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原田くんは、意地悪な人だ
原田くんとの思い出8
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「結果報告します!原田くんは、エレン先生の家を教えてくれる優しい人ではありませんでした!」
ここは美希ちゃんの部屋。ベッドにボンッと身を投じて嘆くわたしに、美希ちゃんはキャハハハと愉快に笑った。
「え、なんで!エレン先生の家知ってるのに!?そして瑠夏の気持ちも知ってるのに!?それなのに教えてくれないとか、原田翔平冷たすぎて笑えるんですけど!」
「笑えないよお~!」
「キャハハハ!」
わたしはごろんと寝返りをうつ。
「むしろちょっと早いけど、金曜日に学校で渡せって言われた~」
「まあ、それでもいいんじゃない?どうせその日も図書室行くだろうし、そこでこそっと渡せるじゃん」
「でもそれって、バレンタインデーじゃないじゃん……」
「バレンタインチョコですって言えば、バレンタインでしょ」
「でも、当日じゃない……」
「はあ?」
こだわりすぎ!とツッコんだ美希ちゃんは、少し考えてからこう言った。
「それじゃあ、エレン先生に直接聞きに行けば?お家どこですかーって」
「うーん、それしかないかあ。美希ちゃん、一緒について来てくれる?」
「うん、もちろんいいよ。ただ──」
そこで一度口を結んだ美希ちゃんは、ひと呼吸置いてから、再びその口を開いていた。
「ただ、本当にエレン先生でいいの?」
「へ?」
「他にもチョコ、あげたい人いない?」
エレン先生以外で、わたしがチョコをあげたい人。少し考えてみたけれど思いつかなかったから、「いない」と答えると。
「瑠夏はほーんと、自分の気持ちに鈍感だよねえっ」
と、なぜだか苦笑いされてしまった。
ここは美希ちゃんの部屋。ベッドにボンッと身を投じて嘆くわたしに、美希ちゃんはキャハハハと愉快に笑った。
「え、なんで!エレン先生の家知ってるのに!?そして瑠夏の気持ちも知ってるのに!?それなのに教えてくれないとか、原田翔平冷たすぎて笑えるんですけど!」
「笑えないよお~!」
「キャハハハ!」
わたしはごろんと寝返りをうつ。
「むしろちょっと早いけど、金曜日に学校で渡せって言われた~」
「まあ、それでもいいんじゃない?どうせその日も図書室行くだろうし、そこでこそっと渡せるじゃん」
「でもそれって、バレンタインデーじゃないじゃん……」
「バレンタインチョコですって言えば、バレンタインでしょ」
「でも、当日じゃない……」
「はあ?」
こだわりすぎ!とツッコんだ美希ちゃんは、少し考えてからこう言った。
「それじゃあ、エレン先生に直接聞きに行けば?お家どこですかーって」
「うーん、それしかないかあ。美希ちゃん、一緒について来てくれる?」
「うん、もちろんいいよ。ただ──」
そこで一度口を結んだ美希ちゃんは、ひと呼吸置いてから、再びその口を開いていた。
「ただ、本当にエレン先生でいいの?」
「へ?」
「他にもチョコ、あげたい人いない?」
エレン先生以外で、わたしがチョコをあげたい人。少し考えてみたけれど思いつかなかったから、「いない」と答えると。
「瑠夏はほーんと、自分の気持ちに鈍感だよねえっ」
と、なぜだか苦笑いされてしまった。
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