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櫂斗は嬉しい半面ちょっと悔しくて。
赤面しながらも、再びふくれっ面。
「あれ? なんか、反応おかしくない?」
「ずるい! なんかもー、トモさん、ずるい!」
「え、待って、何が?」
「ずるいよ。だって……だってなんか……もっとこう……あれ?」
「櫂斗?」
自分で言っていて、もう何がどうずるいのかもわからなくなって。
「なんか、俺ばっか、いっぱいいっぱいになってる。オトナなトモさん、ずるい」
「オトナって……俺、全然大人じゃねーし。いっぱいいっぱいって、俺だってそうだよ?」
朋樹が、ふ、と笑って櫂斗の頬を両手で包み込んだ。
「櫂斗にいっぱい好きって言って貰って、それにどうやって返していいかいつだっていっぱいいっぱいになってるよ? 櫂斗が俺のトモさんって言ってくれるの、嬉しいし。俺も、櫂斗のことを独占したいって思う」
優しい目で見つめてくる朋樹に、櫂斗は全身の力が抜けてく感じがした。
この前、映画を観ながらベッドの中で抱き合った。
まだ裸はダメ、と言われたから服は着ていたけど、露出している素肌にはお互いキスを降らせたし、ソレには手を触れなかったけれど、でもずっと抱きしめ合っていた。
そんな、全然オトナな関係なんかになれなくて、なんとなく誤魔化されてる気がして悔しいと思っていた櫂斗としては、今日はなんとしてもオトナな関係になりたいって思っているんだけれど。
そんな体の重なりよりもずっと、今の方が何十倍も嬉しくて。
気持ちが重なるって、こういうことを言うのかな、と。
背伸びして、とにかく全部を“俺のモノ”にすることばかり考えていた自分が、やっぱりただのガキでしかなかったと思ってしまう。
「トモさん……大好き」
「ん。俺も、大好きだよ」
櫂斗が寄りかかると、当たり前のように抱きしめてくれる。
そうして、言葉を重ねて、唇を重ねた。
舌が、絡まる。
吐息が絡まって、好き、が絡まる。
そのまま、朋樹の腕が櫂斗を包み込んで、ラグの上にそっと倒した。
「………ヤバイ。止まんないかも」
朋樹が、言う。
「止まんなくて、いいよ」
キスに酔っている櫂斗が、完全に蕩けた目をして朋樹の背中に腕を回して。
「でも……櫂斗まだ高校生だし」
「だから? そんなん関係、ないし」
「卒業するまで、やっぱ我慢……」
「しなくていいってば。トモさんだって高校生ん時にはえっちくらいしてたんだろ?」
「……いやでも、三年にはなってた」
「俺の友達、もう童貞じゃないヤツいるし、いいじゃん」
だんだん色っぽい空気が薄れてく気がして。
「ああでも、なんか犯罪っぽいし……」
「なわけないだろ」
「いいのかな、ほんとに……」
「うるさいな。俺がいいっつってんだから、いいんだよ」
グダグダ言ってる朋樹の唇に、ぶつけるようにもう一度キス。
それにもう、お互い勃ってんじゃん、と櫂斗は下半身に触れるモノの硬さを感じているから。
「ね、トモさん、シよ」
櫂斗の目は“オトコを誘う目”だと、誰かが言っていたのを思い出す。
だから、誘ってやる。
もう、種火はちゃんと点いているんだから。煽ってやる。
櫂斗は下から再び噛みつくようなキスをした。
覚悟を決めたのか、性欲が勝ったのか、朋樹がそれに応える。
櫂斗のTシャツを捲ってさらりと脱がせると、現れた胸の突起に指を這わせた。
「あ」
つままれて揉まれて。全身にしびれたような感覚が走り、櫂斗が思わず声を出した。
こんなの、初めてで。
こんなトコ、触られて。それだけで下半身が熱を持つのがわかるから。
「痛い?」
朋樹の声が、耳を擽る。
小さく首を振ると、首筋を唇で辿りながら、掌で露出した上半身を愛撫する。
どうしていいかわからないから、櫂斗はただただされるがままにそれを感じていることしかできなくて。
「櫂斗、可愛い」
そう言って朋樹が今度は乳首を甘噛みした。
「あんっ……」
やだ、なんだ、コレ?
びく、と自分のモノが硬度を増したのがわかる。声だって、まるで自分から出ているとは思えないくらい、鼻にかかっているから。
「ほんとに、大丈夫?」
確認するのはこれが最後だ、と朋樹の目が言っていて。
「だい、じょぶ。俺、でもどうしていいか、わかんない」
正直に、言ってみる。だって、本当に初めてで。
なんとなく、どんなことをするかは知識としては知っていたし、ちょっとだけえっちな動画は見たこともあるけれど、でも本当に、経験なんてないから。
朋樹は優しく微笑んだ。
「俺も、男の子抱くのはさすがに経験ないから。とりあえず、できるトコまでやってみるけど」
それこそ、本能の赴くままに。と、朋樹は起き上がって裸になった。
無駄な肉なんてない、綺麗な裸体が晒される。
櫂斗はそっと手を伸ばしてその割れた腹筋を指で触ってみた。
「すごい……綺麗」
「ありがと。でも櫂斗も割れてるね、腹筋」
「ん……いちお。筋トレはやってる」
朋樹は、今度は櫂斗の腹筋を舌で辿った。
「あ……」
「下も、脱がせるよ?」
言って、前を寛げるとズボンを脱がせて下着だけにする。
「意外に派手だねえ」
こういうコトをする、という覚悟は決めていたけれど。下着のことまで考えていなくて。
黒地に可愛いぐでたま柄なボクサーパンツが、ちょっと恥ずかしい。
「ううー。無地のパンツ履いとけばよかった」
顔を両手で隠す。
「いいよ。これも、脱がせるから」
そう言って、朋樹はパンツに手をかける。が。
「待って。トモさんも、脱いでよ、全部」
櫂斗の言葉に、くす、と笑って朋樹も下着だけになる。
「さっき着たばっかなんだけどなー。あ、ついでにベッド、行こ」
横抱きに掬い上げてお姫様抱っこして。
「わ」
「櫂斗、やっぱ軽い」
さっきまで二人でじゃれていたベッドに、櫂斗をそっと寝かせる。
「もう、まじで止まんないけど、ほんとに大丈夫?」
最終勧告。
櫂斗は頷く代わりに、朋樹を引き寄せてキスをした。
赤面しながらも、再びふくれっ面。
「あれ? なんか、反応おかしくない?」
「ずるい! なんかもー、トモさん、ずるい!」
「え、待って、何が?」
「ずるいよ。だって……だってなんか……もっとこう……あれ?」
「櫂斗?」
自分で言っていて、もう何がどうずるいのかもわからなくなって。
「なんか、俺ばっか、いっぱいいっぱいになってる。オトナなトモさん、ずるい」
「オトナって……俺、全然大人じゃねーし。いっぱいいっぱいって、俺だってそうだよ?」
朋樹が、ふ、と笑って櫂斗の頬を両手で包み込んだ。
「櫂斗にいっぱい好きって言って貰って、それにどうやって返していいかいつだっていっぱいいっぱいになってるよ? 櫂斗が俺のトモさんって言ってくれるの、嬉しいし。俺も、櫂斗のことを独占したいって思う」
優しい目で見つめてくる朋樹に、櫂斗は全身の力が抜けてく感じがした。
この前、映画を観ながらベッドの中で抱き合った。
まだ裸はダメ、と言われたから服は着ていたけど、露出している素肌にはお互いキスを降らせたし、ソレには手を触れなかったけれど、でもずっと抱きしめ合っていた。
そんな、全然オトナな関係なんかになれなくて、なんとなく誤魔化されてる気がして悔しいと思っていた櫂斗としては、今日はなんとしてもオトナな関係になりたいって思っているんだけれど。
そんな体の重なりよりもずっと、今の方が何十倍も嬉しくて。
気持ちが重なるって、こういうことを言うのかな、と。
背伸びして、とにかく全部を“俺のモノ”にすることばかり考えていた自分が、やっぱりただのガキでしかなかったと思ってしまう。
「トモさん……大好き」
「ん。俺も、大好きだよ」
櫂斗が寄りかかると、当たり前のように抱きしめてくれる。
そうして、言葉を重ねて、唇を重ねた。
舌が、絡まる。
吐息が絡まって、好き、が絡まる。
そのまま、朋樹の腕が櫂斗を包み込んで、ラグの上にそっと倒した。
「………ヤバイ。止まんないかも」
朋樹が、言う。
「止まんなくて、いいよ」
キスに酔っている櫂斗が、完全に蕩けた目をして朋樹の背中に腕を回して。
「でも……櫂斗まだ高校生だし」
「だから? そんなん関係、ないし」
「卒業するまで、やっぱ我慢……」
「しなくていいってば。トモさんだって高校生ん時にはえっちくらいしてたんだろ?」
「……いやでも、三年にはなってた」
「俺の友達、もう童貞じゃないヤツいるし、いいじゃん」
だんだん色っぽい空気が薄れてく気がして。
「ああでも、なんか犯罪っぽいし……」
「なわけないだろ」
「いいのかな、ほんとに……」
「うるさいな。俺がいいっつってんだから、いいんだよ」
グダグダ言ってる朋樹の唇に、ぶつけるようにもう一度キス。
それにもう、お互い勃ってんじゃん、と櫂斗は下半身に触れるモノの硬さを感じているから。
「ね、トモさん、シよ」
櫂斗の目は“オトコを誘う目”だと、誰かが言っていたのを思い出す。
だから、誘ってやる。
もう、種火はちゃんと点いているんだから。煽ってやる。
櫂斗は下から再び噛みつくようなキスをした。
覚悟を決めたのか、性欲が勝ったのか、朋樹がそれに応える。
櫂斗のTシャツを捲ってさらりと脱がせると、現れた胸の突起に指を這わせた。
「あ」
つままれて揉まれて。全身にしびれたような感覚が走り、櫂斗が思わず声を出した。
こんなの、初めてで。
こんなトコ、触られて。それだけで下半身が熱を持つのがわかるから。
「痛い?」
朋樹の声が、耳を擽る。
小さく首を振ると、首筋を唇で辿りながら、掌で露出した上半身を愛撫する。
どうしていいかわからないから、櫂斗はただただされるがままにそれを感じていることしかできなくて。
「櫂斗、可愛い」
そう言って朋樹が今度は乳首を甘噛みした。
「あんっ……」
やだ、なんだ、コレ?
びく、と自分のモノが硬度を増したのがわかる。声だって、まるで自分から出ているとは思えないくらい、鼻にかかっているから。
「ほんとに、大丈夫?」
確認するのはこれが最後だ、と朋樹の目が言っていて。
「だい、じょぶ。俺、でもどうしていいか、わかんない」
正直に、言ってみる。だって、本当に初めてで。
なんとなく、どんなことをするかは知識としては知っていたし、ちょっとだけえっちな動画は見たこともあるけれど、でも本当に、経験なんてないから。
朋樹は優しく微笑んだ。
「俺も、男の子抱くのはさすがに経験ないから。とりあえず、できるトコまでやってみるけど」
それこそ、本能の赴くままに。と、朋樹は起き上がって裸になった。
無駄な肉なんてない、綺麗な裸体が晒される。
櫂斗はそっと手を伸ばしてその割れた腹筋を指で触ってみた。
「すごい……綺麗」
「ありがと。でも櫂斗も割れてるね、腹筋」
「ん……いちお。筋トレはやってる」
朋樹は、今度は櫂斗の腹筋を舌で辿った。
「あ……」
「下も、脱がせるよ?」
言って、前を寛げるとズボンを脱がせて下着だけにする。
「意外に派手だねえ」
こういうコトをする、という覚悟は決めていたけれど。下着のことまで考えていなくて。
黒地に可愛いぐでたま柄なボクサーパンツが、ちょっと恥ずかしい。
「ううー。無地のパンツ履いとけばよかった」
顔を両手で隠す。
「いいよ。これも、脱がせるから」
そう言って、朋樹はパンツに手をかける。が。
「待って。トモさんも、脱いでよ、全部」
櫂斗の言葉に、くす、と笑って朋樹も下着だけになる。
「さっき着たばっかなんだけどなー。あ、ついでにベッド、行こ」
横抱きに掬い上げてお姫様抱っこして。
「わ」
「櫂斗、やっぱ軽い」
さっきまで二人でじゃれていたベッドに、櫂斗をそっと寝かせる。
「もう、まじで止まんないけど、ほんとに大丈夫?」
最終勧告。
櫂斗は頷く代わりに、朋樹を引き寄せてキスをした。
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