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アフター
Side T 20
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相手がシャワーを浴びてる間ってどう待ってたらいいんだろう。
後ろの用意しておいたほうがいいのかな、それだといかにもすぎてムードがないかな。
そんなことを考えながらそわそわしてたら髪が半乾きのままいつきがぺたぺたとやってきてベッドに腰かけた。
その重さでマットレスが沈んでおれも傾ぐ。
手をついて身体を支えようとしたら受け止められて、手の熱さに身体がびくっとした。
おれたちは二人とも下着しかつけていなくて、肌が直にこすれたところがかっと熱を帯びる。
ヒートじゃなくても、全然熱い。
「…電気、つけたままのほうがいいよね?」
「う、ん…」
ありとあらゆる嫌な記憶はお前に上書きされてるから今さらトラウマ呼び起こされたりしない気もするけど、顔が見れると嬉しいので頷いた。
それからゆっくり唇が重ねられる。
厚い、熱い舌が侵入してきて、舌がからめとられる。
それだけで腰が砕けそうになるくらい気持ちいい。
くちゅくちゅと唾液の交ざる音に興奮して、口蓋を撫でられると鼻から甘い声が抜けてしまう。
大きな手が肩を撫でて、背中を撫でて、腰を撫でる。
緩慢な手つきのせいで触れられたところから広がる熱が収まらないまま次の箇所もまた熱くなる。
そうして身体全体が熱で高められる。
「は、んん、ふ…」
「…俺さあ」
いつきが口を離してつぶやいた。
「透さん、ヒート苦しそうだし嫌な思い出もあるし
あんまりセックスしたくないかなとも思ってたんだよね」
珍しくトーンを抑えた声だった。
大きな手がおれの後頭部に回って髪を搔き分けて肌に達する感触にざわりとする。
もう片方の手が背中に背中を支えられて、いつきの話に耳を傾けている間にあれよあれよとベッドに転がされてしまう。
「ヒートのときの処理に頼ってくれるだけでも、俺は全然よかった」
そうして気づいたときには耳元にシーツがあった。
やり場がなくて放り出された手をやんわりと包み込まれ、それから少し身を乗り出したいつきの視線とおれの視線が交差する。
「だから嬉しい。今日、あなたに触れられて」
「ッ……」
熱に高まった顔で、けれども穏やかに微笑んで、見下ろされて、心臓がどくんと鳴る。
首からぶわりとローズマリーの匂いが弾けた。
さっきまで抱いていた不安とか、先々に訪れるかもしれない心配事とか、全部が塵になって消えてしまう。
それを塗りつぶすのは自分のαに対しての愛おしく思う気持ちだ。
息が上がる。…早く、抱かれたい。
下腹がじくじくする。どうしようもないさがだ。
こくりと喉を鳴らして唾を呑み込んだのを見られた。
顔を寄せられて首筋からゆっくりキスを落とされる。
「あ、あ…」と喉の奥から意図しない声が漏れた。
首に、鎖骨に、少しずつ下に、唇が移動して、それからべろりと胸をなめられて、背筋がぴんと強張る。
片手で反対側の乳首をつままれて身体が逃げそうになるのを、反対の手で腰を支えられて阻止される。
「は、あうっ…そ、そこ…ッ」
「ん…」
「い、いつき…おれ、おれも…」
「ん…?」
胸を舐めながら目線だけ寄こされて押し付けられている腰が少し浮いた。
じゅわりと性器からなにかが漏れた気がする。
理性がとけて、何も考えられないまま舌が勝手に言葉を紡ぐ。
「お、おれも、お前とできて、うれしい…。
ヒートじゃないから、あっ…あんまり、う、うまくできない、かも、しれないけど…」
「そんなの気にしなくて大丈夫だよ」
そう言って顔を寄せて口をはまれて最後の心配事をも呑み込まされた。
そんなことをされたらもうだめだ、めろめろになってしまう。
やらしい手つきで腰骨を撫でられて快感が前に後ろにたまっていく。
「ああ、あぁ…」と切ない声が止めらない。
ヒート以外のときは普通の身体だ。後ろも濡れないはずなのだ。
けれどもαに引き寄せられて、Ωの身体が反応する。
後ろからこぼれた液体の温かさに鳥肌が立つ。
「心配しなくて大丈夫。…大好きだし、あなたがいれば俺はそれでいい」
「ふ、ううう…!ぅん、んん、あっ…あっ…」
「…ヒートのときも気持ちよかったけど、
こうやって話しながらできるのも嬉しいよね…」
乳首をつままれたそばから先を擦られて、ぴりりと走る快感に身もだえる。
そんなない胸いじって楽しいのだろうかと訝しむ隙もない。
触られれば触られるほど芯を持って立ち上がって感度を上げるのに
決定的ではない刺激に中が物欲しさにぎゅうぎゅうと脈動しているのがわかった。
快感が脳でじゅわじゅわ波打っていつきの言っていることが上手く処理できない。
聞きたいのに。待って。だめ、きもちいい。好き。好きだ。
とろける身体で、ぎゅうといつきを抱きしめるとふっと笑う声が聞こえた気がした。
「は…もうちょっとゆっくりしたかったけど、お互いだめそうだね…。
下触ろうか」
甘い響きに何度も頷くと、生理的な涙がぽろぽろとこぼれてこめかみを濡らした。
快感を拾うのなんて苦痛でしかなかったのに、ここにきてこんなに気持ちいいなんて信じられなかった。
後ろの用意しておいたほうがいいのかな、それだといかにもすぎてムードがないかな。
そんなことを考えながらそわそわしてたら髪が半乾きのままいつきがぺたぺたとやってきてベッドに腰かけた。
その重さでマットレスが沈んでおれも傾ぐ。
手をついて身体を支えようとしたら受け止められて、手の熱さに身体がびくっとした。
おれたちは二人とも下着しかつけていなくて、肌が直にこすれたところがかっと熱を帯びる。
ヒートじゃなくても、全然熱い。
「…電気、つけたままのほうがいいよね?」
「う、ん…」
ありとあらゆる嫌な記憶はお前に上書きされてるから今さらトラウマ呼び起こされたりしない気もするけど、顔が見れると嬉しいので頷いた。
それからゆっくり唇が重ねられる。
厚い、熱い舌が侵入してきて、舌がからめとられる。
それだけで腰が砕けそうになるくらい気持ちいい。
くちゅくちゅと唾液の交ざる音に興奮して、口蓋を撫でられると鼻から甘い声が抜けてしまう。
大きな手が肩を撫でて、背中を撫でて、腰を撫でる。
緩慢な手つきのせいで触れられたところから広がる熱が収まらないまま次の箇所もまた熱くなる。
そうして身体全体が熱で高められる。
「は、んん、ふ…」
「…俺さあ」
いつきが口を離してつぶやいた。
「透さん、ヒート苦しそうだし嫌な思い出もあるし
あんまりセックスしたくないかなとも思ってたんだよね」
珍しくトーンを抑えた声だった。
大きな手がおれの後頭部に回って髪を搔き分けて肌に達する感触にざわりとする。
もう片方の手が背中に背中を支えられて、いつきの話に耳を傾けている間にあれよあれよとベッドに転がされてしまう。
「ヒートのときの処理に頼ってくれるだけでも、俺は全然よかった」
そうして気づいたときには耳元にシーツがあった。
やり場がなくて放り出された手をやんわりと包み込まれ、それから少し身を乗り出したいつきの視線とおれの視線が交差する。
「だから嬉しい。今日、あなたに触れられて」
「ッ……」
熱に高まった顔で、けれども穏やかに微笑んで、見下ろされて、心臓がどくんと鳴る。
首からぶわりとローズマリーの匂いが弾けた。
さっきまで抱いていた不安とか、先々に訪れるかもしれない心配事とか、全部が塵になって消えてしまう。
それを塗りつぶすのは自分のαに対しての愛おしく思う気持ちだ。
息が上がる。…早く、抱かれたい。
下腹がじくじくする。どうしようもないさがだ。
こくりと喉を鳴らして唾を呑み込んだのを見られた。
顔を寄せられて首筋からゆっくりキスを落とされる。
「あ、あ…」と喉の奥から意図しない声が漏れた。
首に、鎖骨に、少しずつ下に、唇が移動して、それからべろりと胸をなめられて、背筋がぴんと強張る。
片手で反対側の乳首をつままれて身体が逃げそうになるのを、反対の手で腰を支えられて阻止される。
「は、あうっ…そ、そこ…ッ」
「ん…」
「い、いつき…おれ、おれも…」
「ん…?」
胸を舐めながら目線だけ寄こされて押し付けられている腰が少し浮いた。
じゅわりと性器からなにかが漏れた気がする。
理性がとけて、何も考えられないまま舌が勝手に言葉を紡ぐ。
「お、おれも、お前とできて、うれしい…。
ヒートじゃないから、あっ…あんまり、う、うまくできない、かも、しれないけど…」
「そんなの気にしなくて大丈夫だよ」
そう言って顔を寄せて口をはまれて最後の心配事をも呑み込まされた。
そんなことをされたらもうだめだ、めろめろになってしまう。
やらしい手つきで腰骨を撫でられて快感が前に後ろにたまっていく。
「ああ、あぁ…」と切ない声が止めらない。
ヒート以外のときは普通の身体だ。後ろも濡れないはずなのだ。
けれどもαに引き寄せられて、Ωの身体が反応する。
後ろからこぼれた液体の温かさに鳥肌が立つ。
「心配しなくて大丈夫。…大好きだし、あなたがいれば俺はそれでいい」
「ふ、ううう…!ぅん、んん、あっ…あっ…」
「…ヒートのときも気持ちよかったけど、
こうやって話しながらできるのも嬉しいよね…」
乳首をつままれたそばから先を擦られて、ぴりりと走る快感に身もだえる。
そんなない胸いじって楽しいのだろうかと訝しむ隙もない。
触られれば触られるほど芯を持って立ち上がって感度を上げるのに
決定的ではない刺激に中が物欲しさにぎゅうぎゅうと脈動しているのがわかった。
快感が脳でじゅわじゅわ波打っていつきの言っていることが上手く処理できない。
聞きたいのに。待って。だめ、きもちいい。好き。好きだ。
とろける身体で、ぎゅうといつきを抱きしめるとふっと笑う声が聞こえた気がした。
「は…もうちょっとゆっくりしたかったけど、お互いだめそうだね…。
下触ろうか」
甘い響きに何度も頷くと、生理的な涙がぽろぽろとこぼれてこめかみを濡らした。
快感を拾うのなんて苦痛でしかなかったのに、ここにきてこんなに気持ちいいなんて信じられなかった。
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