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幕間の物語4 予知の少女ミリア
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ミリアは兄と二人で暮らしていた。
兄は建築家を目指しており設計事務所で見習いとして働き、ミリアは看護師のアルバイトをしていた。
それぞれ共に両親が働いていた職種ではあったが、二人とは既に死別しており、親が残した郊外の家に住んでいた。
ミリアには特別な力があった、それは「予知夢」という力だ。
その内容はとても断片的なイメージなのだが、時にはそのおかげで命が助かった時もあった。
ある日、兄にいつものバスに乗るのを止めて、一本後のに乗る様に言った。
乗る予定のバスは事故に遭い大破、乗客は全員死亡した。
ご近所の人々にも予言をしたことがり、それが噂として広まってしまった。
兄はもうその力は使うわない様にと釘を刺した。
ある時を境に悪夢を見ることなる。
その内容は、兄とは離れ離れになり、ミリアが檻に入れ閉じ込められるというものだった。
回避策は無いのかと聞いても、無いと答えるミリア、だけけれども光はある、ある者が私たちを助けてくれると答えた。
兄に「ある言葉」を覚えておいてと、それを伝えていた。
妹思いで心配性の兄は家の警備を強化した。
家の中には武器も用意した。
しかしその日はやってきた。
武装した何十人もの人間が、二人の家を強襲したのだ。
ミリアはあっさりと捕まり人質となった事で兄は抵抗ができなくなり大人しく降伏した。
兄妹は別々の施設に送られた。
ミリアはある施設に連れていかれ、頭にたくさんのチューブが繋げられた。
ヘルメットの様なものを被らされ、カプセル状のベットに寝かされ蓋を閉められた。
これが予知で見た檻かとミリアは思った。
変な注射を打たれて意識があるが身体は動かせない状態を保たれた。
自分でも起きているのか寝ているのかわからない状態だ。
どうやら自分の見ている予知夢を投影するの装置につながれているらしかった。
それから、ミリアはただ予知夢を生み出すための装置となった。
身動きはとれず、ただひたすら自分のビジョンを伝えるだけの日々が続いた。
そのうち自分を保てずに、自我を失いそうになる。
そんな時、何者かがミリアに話しかけて来た。頭の中に直接。
セバスチャンと名乗るその人物は、ミリア同様に施設に捕らえられた
「テレパシー」という能力があり、離れた人とも意識の中で会話ができた。
ミリアはセバスチャンとの日々の会話で何とか自分を保つ事が出来た。
次第にお互いの身の上を話す様になった。
セバスチャンはある家に使える執事だった。
戦争に寄り身よりを失った所を、ある富豪の夫婦にやとわれたのだ。
セバスチャンは会話をせずともこの夫婦の考えが分かり、日々従事した。
言わなくとも思いを理解し生活のサポートをするこの執事を特に気に入っていた。
例えば、紅茶を飲みたいと思った時には、そう伝える前に紅茶のセットをもって来るのだ。
この老紳士はセバスチャンの事を大層気に入り、社交界などの場で自慢をして回ってしまった。
「私の執事はまるで超能力者の様に、私の考えを読み取り動いてくれる」
周りの人間たちは冗談であると思っていたが、中には冗談とはとらえなかった者たちがいた。
その者たちによりセバスチャンは捕らえられ、抵抗する老夫婦はその場で射殺された。
家族に続き従事していた老夫婦までも失い、絶望の中で施設に送られた。
この能力で他に捕らえられた人間たちと会話を試みたが、既に心を壊した者たちばかりだった。
そんな中、あるミリアと出会った。
セバスチャン老い先短い我が身ではるとは理解していた。
しかし、このミリアだけは助けてから死のうと考えていた。
その決意を知らぬままミリアは今日もセバスチャンとの会話を続けている。
ある日、ミリアはセバスチャンに言った。いつもとは違ってうれしそうに。
「もうすぐです、セバスチャン。もうすぐ彼がやって来てくれます」
兄は建築家を目指しており設計事務所で見習いとして働き、ミリアは看護師のアルバイトをしていた。
それぞれ共に両親が働いていた職種ではあったが、二人とは既に死別しており、親が残した郊外の家に住んでいた。
ミリアには特別な力があった、それは「予知夢」という力だ。
その内容はとても断片的なイメージなのだが、時にはそのおかげで命が助かった時もあった。
ある日、兄にいつものバスに乗るのを止めて、一本後のに乗る様に言った。
乗る予定のバスは事故に遭い大破、乗客は全員死亡した。
ご近所の人々にも予言をしたことがり、それが噂として広まってしまった。
兄はもうその力は使うわない様にと釘を刺した。
ある時を境に悪夢を見ることなる。
その内容は、兄とは離れ離れになり、ミリアが檻に入れ閉じ込められるというものだった。
回避策は無いのかと聞いても、無いと答えるミリア、だけけれども光はある、ある者が私たちを助けてくれると答えた。
兄に「ある言葉」を覚えておいてと、それを伝えていた。
妹思いで心配性の兄は家の警備を強化した。
家の中には武器も用意した。
しかしその日はやってきた。
武装した何十人もの人間が、二人の家を強襲したのだ。
ミリアはあっさりと捕まり人質となった事で兄は抵抗ができなくなり大人しく降伏した。
兄妹は別々の施設に送られた。
ミリアはある施設に連れていかれ、頭にたくさんのチューブが繋げられた。
ヘルメットの様なものを被らされ、カプセル状のベットに寝かされ蓋を閉められた。
これが予知で見た檻かとミリアは思った。
変な注射を打たれて意識があるが身体は動かせない状態を保たれた。
自分でも起きているのか寝ているのかわからない状態だ。
どうやら自分の見ている予知夢を投影するの装置につながれているらしかった。
それから、ミリアはただ予知夢を生み出すための装置となった。
身動きはとれず、ただひたすら自分のビジョンを伝えるだけの日々が続いた。
そのうち自分を保てずに、自我を失いそうになる。
そんな時、何者かがミリアに話しかけて来た。頭の中に直接。
セバスチャンと名乗るその人物は、ミリア同様に施設に捕らえられた
「テレパシー」という能力があり、離れた人とも意識の中で会話ができた。
ミリアはセバスチャンとの日々の会話で何とか自分を保つ事が出来た。
次第にお互いの身の上を話す様になった。
セバスチャンはある家に使える執事だった。
戦争に寄り身よりを失った所を、ある富豪の夫婦にやとわれたのだ。
セバスチャンは会話をせずともこの夫婦の考えが分かり、日々従事した。
言わなくとも思いを理解し生活のサポートをするこの執事を特に気に入っていた。
例えば、紅茶を飲みたいと思った時には、そう伝える前に紅茶のセットをもって来るのだ。
この老紳士はセバスチャンの事を大層気に入り、社交界などの場で自慢をして回ってしまった。
「私の執事はまるで超能力者の様に、私の考えを読み取り動いてくれる」
周りの人間たちは冗談であると思っていたが、中には冗談とはとらえなかった者たちがいた。
その者たちによりセバスチャンは捕らえられ、抵抗する老夫婦はその場で射殺された。
家族に続き従事していた老夫婦までも失い、絶望の中で施設に送られた。
この能力で他に捕らえられた人間たちと会話を試みたが、既に心を壊した者たちばかりだった。
そんな中、あるミリアと出会った。
セバスチャン老い先短い我が身ではるとは理解していた。
しかし、このミリアだけは助けてから死のうと考えていた。
その決意を知らぬままミリアは今日もセバスチャンとの会話を続けている。
ある日、ミリアはセバスチャンに言った。いつもとは違ってうれしそうに。
「もうすぐです、セバスチャン。もうすぐ彼がやって来てくれます」
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