人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ

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第86話 それ、どうやってやるの!?

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お散歩の帰りはグルグルの階段。
ここはたまーにしか通らないけど、ちょっと不思議で面白い。グルグル登ったり降りたりしてると、なんかネジになった気分。

「サファさま、足元気をつけてくださいませね」
「はーい」
「よろしければ、お運びしましょうか?」
「だいじょうぶよー」

自分でグルグル登っていくのが楽しいからねぇ。でもぉ、転んだらいけないから、いちおう手すりの近くを……

「あれ? あれれれ?」

ビックリして、階段登りかけた足が戻ってきた。

「どうなさいましたか、サファさま?」
「ねえみて、これ! 手すりが、ピカピカのピカ!」

思わず声に力が入る。どこからか、「えっ?」っていう声が聞こえた気もした。

「まぁ、本当。丁寧に手入れされてますね」
「うん! ほら! 手が、うつってる! はっきり! すごいぃぃ」
「たしかに。一点のくもりもありませんわ」
「ねーー、これどおおやってるんだろぉぉぉ?」

「ええ、ええええ……」
「……?」

どこからか、ブルブルした声が聞こえてきて、え?っとなる。

「そんな、そこまで言っていただけるなんて……」

声の主をさがしてキョロキョロすると、階段の裏側から、布を手にした人が顔を出しているのが見えた。

「あ、もしかしてっ! この手すりをピカピカにした人ですか!?」
「は、はい。私が……」

「すごおおおいねえええ! これ、手すり、ぜんぶピカピカよ?」
「あ、え……ありがとうございます」

「ほらほら、手も、顔も、はーっきりうつるっ。かがみみたいっ!」
「えええ……っ」
ピカピカの人は、なんか目をウルウルさせて、アワアワでソワソワしてる。

「どぉしたのぉ? だいじょうぶ?」
「は、はい! ただ、うれしくて……」

「そうだよねー、わかる!」
「ええ、はい」

「こんなにピカピカにできるなんてすごいワザだもん。うれしいよね。ぼくなら、超じまんするっ!」
「えっ……」

「ちょっと、おしえてほしいんだけどぉ」
「は、はい。なんでしょう?」

「この、ピカピカにするワザ。これをぉ、身につける修行は、たいへんですかっ?」
「えっ……いえ、そんな」

「そうなの!? じゃあ、ぼくもできるっ?」
「は、え……はい。でも、あなたのような方が……」

「ええっ、じゃあぁ、ぼくもあとで、お部屋で試してみよおかなぁぁ……」
「えっ」

ほんとはちょっと教えてもらったりできたらいいけど、お仕事の邪魔はダメなのでねえ。

「さ、サファさま。そろそろ帰りましょうか?」
「あ、うん! そだねえ」

お返事をして、もう一度アワアワさんをみると、まださっきの「ええっ」っとなったままの顔でいる。

「じゃあ、ぼくいくねぇ。お仕事がんばってねえ」
「は、はい! ありがとうございます。がんばりますっ!」

ペコっとしてくれたアワアワさんに、バイバイと手を振る。そして今度こそ、階段をグルグル登っていく。

うーん、王宮の中には、いろーんなとこで、いろーんな人が、たーっくさんすごいワザでお仕事してるんだなぁぁ。ほんとにみんな頑張っててぇ、えらい。

***

あんまり通り慣れない場所をあちこち通って、ようやくお部屋の近く。
ここをまーっすぐ行ったら、もうすぐだけど――

「あのね、ちょっとだけ、こっち行っていい?」
「ええ、構いませんよ」
「わーい」

ちょっとだけ急ぎ足で、あそこへ。

「あ、ここだ、ここ!」

すごい、あんまりこないとこなのに、さっと来れた。ノー迷子。ぼく、探検の才能があるかも。

「お片付け、どーなったかなぁぁ?」

ちらっと中をのぞいた瞬間、ぼくの背中がピーンとなった。

「え……ええっ? うそぉぉぉ!?」

あれ? もしかして、部屋を間違えた? と思っていたら――

「あ、ほんとに、来てくれたんですね」
棚の向こうから出てきたのは、あのお片付けの2人のうちの、シャキッとさんだ。

「え、あ、はい。あの……」
え、じゃあこの部屋がやっぱりあの部屋?

おーっきな机に、ドワーーってたぁっっくさんの本の山と紙の束と、袋と封筒と箱と、なんかいろいろが、広げてあった……あの?

「え、これ。たくさんあった本とかはどこに……?」
「ああ、はい。ちょうどさっき、ほぼほぼ片付けが終わったとこで」

「えっ!?」
「今、最終点検をしていたところです」

「ええっ!?」

うそおおお? あんなにたくさんあったのに? 朝から夕方でぜーーんぶ、片付いたの?

「えええ……」
信じられない。ほんとにほんとにあの部屋? だって、さっきとぜんぜん様子がちがう。
部屋の中をキョロキョロ見渡していると、

「…………」
もう一人のお片付けの人、背中丸いさんがでてきて、またニコッと小さくお辞儀してくれる。

「ど、どうもぉ……」
ビックリのあまり、挨拶ももごっとしちゃう。

「え、ほんとに2人で全部お片付けしたんですか?」
「そうですよー。なので、お手伝いはまた今度、お願いしますね」

「は、はい! でもぼく、お片付けのすごいワザはないので、お手伝いになるかなぉ」
「はは。すごいワザは、私たちもとくにないので大丈夫ですよ」

「ええっ! だって、あのすごい本とか紙の山を全部2人でザーッと片付けたんだから、すごいワザですよっ!」
「おや、そうでしょうか?」

「そう! ぜったいぜったいそう!」
「あはは。なんだかそう言われると、こそばゆいですね」

シャキッとさんと、背中丸いさんは、顔を見合わせてあはあは、と笑ってる。

「さ、サファさま。そろそろおいとましましょうか?」
「あ、うん」

「お片付けのお兄さんたち。またねぇ」
「はい。また」

「たくさんおかたづけ、おつかれさまでした! ばいばーい!」
「おや。ありがとうございます。バイバイです」
シャキッとさんと一緒に、背中丸いさんもバイバイと手を振ってくれる。

はぁぁぁ、あのほんと紙とはこと袋の山をババっと片付けるなんて……どういうワザなんだろ?
そして、あの山たちはいったい、どこに片付けられたんだろー?

王宮のお仕事は不思議がいっぱいだ。


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感想 4

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みんなの感想(4件)

N
2026.01.28 N

サファさまかわいい!
毎日読んで癒されています

2026.01.29 ほしみ

わぁ、毎日! ありがとうございます。
ぜひ続きもお楽しみください!

解除
神楽坂
2025.11.20 神楽坂

いやぁファラン様、サファにメロメロෆ  ̫ ෆですね(*^^*)
1日が長いです~更新が待ちきれない✨

2025.11.20 ほしみ

そうなんですよね、なんだかめちゃくちゃに優しいんです。
これからもいろんなことが起きそうなので、続きもぜひお楽しみに📖

解除
nit
2025.11.19 nit

癒される〜っ
毎日楽しみにしています。

お月さまのポケットも。
ありがとうございます😊

2025.11.20 ほしみ

わー、よかったです。

毎日読んでくださって、感想までいただいて、ありがとうございます!
お月さまのポケットは、自分でもお気に入りです🌙
またぜひ読んでください。

解除

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