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第1部
第82話 大広間でなにが…?
「入室を許可する」
……え? だれぇ?
いまぁ、許可したの、だれえ?
ファランさまの声じゃない? え? 知らないビシっとしたカチコチの人がいるの? なんでぇ……?
「失礼いたします」
あ、あ、ドア開けられちゃう!
ううう……
「どうぞ、サファさま」
と、とと、とうとう、大広間……に、はい、入らないといけない、ぐぐぐ――
「…………」
ま、待ってるぅぅ! ドア開けてくれて、待ってるぅぅ。
「…………」
そろーっと、しずかーに、気づかれないくらいこーっそりしてみたり……
なんなら、見つからなくて、今日はなしで! みたいなことにならないかなっとか――
「ああ、サファ、よくきたな」
「……!」
見つかっったぁ! すーーぐに、見つかったぁ!
「こ……こんにちわぁ……?」
びくびく、ひやひや……顔をそろーっと上げると、
「どうした? 緊張しているのか?」
ファランさまが、じーっと見てる。
「いえ、あの……」
してないです!っていったら嘘つきになるからダメかも、
だって、こんなの緊張するよぉぉぉ。
めちゃ広い部屋だし、すごいピシッとしたおつきの人たちとかいるしぃ……
なんか、よくわからないけど、すごい立派なお部屋みたいだしぃ……
おっきなテーブルがあるしぃ……
すっごいいい匂いがするしぃ……
――ん? いい匂い?
「なにも緊張することはない。こちらへおいで」
「ふ……ぁい」
と、とにかくいかないと。
え……じゅうたんフカフカだなぁ。これ、ぼくが踏んでもいいやつ……?
どこか、じゅうたん踏まなくていい場所は……
――ない。
だって、部屋、全部じゅうたんだし。
「……サファ?」
「は、はい!」
ええ、もう、行くしかない! フカフカを踏んでごめんなさい!
「座ってくれ、サファ」
「……はい」
なん……なんか、変じゃないぃ?
ファランさまの顔……いつもより、きびしい……感じ、かも。
この顔、あんまり見ないやつ。ほぼ、ぜんぜん見ないやつ。
うう……やっぱり、やっぱりですか。
ぼく、もう……ダメ、ですか?
なんの罪ですか。
「今日はサファに、大事な話があって来てもらった」
「……っ!?」
――ドキーー!
心臓がおっきく飛びはねた。
飛びはねたままどこか行って、一瞬帰ってこなかった。
「は、はぃ……」
どうにかしぼりだした声、ギリギリ音になったかどうか、微妙、くらいの。
「それで、今日の話というのが……」
「……?」
えっ? えっっ? ええっっ!?
なんでっ? なんでそこで止まるの? 今までにみたことない感じなんだけど?
ひえっ、まさかそんなに? そんなに言いにくいこと?
はっ……! まさか、まさかここで、そのまま、処罰される系の? なんかの罪を言い渡される感じのやつ?
はわわわわ、どどどど、どぉぉぉぉしよぉぉぉ!?
「その……うさぎのことだが」
「……ふぁ、い」
これ、この流れってぇ……いよいよ? いよいようさたん没収を言い渡されるってこと!?
「今日、持ってきてもらったのには、理由がある」
「……ぁい」
ファランさまがじーー、とうさたんを、見る。
視線がうさたんの真っ白ふわふわにまっすぐグサーーと突き刺さる。
ううう、うさたんうさたん。ぼくから離れないでぇ。どこにも行かないでぇ……うう、うううう。
ファランさまぁ、お願いしますぅぅ。ぼく、がんばってもっとちゃんといい子になります。
誰の邪魔にもならないようにするし、なにがあっても一人で外出たりしないようにするし。
ちゃんとみんなの言うこと聞くし、悪いことしたって疑われるようなことしないし。
だからだから――
「名前をつけてなかっただろう?」
はい。だからどうか、うさたんの名前――
……名前?
「一緒に名前をつけてほしいと、言っていただろう?」
「……?」
「手紙で」
「……ぁ、はい!」
あわわ、今ぼくちょっと??ってなって、きょとんみたいな、顔しなかった? だいじょぶ?
ちがうちがう、自分でお手紙に書いてて忘れてたとかじゃなくて。
あれはほら、してくれたらいいな~、で書いただけだから。
ちゃんと約束したわけじゃないから、ほら。
覚えててくれると思わなくてぇ……
「それを、ずっと忘れていたことに……この間気づいたのだ」
「こないだ?」
こないだって、探索のときかな? ヒミツの通路教えてくれたときの。
「ああ、そなたがそのうさぎのことを話していて、『うさたん』と呼んでいたので――」
「はい、うさたんの」
話ししたような気も。そいえばそのとき、ちょっとファランさまがあれ?な顔をしてたような。
「名前がうさたんなのかと聞こうとして、手紙のことを思い出したのだ」
「ああ、なるほど。わぁ、思い出してくれたんですねぇ、わぁ」
ただのぼくのお礼のお手紙の内容、思い出して気にしてくれるなんてぇ、スーパー律儀、ウルトラ真面目。
「だいぶ時間があいてしまった……すぐ、名前をつけたかっただろうに」
「あ……いえ、でも、うさたんって愛称で呼んでるので、だいじょぶなんです。えへへ」
うさたーん!って呼ぶのも、なんとなく気に入ってるんだよねぇぇ。
「そうか。ならばよかった」
ファランさまは、ふぅ、って感じでちょっとほわっとなった。
「遅くなったが約束を果たそうと思って、どうだ?」
え、大事なご用それ?
「え、ほんとにぃですか? わ、ありがとございます」
わぁぁ、ファランさまうさたんの名前!考えてくれるんだぁ、わああ、たのしみ!
……あれ?
……え? だれぇ?
いまぁ、許可したの、だれえ?
ファランさまの声じゃない? え? 知らないビシっとしたカチコチの人がいるの? なんでぇ……?
「失礼いたします」
あ、あ、ドア開けられちゃう!
ううう……
「どうぞ、サファさま」
と、とと、とうとう、大広間……に、はい、入らないといけない、ぐぐぐ――
「…………」
ま、待ってるぅぅ! ドア開けてくれて、待ってるぅぅ。
「…………」
そろーっと、しずかーに、気づかれないくらいこーっそりしてみたり……
なんなら、見つからなくて、今日はなしで! みたいなことにならないかなっとか――
「ああ、サファ、よくきたな」
「……!」
見つかっったぁ! すーーぐに、見つかったぁ!
「こ……こんにちわぁ……?」
びくびく、ひやひや……顔をそろーっと上げると、
「どうした? 緊張しているのか?」
ファランさまが、じーっと見てる。
「いえ、あの……」
してないです!っていったら嘘つきになるからダメかも、
だって、こんなの緊張するよぉぉぉ。
めちゃ広い部屋だし、すごいピシッとしたおつきの人たちとかいるしぃ……
なんか、よくわからないけど、すごい立派なお部屋みたいだしぃ……
おっきなテーブルがあるしぃ……
すっごいいい匂いがするしぃ……
――ん? いい匂い?
「なにも緊張することはない。こちらへおいで」
「ふ……ぁい」
と、とにかくいかないと。
え……じゅうたんフカフカだなぁ。これ、ぼくが踏んでもいいやつ……?
どこか、じゅうたん踏まなくていい場所は……
――ない。
だって、部屋、全部じゅうたんだし。
「……サファ?」
「は、はい!」
ええ、もう、行くしかない! フカフカを踏んでごめんなさい!
「座ってくれ、サファ」
「……はい」
なん……なんか、変じゃないぃ?
ファランさまの顔……いつもより、きびしい……感じ、かも。
この顔、あんまり見ないやつ。ほぼ、ぜんぜん見ないやつ。
うう……やっぱり、やっぱりですか。
ぼく、もう……ダメ、ですか?
なんの罪ですか。
「今日はサファに、大事な話があって来てもらった」
「……っ!?」
――ドキーー!
心臓がおっきく飛びはねた。
飛びはねたままどこか行って、一瞬帰ってこなかった。
「は、はぃ……」
どうにかしぼりだした声、ギリギリ音になったかどうか、微妙、くらいの。
「それで、今日の話というのが……」
「……?」
えっ? えっっ? ええっっ!?
なんでっ? なんでそこで止まるの? 今までにみたことない感じなんだけど?
ひえっ、まさかそんなに? そんなに言いにくいこと?
はっ……! まさか、まさかここで、そのまま、処罰される系の? なんかの罪を言い渡される感じのやつ?
はわわわわ、どどどど、どぉぉぉぉしよぉぉぉ!?
「その……うさぎのことだが」
「……ふぁ、い」
これ、この流れってぇ……いよいよ? いよいようさたん没収を言い渡されるってこと!?
「今日、持ってきてもらったのには、理由がある」
「……ぁい」
ファランさまがじーー、とうさたんを、見る。
視線がうさたんの真っ白ふわふわにまっすぐグサーーと突き刺さる。
ううう、うさたんうさたん。ぼくから離れないでぇ。どこにも行かないでぇ……うう、うううう。
ファランさまぁ、お願いしますぅぅ。ぼく、がんばってもっとちゃんといい子になります。
誰の邪魔にもならないようにするし、なにがあっても一人で外出たりしないようにするし。
ちゃんとみんなの言うこと聞くし、悪いことしたって疑われるようなことしないし。
だからだから――
「名前をつけてなかっただろう?」
はい。だからどうか、うさたんの名前――
……名前?
「一緒に名前をつけてほしいと、言っていただろう?」
「……?」
「手紙で」
「……ぁ、はい!」
あわわ、今ぼくちょっと??ってなって、きょとんみたいな、顔しなかった? だいじょぶ?
ちがうちがう、自分でお手紙に書いてて忘れてたとかじゃなくて。
あれはほら、してくれたらいいな~、で書いただけだから。
ちゃんと約束したわけじゃないから、ほら。
覚えててくれると思わなくてぇ……
「それを、ずっと忘れていたことに……この間気づいたのだ」
「こないだ?」
こないだって、探索のときかな? ヒミツの通路教えてくれたときの。
「ああ、そなたがそのうさぎのことを話していて、『うさたん』と呼んでいたので――」
「はい、うさたんの」
話ししたような気も。そいえばそのとき、ちょっとファランさまがあれ?な顔をしてたような。
「名前がうさたんなのかと聞こうとして、手紙のことを思い出したのだ」
「ああ、なるほど。わぁ、思い出してくれたんですねぇ、わぁ」
ただのぼくのお礼のお手紙の内容、思い出して気にしてくれるなんてぇ、スーパー律儀、ウルトラ真面目。
「だいぶ時間があいてしまった……すぐ、名前をつけたかっただろうに」
「あ……いえ、でも、うさたんって愛称で呼んでるので、だいじょぶなんです。えへへ」
うさたーん!って呼ぶのも、なんとなく気に入ってるんだよねぇぇ。
「そうか。ならばよかった」
ファランさまは、ふぅ、って感じでちょっとほわっとなった。
「遅くなったが約束を果たそうと思って、どうだ?」
え、大事なご用それ?
「え、ほんとにぃですか? わ、ありがとございます」
わぁぁ、ファランさまうさたんの名前!考えてくれるんだぁ、わああ、たのしみ!
……あれ?
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