聖騎士ですがゲイビデオ出演がバレて追放されました

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落

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プロローグ デジタルタトゥーから始まる異世界生活

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 王城の広い謁見の間。
 中央に置かれた魔法の玉から、強い光が発せられた。

 空中に、大きな光のスクリーンができる。
 大きな寝椅子が、中央に映っていた。
 音声も入っているようで、ガサガサという音がする。

 玉座の国王、その横の宰相、カーペットの両側で壁を作る騎士たちが、真剣な顔で見守っている。
 まもなく映像に動きがあった。
 寝椅子に、ボクサーブリーフ一枚だけを履いた、短髪の若い男が座ったのである。

 その男は、見事な体をしていた。
 盛り上がった僧帽筋や大胸筋。引き締まった腹筋は見事に割れていた。
 が、それとは違う理由で、謁見の間の空気がざわつく。

『じゃあ、身長と体重を教えてくれるかな』
『百八十センチ、八十キロです!』
『いい体だねー。何かスポーツやってたの?』
『アメフトやってました!』

 画面に映っていないところから飛んでくる男声の質問。
 その若い男は次々と答えていく。爽やかな、笑顔とともに。

 そして一通り質問が終わると、画面内にもう一人、筋肉質な男が入ってきた。
 同じくブリーフ一枚ではあるが、目にはゴーグルを着けている。

『じゃあさっそく始めようか』

 ゴーグルの男はそう言うと、寝椅子の若い男の股間に手を這わせ始めた。
 しばらく、ねっとりとブリーフ越しに触る。
 すると、次第に若い男の表情はとろけ、ハァハァと息が荒くなっていった。

 今度は空気がざわつくだけではない。
 控えている騎士たちからと思われる声が、謁見の間に聞こえ始めてきた。

 動画は続く。
 ゴーグルの男が若い男のブリーフを脱がせ、露出した陰茎が空中のスクリーンにアップで映し出される。

『アーッ!!』

 さらに動画が進み、あえぎ声が広い謁見の間に響き渡ると、謁見の間は騒然となった。






 映像は最後まで流れた。

 終わるころには、謁見の間には静寂が戻っていた。
 いや、ただの静寂と呼ぶにはあまりにも冷たい空気が漂っていた。

「髪型は違うようだが、今の男はどう見てもそなただ。何か言い訳があれば聞こうか」

 冷たい宰相の声。
 それはカーペットの上で片膝をついている男、聖騎士テンマに向けられたものだった。
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