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「トーモさん」
名前を呼んで、櫂斗が椅子の後ろに無理矢理座り込んできた。
「おい」
PCの前でレポート作成画面を開いていた朋樹は、そのせいで前に押しやられ、画面に突っ込みそうになる。
いつものようにバイトを終えた土曜日。
当たり前に朋樹の部屋に泊まる櫂斗に、
「ちょっと、先にどうしても瀬川に投げとかないといけないレポートがあるから、先にシャワー浴びてて」と言ってPCに向き合った。
さすがにそれを邪魔する櫂斗ではないから、素直にバスルームに消え。
朋樹が集中してキーボードをカタカタゆわせていたわけだが。
「俺がトモさんのシュクダイ、見張っててやる」
櫂斗の部屋でされていたことを、逆にするというわけで。後ろからハグしながら背中に頬を押し当てる。
「見えてない、見えてない」朋樹が笑う。
朋樹の背中の方が大きいから、もはや何をやっているのかわからない状態で。
「櫂斗、もちょっとだけ待って。コレ終わって瀬川にメールしたら、相手してやるから」
「ん」
頷くけれど、この体勢をやめるつもりはないようで。
仕方がないから、そのまま作業を続ける。
ほぼほぼ日中で終わらせているから、あとは締めだけ。
ざっと全文読み直しして、ばしっと決めると保存して、瀬川にメール送信。
「おし、終わり」の一言を聞いて、櫂斗はマウスを握る朋樹の手の上に自分の手を載せた。
「うー、俺んが小っちゃいのが、悔しい」
「は?」
「こーやって、ぎゅうってして、で、俺がトモさん包み込んでー、抱きしめてー、ってゆーのやりたいのに。俺んが小っちゃいから、全然カッコつかねーんだもん」
背後から抱きしめるというよりは抱きつく、という状態になる体格差に櫂斗が拗ねるから。
「じゃあ、俺が櫂斗みたく、ここでそっち向いてあげたらいい?」
言って、最初のキスの再現を逆バージョンで。
ちゅ、と軽くキスしたら、二人しておかしくなって笑えて来た。
「も、いいからあっち、行こ」
朋樹が立ち上がって、いつものように櫂斗を横抱きにして、ベッドに連れて行く。
「もお。俺、早くおっきくなりたい」
「まだ成長する? そんなもんなんじゃないの?」
「トモさんしつれーだなー。俺、こう見えて夜中時々関節ギシギシゆってるからね? まだまだこれから背、伸びるんだからね!」
「はいはい」
ベッドに降ろした途端、櫂斗はむくっと上体を起こして朋樹を押し倒す。
「……えっと?」
そーゆープレイ、ですか? と下から櫂斗を見上げる。
「俺、トモさんのこと襲うから、今から」
「ええー、どゆこと?」
「今日はね、俺がタチになんの。トモさん、大人しく俺にヤられて」
ニヤリと嗤うと上からキス。朋樹の両手をベッドに抑えつけ、組み敷くように覆い被さった。
そのまま、首筋にキスを降らせ、スウェットの中に手を入れる。
綺麗な腹筋を撫で、乳首を愛撫する。
されるがままの朋樹は、どうやって反撃しようか考えながらも、とりあえずはその感触を愉しんでいる。
だって。絶対に最終的には形勢逆転させるから。
櫂斗には悪いけれど、自分はそっちは絶対に無理だと思うし。
櫂斗のキスは腹筋を辿り、段々下腹部へ。
そして下着を脱がせて、既に勃起しているモノが勢いよく顔を出すと、それを口に含んだ。
「うわ! ちょ、櫂斗!」
慌てて身を捩ると、
「いいから。俺、こないだ動画で見た。口ですんの。やってみるから」
なんてとんでもなくエロい目で言うから
「ちょ、ま、待って! 俺、まだ風呂入ってねーし!」流されそうになった自分のことも制する。
名前を呼んで、櫂斗が椅子の後ろに無理矢理座り込んできた。
「おい」
PCの前でレポート作成画面を開いていた朋樹は、そのせいで前に押しやられ、画面に突っ込みそうになる。
いつものようにバイトを終えた土曜日。
当たり前に朋樹の部屋に泊まる櫂斗に、
「ちょっと、先にどうしても瀬川に投げとかないといけないレポートがあるから、先にシャワー浴びてて」と言ってPCに向き合った。
さすがにそれを邪魔する櫂斗ではないから、素直にバスルームに消え。
朋樹が集中してキーボードをカタカタゆわせていたわけだが。
「俺がトモさんのシュクダイ、見張っててやる」
櫂斗の部屋でされていたことを、逆にするというわけで。後ろからハグしながら背中に頬を押し当てる。
「見えてない、見えてない」朋樹が笑う。
朋樹の背中の方が大きいから、もはや何をやっているのかわからない状態で。
「櫂斗、もちょっとだけ待って。コレ終わって瀬川にメールしたら、相手してやるから」
「ん」
頷くけれど、この体勢をやめるつもりはないようで。
仕方がないから、そのまま作業を続ける。
ほぼほぼ日中で終わらせているから、あとは締めだけ。
ざっと全文読み直しして、ばしっと決めると保存して、瀬川にメール送信。
「おし、終わり」の一言を聞いて、櫂斗はマウスを握る朋樹の手の上に自分の手を載せた。
「うー、俺んが小っちゃいのが、悔しい」
「は?」
「こーやって、ぎゅうってして、で、俺がトモさん包み込んでー、抱きしめてー、ってゆーのやりたいのに。俺んが小っちゃいから、全然カッコつかねーんだもん」
背後から抱きしめるというよりは抱きつく、という状態になる体格差に櫂斗が拗ねるから。
「じゃあ、俺が櫂斗みたく、ここでそっち向いてあげたらいい?」
言って、最初のキスの再現を逆バージョンで。
ちゅ、と軽くキスしたら、二人しておかしくなって笑えて来た。
「も、いいからあっち、行こ」
朋樹が立ち上がって、いつものように櫂斗を横抱きにして、ベッドに連れて行く。
「もお。俺、早くおっきくなりたい」
「まだ成長する? そんなもんなんじゃないの?」
「トモさんしつれーだなー。俺、こう見えて夜中時々関節ギシギシゆってるからね? まだまだこれから背、伸びるんだからね!」
「はいはい」
ベッドに降ろした途端、櫂斗はむくっと上体を起こして朋樹を押し倒す。
「……えっと?」
そーゆープレイ、ですか? と下から櫂斗を見上げる。
「俺、トモさんのこと襲うから、今から」
「ええー、どゆこと?」
「今日はね、俺がタチになんの。トモさん、大人しく俺にヤられて」
ニヤリと嗤うと上からキス。朋樹の両手をベッドに抑えつけ、組み敷くように覆い被さった。
そのまま、首筋にキスを降らせ、スウェットの中に手を入れる。
綺麗な腹筋を撫で、乳首を愛撫する。
されるがままの朋樹は、どうやって反撃しようか考えながらも、とりあえずはその感触を愉しんでいる。
だって。絶対に最終的には形勢逆転させるから。
櫂斗には悪いけれど、自分はそっちは絶対に無理だと思うし。
櫂斗のキスは腹筋を辿り、段々下腹部へ。
そして下着を脱がせて、既に勃起しているモノが勢いよく顔を出すと、それを口に含んだ。
「うわ! ちょ、櫂斗!」
慌てて身を捩ると、
「いいから。俺、こないだ動画で見た。口ですんの。やってみるから」
なんてとんでもなくエロい目で言うから
「ちょ、ま、待って! 俺、まだ風呂入ってねーし!」流されそうになった自分のことも制する。
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