原田くんの赤信号

華子

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原田くんは、赤信号みたいな人だ

原田くんのことなんか1

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 エレン先生のお話会が終わり、生徒たちがそれぞれの教室へと戻っていく中、わたしと美希ちゃん、そして原田くんも席を立つ。

「ほら、ちょっとは調子出てきたでしょ?ジョーカーも唯一原田翔平だけ引けたことだし、いい加減元気出しなさいっ」

 原田くんを活気づけることで、わたしのテンションも上げようとしてくれている美希ちゃん。強気な美希ちゃんに、無愛想な「おう」で返した原田くんは、またもやわたしと目が合った。

 ドキドキドキドキ

 いつの間に、わたしは原田くんの前でこんなに速い鼓動を打つようになったのだろう。

 ドキドキドキドキ

 いつの間に、わたしはエレン先生の顔がどアップになる前列の席に座っても、平気になったんだろう。

 ドキドキドキドキ

 ねえ原田くん、最近わたしも、なんか変なんだ。わたしは四月からずっとエレン先生が好きってそのはずだったのに、原田くんで頭がいっぱいなの。

 高鳴る胸が静かになったのは、原田くんがそっぽを向いたから。原田くんはわたしのことなんか好きじゃない。それを身に染みて、落ち込んだ。
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