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原田くんは、赤信号みたいな人だ
ジョーカーの話5
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やるの時とできるの時に右拳。やらないの時とできないの時に左の拳を前に出した。
「それがどんなに難しいチャレンジだろうと、たった一パーセントしかない成功率の低いことだろうと、君たちが挑む時点では半分の確率になる。できるかできないか、そのどっちか。それはやってみないとわからない」
原田くんは、真剣な表情で聞いていた。何人かが、うんうん頷く。
「百回挑戦しても出来なかった逆上がり。百一回目は挑戦する?」
エレン先生は、頷かなかった生徒に聞いた。
「もう無理だと思って諦めちゃうかも」
「どうしてそう思うの?」
「だって百回も失敗したから」
「だけど一回目の君と百回目の君とでは、百回地面を蹴った君の方が成功に近い人間だろうね」
次の生徒に目を向ける。彼も頷かなかった生徒のひとり。
「千回転んだスキー教室。明日も挑む?」
「行かない、かな」
「どうして?」
「そんなに転んだら挫けちゃうよ」
「今の君が二本の足で歩けるのは、赤ちゃんの頃の君が何度も転んで頑張ったからだよ」
その言葉で、彼は顎に手をあてていた。
「見て」
そう言って、エレン先生は何かの紙を取り出した。
「これね、僕の漢字検定六級合格証書。賞状みたいでしょ」
「それがどんなに難しいチャレンジだろうと、たった一パーセントしかない成功率の低いことだろうと、君たちが挑む時点では半分の確率になる。できるかできないか、そのどっちか。それはやってみないとわからない」
原田くんは、真剣な表情で聞いていた。何人かが、うんうん頷く。
「百回挑戦しても出来なかった逆上がり。百一回目は挑戦する?」
エレン先生は、頷かなかった生徒に聞いた。
「もう無理だと思って諦めちゃうかも」
「どうしてそう思うの?」
「だって百回も失敗したから」
「だけど一回目の君と百回目の君とでは、百回地面を蹴った君の方が成功に近い人間だろうね」
次の生徒に目を向ける。彼も頷かなかった生徒のひとり。
「千回転んだスキー教室。明日も挑む?」
「行かない、かな」
「どうして?」
「そんなに転んだら挫けちゃうよ」
「今の君が二本の足で歩けるのは、赤ちゃんの頃の君が何度も転んで頑張ったからだよ」
その言葉で、彼は顎に手をあてていた。
「見て」
そう言って、エレン先生は何かの紙を取り出した。
「これね、僕の漢字検定六級合格証書。賞状みたいでしょ」
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