つれづれに。

惟奏夢

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ショートストーリー  一話完結

一目惚れ

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「一目惚れ」なんて漫画の世界だと思っていた。

自分の後頭部をハンマーで殴られたような。
心臓を弓矢で打ち抜かれたような。
体験したことがない衝撃に襲われた。

「胸のときめき」とか、汚れきった自分でも体験する事になるだなんて。

くるしい。
いたい。
きつい。

「恋に薬なんてない」って誰が言ったんだろうか。

衝撃と、打撃と。
そして愛を囁くその口元。

「やっと君を手に入れた」

知らない歪んだ口元からその言葉が出たところで私の記憶は閉ざされた。

「これで君は僕だけのモノ」
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