丈夫です。私たちが見つけますから、絶対」
「え、そうなの……?」
絶対見つかるの? なんでだろぉ……
「確実に見つけて、安全に保護しますから」
「……ほんとに? 大丈夫ぅ?」
「はい、それはもう。必ず見つけますので」
侍女さんがそこまで言うなら、きっと大丈夫……かな?
「そうかぁ……じゃあ、お願いね」
頼んじゃってぇ、いいのかな……
「どうぞ、お任せください!」
「うん……じゃあ、ほんとのほんとに、おねがいね」
「はい。きっとすーぐに見つかりますからね」
「さ、帰りましょう?」
「うん……わかったぁ」
お庭にうさたん、ほんとにいないのかなぁ……お花の下とかに。大丈夫かなぁ……?
後ろをちらちら、振り返ってちらちら。
「さ、サファさま。大丈夫ですからね、帰りましょうね」
「うん……」
帰り道はいつもより、ちょっとだけとぼとぼだ。
「……?」
突然、聞き慣れたふんわり声がぼくを呼んだ。
「どうしたの、こんなところで」
「ふぇぇ、え……ハロルドさま……えぐっ」
「よしよし、迷ったの? 大丈夫だよ~」
「ふぇぇ……ちがうの、うさたん、うさたんがいなくて……」
「うさたん?」
どたどたどた、とあまり聞いたことない勇ましい足音がして――
「ああっ! サファさまっっ!!」
「サファさまが、いらしたわよっ!」
「ふえぇ……」
侍女さんに騎士さんに……お部屋の色んな人が、こっちめがけてすごい顔で走ってくる。
「あ、みんな……」
「よかったね、お迎えがきたよ~」
「うぅ……」
「でも、うさたんって、言ってたのはなにかな? 探しもの?」
「はい。あの……」
「ああ、ハロルドさま! サファさまのことは大丈夫ですので! 保護してくださって、誠にありがとうございますっ!」
「そう? でも――」
「本当に大丈夫ですので、ご心配なく。あとは私どもにお任せを!」
「そうか、わかったよ」
じゃあね、と手を振るハロルドさま、行ってしまう前にお礼をしないと。
「あぃがと、ごじゃました」
ぐすぐすしながらだから、ぜんぜん言えなかった……
「さ、サファさま。お部屋に戻りましょうね」
「……!」
眉をしょん、と下げた侍女さんの顔見て、ふと思い出した。
ぼく、だれにも何にも言わずに、出てきちゃった!
だからみんな、こんなにしょんとして、どたどたして、探しにきてくれたんだ……
ど、どうしよう……
「ふえぇぇ……ごめんなさぃぃ。ひとりでぇ、出てきちゃってぇぇ……うう」
「い……いいんですよ!」
ぜんぜん、怒ってる感じじゃない。
「というより、私たちが悪いんです。ああ、泣かないでくださいまし……」
「まぁぁ、どうしましょう。大丈夫、大丈夫ですからね」
……? なんか、怒ってるより、困ってるかんじ? どぉしてぇ?
「さ、なにも心配いりませんから、戻りましょうね」
あ……どうしよう、帰らないと。わがままは絶対ダメだし、でも……
「あの、あの……うさたんがいないの。だから……うぅ……」
うぇぇ……どうしよう。わがまま言ったらダメだけど、でもでも、うさたん探さないと……ふぇぇ……
「ああ……泣かないで、大丈夫。大丈夫ですよ。うさたんは、私たちが見つけますからね」
「でも……ぼくがぁ、なくしたのにぃぃ……ううっ……」
「ぐっ……大丈夫です。私たちが見つけますから、絶対」
「え、そうなの……?」
絶対見つかるの? なんでだろぉ……
「確実に見つけて、安全に保護しますから」
「……ほんとに? 大丈夫ぅ?」
「はい、それはもう。必ず見つけますので」
侍女さんがそこまで言うなら、きっと大丈夫……かな?
「そうかぁ……じゃあ、お願いね」
頼んじゃってぇ、いいのかな……
「どうぞ、お任せください!」
「うん……じゃあ、ほんとのほんとに、おねがいね」
「はい。きっとすーぐに見つかりますからね」
「さ、帰りましょう?」
「うん……わかったぁ」
お庭にうさたん、ほんとにいないのかなぁ……お花の下とかに。大丈夫かなぁ……?
後ろをちらちら、振り返ってちらちら。
「さ、サファさま。大丈夫ですからね、帰りましょうね」
「うん……」
帰り道はいつもより、ちょっとだけとぼとぼだ。
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