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「もお……櫂斗……おまえ、カッコ良すぎだろ?」
「え?」
朋樹が項垂れて、そんな櫂斗をそっと抱きしめる。
「俺だって、櫂斗のこと、大好きだよ? でも、なんか俺、いろんなこと全然しっかりしてないからさ。自分の誕生日だって、何とも思ってなかったけど、まさかの櫂斗の誕生日についても全然頭に入ってなくて……情けないことこの上ない、ってヤツじゃん」
悔しいけれど、本当に敵わないと思う。
この小さな天使は、こっちの気持ちの遥か上から愛情を降り注いでくれるから。
何も、できない。何も、してやれない。
「俺、櫂斗から貰ってばっかだよ……」
呟くのを、櫂斗がぷ、と膨れてその頬を抓る。
「痛い」
「うん。だって怒ってるもん」
「え?」
「情けないとか、ゆーなよ。俺のトモさんは世界一可愛いけど、世界一イイ男なんだよ? 俺が欲しいもの、全部くれてるんだから」
「櫂斗……」
「いつだって、俺の一番はトモさんで、そのトモさんが俺のことぎゅってしてくれるだろ? 見てるだけでいいって思ってた頃には、あり得なかった今がある。俺、もうそれだけでいいんだ」
今度はふわふわな笑顔を見せてくれて。
「今のまんまで、いんだ。トモさんはそのまま、かーわいいふわっふわなトモさんでいてくれたらいい」
「だから。いつも言ってるけど、可愛いのは俺じゃなくて櫂斗の方だから」
「んふ。ゆっとくけど、俺、見た目ほど可愛くないからね? どうやってトモさん俺だけのモノにしとくか、いつだって策略張り巡らしてっから」
イタズラっ子な、ちょっと悪い目をして。
くるくる変わる表情を見せつけて、こっちを完全に虜にして。
天使の姿をしたこの可愛い小悪魔に完全に取り憑かれた朋樹としては、もうこれから先どんな姿を見せられようとも離れられなくなっているわけだけど。
ただ、これだけは自分の中で誓う。
いろんな表情を見たいけれど、ただ一つ、哀しみの表情だけは見たくないと。
勿論自分以外の人間が、櫂斗に哀しみという感情を与えてしまうかもしれない。でも、そんな時は全力でそれを打ち消してやりたいし、自分だけは間違ってもそんな思いさせたくない。
いつだって、笑っていて欲しい。
それだけは、本気で願う。
「櫂斗……俺はずっと傍にいるよ。櫂斗だけの俺として、ずっとこうやって櫂斗のこと離さないから」
「もお。トモさんずるい」
激アマ発言なのに、ぷく、とふくれっ面を見せるから。
「あのさ櫂斗。ちょいちょい俺の予想を裏切る反応するよね?」
苦笑してしまう。
「だって、イケメントモさん発動して、俺がカッコ付けたいトコかっさらうんだもん。そんなんされたら俺、トモさんには敵わない」
「なんだよそれ……ほんと、人のことを褒めたいのかディスりたいのか」
「だって! だってさ俺、ほんとはちゃんと言いたいこと、あんだよ? でも、トモさんがイケメン発言したら俺、言えねーじゃん」
「何言うつもりなんだよ?」
その問いに、櫂斗は朋樹の腕を自分から引き剥がすと正面から向き直る。
「俺は一生トモさんのこと護るし、トモさんのこと幸せにする!」
両手をぎゅ、と握りしめて真剣な目をして宣言して。
「へ?」
「あ、これ半分プロポーズだから」
「は?」
「広香、結婚したじゃん? でも就職するまで結婚すんの待ってたじゃん? 俺、就職するまでつったらあと何年もかかっちゃうじゃん」
「まあ、高校生だし?」
「だから、予約! 完全に、もう俺が唾つけたから」
言いながら、本当に朋樹の首筋をペロっと舐めて。
「櫂斗、おまえ、それ……比喩表現だろ」
「うっさい。とにかく、これは俺のだから。絶対誰にも譲らねーもん」
「もお……やっぱり一番可愛いのは櫂斗じゃん」
抱きしめて、キスして。
もうあと他に何をしたら伝えられるだろうか。
言葉でいくらでも“愛してる”と囁いても、朝まで抱き潰しても、足りないくらい櫂斗が好きで堪らない。
自分は何も持っていなくて、どっか抜けていてどうやっても頼りなくて。
見た目は“カッコイイ”って言われることは確かにあるけれど、中身なんてスッカスカで。
何やっても空回りする自分を、自分こそが好きじゃなかったけれど。
櫂斗は。
櫂斗だけは。
この、今のまんまの自分を好きだと言ってくれて。
どれだけ男前なコなんだか。
この細い体で全力でぶつかってきてくれて。
小さいくせにめちゃくちゃ器デカいし中身パンパンに詰まってる。
そして“一生護る”なんて、まるで物語のヒーローな発言をして腕の中に収まってくれる。
なんだこれ?
ハタチ越えて一回目の誕生日。
何てプレゼントを貰ったんだろう。
こんなに素敵なプレゼント、世界中どこを探したって他にない。絶対に、ない。
唯一無二で、最上級の誕生日プレゼント。
「櫂斗」
名前を呼んだ。
熱い気持ちが昂り過ぎて、掠れていたけれど。
その声に「ん?」って目をきゅるんと輝かせてくれて。
「櫂斗」
何も言えない。好き、も愛してる、も、なんか足りない。だから、どうやって伝えたらいいか悩んでる。
そんなこっちの気持ちだって、きっと櫂斗は全部わかってて。
だから。
「んふ。ありがと、トモさん」
ちゅ、と頬にキスして返事をくれた。
「え?」
朋樹が項垂れて、そんな櫂斗をそっと抱きしめる。
「俺だって、櫂斗のこと、大好きだよ? でも、なんか俺、いろんなこと全然しっかりしてないからさ。自分の誕生日だって、何とも思ってなかったけど、まさかの櫂斗の誕生日についても全然頭に入ってなくて……情けないことこの上ない、ってヤツじゃん」
悔しいけれど、本当に敵わないと思う。
この小さな天使は、こっちの気持ちの遥か上から愛情を降り注いでくれるから。
何も、できない。何も、してやれない。
「俺、櫂斗から貰ってばっかだよ……」
呟くのを、櫂斗がぷ、と膨れてその頬を抓る。
「痛い」
「うん。だって怒ってるもん」
「え?」
「情けないとか、ゆーなよ。俺のトモさんは世界一可愛いけど、世界一イイ男なんだよ? 俺が欲しいもの、全部くれてるんだから」
「櫂斗……」
「いつだって、俺の一番はトモさんで、そのトモさんが俺のことぎゅってしてくれるだろ? 見てるだけでいいって思ってた頃には、あり得なかった今がある。俺、もうそれだけでいいんだ」
今度はふわふわな笑顔を見せてくれて。
「今のまんまで、いんだ。トモさんはそのまま、かーわいいふわっふわなトモさんでいてくれたらいい」
「だから。いつも言ってるけど、可愛いのは俺じゃなくて櫂斗の方だから」
「んふ。ゆっとくけど、俺、見た目ほど可愛くないからね? どうやってトモさん俺だけのモノにしとくか、いつだって策略張り巡らしてっから」
イタズラっ子な、ちょっと悪い目をして。
くるくる変わる表情を見せつけて、こっちを完全に虜にして。
天使の姿をしたこの可愛い小悪魔に完全に取り憑かれた朋樹としては、もうこれから先どんな姿を見せられようとも離れられなくなっているわけだけど。
ただ、これだけは自分の中で誓う。
いろんな表情を見たいけれど、ただ一つ、哀しみの表情だけは見たくないと。
勿論自分以外の人間が、櫂斗に哀しみという感情を与えてしまうかもしれない。でも、そんな時は全力でそれを打ち消してやりたいし、自分だけは間違ってもそんな思いさせたくない。
いつだって、笑っていて欲しい。
それだけは、本気で願う。
「櫂斗……俺はずっと傍にいるよ。櫂斗だけの俺として、ずっとこうやって櫂斗のこと離さないから」
「もお。トモさんずるい」
激アマ発言なのに、ぷく、とふくれっ面を見せるから。
「あのさ櫂斗。ちょいちょい俺の予想を裏切る反応するよね?」
苦笑してしまう。
「だって、イケメントモさん発動して、俺がカッコ付けたいトコかっさらうんだもん。そんなんされたら俺、トモさんには敵わない」
「なんだよそれ……ほんと、人のことを褒めたいのかディスりたいのか」
「だって! だってさ俺、ほんとはちゃんと言いたいこと、あんだよ? でも、トモさんがイケメン発言したら俺、言えねーじゃん」
「何言うつもりなんだよ?」
その問いに、櫂斗は朋樹の腕を自分から引き剥がすと正面から向き直る。
「俺は一生トモさんのこと護るし、トモさんのこと幸せにする!」
両手をぎゅ、と握りしめて真剣な目をして宣言して。
「へ?」
「あ、これ半分プロポーズだから」
「は?」
「広香、結婚したじゃん? でも就職するまで結婚すんの待ってたじゃん? 俺、就職するまでつったらあと何年もかかっちゃうじゃん」
「まあ、高校生だし?」
「だから、予約! 完全に、もう俺が唾つけたから」
言いながら、本当に朋樹の首筋をペロっと舐めて。
「櫂斗、おまえ、それ……比喩表現だろ」
「うっさい。とにかく、これは俺のだから。絶対誰にも譲らねーもん」
「もお……やっぱり一番可愛いのは櫂斗じゃん」
抱きしめて、キスして。
もうあと他に何をしたら伝えられるだろうか。
言葉でいくらでも“愛してる”と囁いても、朝まで抱き潰しても、足りないくらい櫂斗が好きで堪らない。
自分は何も持っていなくて、どっか抜けていてどうやっても頼りなくて。
見た目は“カッコイイ”って言われることは確かにあるけれど、中身なんてスッカスカで。
何やっても空回りする自分を、自分こそが好きじゃなかったけれど。
櫂斗は。
櫂斗だけは。
この、今のまんまの自分を好きだと言ってくれて。
どれだけ男前なコなんだか。
この細い体で全力でぶつかってきてくれて。
小さいくせにめちゃくちゃ器デカいし中身パンパンに詰まってる。
そして“一生護る”なんて、まるで物語のヒーローな発言をして腕の中に収まってくれる。
なんだこれ?
ハタチ越えて一回目の誕生日。
何てプレゼントを貰ったんだろう。
こんなに素敵なプレゼント、世界中どこを探したって他にない。絶対に、ない。
唯一無二で、最上級の誕生日プレゼント。
「櫂斗」
名前を呼んだ。
熱い気持ちが昂り過ぎて、掠れていたけれど。
その声に「ん?」って目をきゅるんと輝かせてくれて。
「櫂斗」
何も言えない。好き、も愛してる、も、なんか足りない。だから、どうやって伝えたらいいか悩んでる。
そんなこっちの気持ちだって、きっと櫂斗は全部わかってて。
だから。
「んふ。ありがと、トモさん」
ちゅ、と頬にキスして返事をくれた。
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