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アーサーが変なことを言う
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翌日、アーサーと一緒に教室へ入ると前日とは全く様子が違っていた。サマンサはすでに言いふらしてしまったんだろう。
男子はいつも通り興味なさそうにしてたけど、女子達は遠目から観察するように私たちを見ていた。時おり「こうなると思った」とか「嘘つき」とか聞こえてくる。私は聞こえないふりをした。学校でどんな目に会おうが夜にはふかふかのベッドで眠れるのだ。我慢、ガマン。
休憩時間になるたびに、アーサーは私にぴったりと寄り添うように椅子を隣に置いた。私たちは一つの机で一冊の本を読んでいたので、自然とアーサーと私の頭はくっ付いた。金と赤茶色の髪の毛が混ざっている。
ちょっと近すぎじゃないの、とアーサーの顔を見ると、彼は微笑んで私の頬にキスをした。教室内にきゃーという悲鳴が上がり、隣のクラスから何事かと覗きに来る子までいた。私は少し恥ずかしかった。
アーサーに頬キスされようと、私にとっては弟がお姉ちゃんにキスしてるぐらいにしか感じない。だけどここまで大騒ぎされたら見せ物にでもなったみたいだ。まあ実際に見せ付けるためにこういう事をしてる訳だけど。
私たちが手を繋いで廊下を歩こうものなら、通りすがりに「あれが?」、「あんなのが」と聞こえよがしに言われたりする。
女子達が大騒ぎするのが楽しいのか、男子の中にも私たちを見に来る人が出てきてしまった。噂ってたった一日でこんなに広がるものなんだ。私は妙なことに感心していた。
また誰かに呼び出されるかなと心配だったけど、数週間たっても誰も何も言ってこなかった。サマンサがちゃんと「アーサー君から告白した」という事実を伝えたからだろう。その点はありがたいと思う。
ありがたいけど、次に面倒ごとを引き起こしたのもまたサマンサだった。
彼女は私たちが仲良く本を読んでいる時に言ったのだ。
「なぁんか怪しいわ。あなた達って本当にお付き合いしてるの?」
「……してるよ。見たら分かるでしょ」
これ以上面倒なことを起こさないでよ、と私はサマンサを睨みつける。サマンサはアーサーと恋人になりたい訳ではなく、ただ暇つぶしをしたいだけなのだ。田舎には刺激が少ないから退屈してるんだろう。
「だってアーサー君はリヴィにキスしたりするけど、リヴィからはしてないよね。って言うか反応薄いわよ、あなた」
「……」
痛いところを突かれて私は黙り込んだ。アーサーのキスなんて弟にされてる様なもんよ、と思っている事がバレてはマズい。隣に座るアーサーからも無言の圧力を感じる。
仕方なく私はアーサーの頬にキスをした。彼の白い頬はすべすべしていて肌触りがよかった。アーサーも私にキスを返したので、遠目からはお互いに好き合っているように見えたはずだ。恨みがましい視線は感じたけど。
サマンサは私たちで時間つぶし出来て満足したのか隣のクラスに戻っていった。もう二度と来ないで欲しい。
「リヴィ。このままだとマズいと思う」
帰り道、二人きりになった時にアーサーが言った。一年生のロイクは授業が早く終わるので一緒に帰ることはまずない。アーサーと二人で作戦会議するにはちょうど良かった。
「マズいってどうして? 今日はちゃんとキスしてるとこを見せびらかしたじゃない」
「サマンサは歩く拡声器みたいなものだ。明日には変な噂が広がっているかもしれないし対策を練ろう」
「う、うん……いいけど」
「学校の中庭に噴水があるだろ」
「噴水がどうかしたの?」
「あの辺りは昼休みになると大勢の学生たちが集まる。あそこでキスをしよう。唇のキスを」
「ええ!! 本気で言ってるの!?」
唇にするキスなんて、もう親相手にもやってない。あんなのは小さい子がやる事だから。
「何も本当にしなくてもいいんだ。鼻が付くぐらい近づけばしてるように見えるだろ?」
「…うん……」
確かに角度によってはキスしてるように見えるだろうけど、あんまり気は進まないな……。
いくらベッドの為とは言え、偽の恋人なんて簡単に引き受けるべきじゃなかった。まさかキスの振りまでするハメになるなんて。
男子はいつも通り興味なさそうにしてたけど、女子達は遠目から観察するように私たちを見ていた。時おり「こうなると思った」とか「嘘つき」とか聞こえてくる。私は聞こえないふりをした。学校でどんな目に会おうが夜にはふかふかのベッドで眠れるのだ。我慢、ガマン。
休憩時間になるたびに、アーサーは私にぴったりと寄り添うように椅子を隣に置いた。私たちは一つの机で一冊の本を読んでいたので、自然とアーサーと私の頭はくっ付いた。金と赤茶色の髪の毛が混ざっている。
ちょっと近すぎじゃないの、とアーサーの顔を見ると、彼は微笑んで私の頬にキスをした。教室内にきゃーという悲鳴が上がり、隣のクラスから何事かと覗きに来る子までいた。私は少し恥ずかしかった。
アーサーに頬キスされようと、私にとっては弟がお姉ちゃんにキスしてるぐらいにしか感じない。だけどここまで大騒ぎされたら見せ物にでもなったみたいだ。まあ実際に見せ付けるためにこういう事をしてる訳だけど。
私たちが手を繋いで廊下を歩こうものなら、通りすがりに「あれが?」、「あんなのが」と聞こえよがしに言われたりする。
女子達が大騒ぎするのが楽しいのか、男子の中にも私たちを見に来る人が出てきてしまった。噂ってたった一日でこんなに広がるものなんだ。私は妙なことに感心していた。
また誰かに呼び出されるかなと心配だったけど、数週間たっても誰も何も言ってこなかった。サマンサがちゃんと「アーサー君から告白した」という事実を伝えたからだろう。その点はありがたいと思う。
ありがたいけど、次に面倒ごとを引き起こしたのもまたサマンサだった。
彼女は私たちが仲良く本を読んでいる時に言ったのだ。
「なぁんか怪しいわ。あなた達って本当にお付き合いしてるの?」
「……してるよ。見たら分かるでしょ」
これ以上面倒なことを起こさないでよ、と私はサマンサを睨みつける。サマンサはアーサーと恋人になりたい訳ではなく、ただ暇つぶしをしたいだけなのだ。田舎には刺激が少ないから退屈してるんだろう。
「だってアーサー君はリヴィにキスしたりするけど、リヴィからはしてないよね。って言うか反応薄いわよ、あなた」
「……」
痛いところを突かれて私は黙り込んだ。アーサーのキスなんて弟にされてる様なもんよ、と思っている事がバレてはマズい。隣に座るアーサーからも無言の圧力を感じる。
仕方なく私はアーサーの頬にキスをした。彼の白い頬はすべすべしていて肌触りがよかった。アーサーも私にキスを返したので、遠目からはお互いに好き合っているように見えたはずだ。恨みがましい視線は感じたけど。
サマンサは私たちで時間つぶし出来て満足したのか隣のクラスに戻っていった。もう二度と来ないで欲しい。
「リヴィ。このままだとマズいと思う」
帰り道、二人きりになった時にアーサーが言った。一年生のロイクは授業が早く終わるので一緒に帰ることはまずない。アーサーと二人で作戦会議するにはちょうど良かった。
「マズいってどうして? 今日はちゃんとキスしてるとこを見せびらかしたじゃない」
「サマンサは歩く拡声器みたいなものだ。明日には変な噂が広がっているかもしれないし対策を練ろう」
「う、うん……いいけど」
「学校の中庭に噴水があるだろ」
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「ええ!! 本気で言ってるの!?」
唇にするキスなんて、もう親相手にもやってない。あんなのは小さい子がやる事だから。
「何も本当にしなくてもいいんだ。鼻が付くぐらい近づけばしてるように見えるだろ?」
「…うん……」
確かに角度によってはキスしてるように見えるだろうけど、あんまり気は進まないな……。
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