<竜騎傭兵> ナイン・スペード・ドラグドライブ

蒲生たかし

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第19話 ブラック・ジャケット

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「で
 聞きたい事って何?」
ナインとサイ
トムとクローバー
それにティジャーンの5人は
トムの店である
トラットリア・フィオーリに戻っていた

「お前の獅子竜傭兵団のメンバー
 全員と連絡が取れるのか」
「ほぼ取れれるよ
 誰と連絡を取りたいの?」

皆はカポナータと呼ばれる
この地方の伝統料理と
酒を飲みながら話している

トムも今日は店を閉めて
同席している

「いや
 連絡がとれない
 音信不通の連中の事を知りたい
 少なくとも3人はいるはずだ」
「うん
 20人くらいかな
 連絡がとれないの
 うちの団の連中みんなルーズだからニャ~」
「それで回していけるのかよ
 まぁそれはいいけど
 そいつらの居場所を突き詰める方法は無いのか?」
「あるよ
 仲介屋に聞けば
 どこらへんにいるかくらは分かると思う」

ナインはジュダの性格を考え
自らの痕跡を完全に消している奴の事だから
護衛に関しても
なるべく足のつかない連中を考えるはずだ

獅子竜は今現在
黒人たちが暮らすファラカ大陸にのみ
確認をされている新種のドラゴンであり
ナインにしても先日のレースで
ティジャーンとジンガのコンビを見ていなければ
何の種類か皆目見当もつかなっただろう

「よし
 明日その仲介屋の所に行くぞ
 どこにいる?」
「多分今頃は
 ランサースでバカンス中じゃないかな」


その夜
ナインたちはトムの店で一泊する事となった

ナインは屋上で一人
ビールを飲んでいた

そこにクローバーが登って来た

「ナイン
 アルマからイザナミの新皮が送られてきたよ
 また脱皮したんだってね」
「ああ
 2回目ね」
「アンタ用に
 新しいジャケット作ってくれって来たんだけど
 渡しちゃっていいのかい?」
「それなんだけど
 サイ用にリサイズできないかな
 成長期の余裕持たせて」
「あの子にか
 弟子思いなんだね」
「いや
 ただ命を守るためだ
 何を考えてるのか
 俺の周りを離れないから
 いつも危険と隣り合わせだ」
「タズの事を思い出すね
 いつもアンタに付いてまわってたっけ
 アニキアニキってさ」
「その話はしたくないんだ」
「分かったよ
 じゃあ明日の朝までに手直ししとくよ
 あと
 アルマにも私から言っておくから
「ありがとう
 クローバーさん」
「お代はしっかり頂くよ」
「ほんと
 トムさんと似てがめつくなったよね」
「何言ってんだい
 生きるためにはとにかく金がいるんだよ」


翌日の朝
「俺もついて行く」
ティジャーンがナインに同行すると言い出した
「は?
 なんでだよ」
「別に行く場所もないし
 ヴェンデッタの残党に狙われるかもしれないし」
「お前
 俺を虫除けに使おうとしてないか」
「そんな風には思ってないって
 金づる
 だと思ってるニャ」

銃声

「危ない!」
ティジャーンが間一髪よける
ナインがディジャーンの右足に向かって発砲した
「何するんだよ!」
「いや
 置いて行こうかと」
「だからって打つかよ普通!」
「いいじゃないですか師匠
 旅は多い方が楽しいですし」
「そうそう
 旅は道ずれってさ」

クローバーが黒いジャケットをもって出て来た
「はい
 サイさん」
「なんですか?」
サイは不思議そうにジャケットを受け取った
「お師匠さんとおそろいの防弾ジャケットだよ」
「ほんと!
 師匠いいんですか!」
「ああ
 さっさと着ろ
 もう行くぞ」
「はい!」

ジャケットを着ているサイに
クローバーは近づき
耳元で囁く様に聞く
「それで
 いつナインにあなたは女の子だって
 言うつもりなの?」
「え!」
サイは驚く
「あの調子だと
 ナインは気づいてないんでしょ」
「できれば
 しばらくはこのままで」
「そう
 でもちゃんと言わないとだめだよ
 一応ジャケットは胸周りは
 調整できるようにしてあるからね」
「お気遣いありがとうございます」
遠くでナインが怒鳴る
「おいさっさとしろ!」

トムがナインに近づき紙切れを渡す
「これが今回の明細」
「はいはい
 先生経由でちゃんと送金しときます
 じゃあトムさん
 また今度飯食いに来るよ」
「ああ
 ジュダの奴をやったら
 うちで皆で飯を食おう
 それと
 奴をやる時は
 無料で助太刀をしてやるから連絡しろ」
「その時はよろしくです」

旅の仲間が一人増え
ナインたちは竜列車で北上
ランサースへと向かった
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