15 / 101
原田くんは、変わっている人だ
子猫の話1
しおりを挟む
「さあ、今日は子猫の話をするよ」
そして今日も、二十名ほどが集まったところで、エレン先生のお話会は始まった。
「あ、べつに子猫じゃなくてもいいんだ。子犬でも子象でも子フェレットだっていいんだけど……でもやっぱり、子猫にしよう」
子猫も好き、エレン先生のことも好きなわたしだから、早速わくわくし始めた。
「ある雨の日のこと。一匹の子猫が歩いていました。ミャアミャアと鳴きながら、夜の小道でひっそりと」
かと思えば、突然始まる物語。
「そこに女の子が通りかかりました。雨に打たれて歩く子猫を可哀想だと思ったその女の子は、思わず子猫を拾い上げ、家へと連れて帰ります。子猫はミャアと鳴きました」
みんなは静かに聞いていた。
「家に帰ると、お母さんは怒りました。勝手に拾ってくるんじゃない、すぐに返してきなさいと。女の子は言いました。せめて雨がやむまで待ってほしい。こんな中、外に返すのは可哀想。だからお願い、雨がやむまでここで飼わせて。お母さんは困りましたが、仕方ないわねと言いました。結局雨がやんだのは三日後で、女の子と子猫は三日間、一緒に暮らすことができました。最後に笑ってお別れを言うと、子猫もミャアと鳴きました」
ちゃんちゃん、と物語は締めくくられた。少しの間をあけてから、エレン先生はみんなに聞く。
「この物語の感想を教えてくれる?」
そして今日も、二十名ほどが集まったところで、エレン先生のお話会は始まった。
「あ、べつに子猫じゃなくてもいいんだ。子犬でも子象でも子フェレットだっていいんだけど……でもやっぱり、子猫にしよう」
子猫も好き、エレン先生のことも好きなわたしだから、早速わくわくし始めた。
「ある雨の日のこと。一匹の子猫が歩いていました。ミャアミャアと鳴きながら、夜の小道でひっそりと」
かと思えば、突然始まる物語。
「そこに女の子が通りかかりました。雨に打たれて歩く子猫を可哀想だと思ったその女の子は、思わず子猫を拾い上げ、家へと連れて帰ります。子猫はミャアと鳴きました」
みんなは静かに聞いていた。
「家に帰ると、お母さんは怒りました。勝手に拾ってくるんじゃない、すぐに返してきなさいと。女の子は言いました。せめて雨がやむまで待ってほしい。こんな中、外に返すのは可哀想。だからお願い、雨がやむまでここで飼わせて。お母さんは困りましたが、仕方ないわねと言いました。結局雨がやんだのは三日後で、女の子と子猫は三日間、一緒に暮らすことができました。最後に笑ってお別れを言うと、子猫もミャアと鳴きました」
ちゃんちゃん、と物語は締めくくられた。少しの間をあけてから、エレン先生はみんなに聞く。
「この物語の感想を教えてくれる?」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる