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亀裂
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家から出た俺は、一瞬心臓が止まったかと思うくらい驚いた。
「お前、なんでここに...」
そう呟く俺を見て、SANAEは不敵な笑みを浮かべた。
「そんなにニコニコして、どこに行くつもりだったの?
私とのLINEは返信1つも寄越さなかったのに...」
彼女は俺を小馬鹿にするように、
フフッ
と笑ってこう言った。
「まあいいわ。私よりも美しい女性なんていない...アンタがそう言ったんだからね。
だ か ら 、私よりもアンタを釘付けにする女なんていない。そうでしょ?」
俺は彼女の言っていることを、静かに聞くことしか出来なかった。
「彼女である私がいながら、他の女に目移りしちゃって。どういうことか分かる?」
「...どういうことだよ」
「世間には破局、なんて騒がれるでしょうね。
人気モデル『SANAE』と売れっ子俳優『成瀬翔』が別れて、一般人女性と同居をしてたなんて報じられたら、お互いの立場はどうなると思う?
恋愛ドラマなんて、しばらくは出れないでしょうね。」
「アンタに選択肢を あ・げ・る。
私と別れてあの女と関わりを持ち続ける。
もちろんこっちなら、事務所には連絡するわよ?『別れました』ってね。
それか、週刊誌の記者の前で私と キス
するか。
私はどっちでもいいの。
でも...お互い芸能界での居場所は必要、そうでしょ?」
紗綾の事を思い浮かべた。あの笑顔をもう見られなくなる?
それは絶対に嫌だ。馬鹿な俺にでも分かる、紗綾と関係を断ったら絶対に公開する...!
でも、芸能人である俺にとって、一番大事なのは『好感度』。今ここで芸能界での立場を無くしたら...
もう、どうしたらいいか分からなかった。
「俺は...」
俺が言葉を詰まらせていたとき、目の前のSANAEの顔が変わった。
最初は目を細めて、遠くを見た。
それから、何かを思いついたように、ニヤッと口角を上げて...最後に俺を見つめた。
「後ろ見て」
彼女の言葉通り振り向くと...
「さ、紗綾...?」
紗綾が俺の後ろにいた。
なんでここに?しかも、この性悪女と一緒にいるのを見られた?
そんなことを考えてるうちに、
俺の体はいつの間にかSANAEに引き寄せられていた。
Chu...
何が起こったか分からない。
俺はなんでいま奴に抱き寄せられているんだ?
なんでいま、キス...をしているんだ?
そして...目の前にはキスをする俺らと、それを呆然と見ている紗綾を激写するマスコミの姿があった。
「かけ...る?その人誰...?」
「いや、違うんだ、こいつはその...そ、そう!今度のドラマの練習で...」
「いーえ?
私は彼とお付き合いしてる、モデルの『SANAE』です。
たった今見たでしょ?
彼と私は公の場でキスをするような関係にある。あなたの出番は無い訳。さっさと帰って恋愛ドラマでも見てたら?
夢見てるままで良かったのにね、 一般人 。」
俺は黙って聞いてられなかった。
「違う!聞いて紗綾!
今のは無理矢理で、別にしようと思ったわけじゃ...」
俺が話してる間を割って、紗綾が口を開いた。
「そ、そうですよね...
私みたいな一般人が成瀬さんと関係を持つなんて、そんな夢みたいなの、有り得ないですよね。
お二人に迷惑をかけてしまっていたらすみませんでした。失礼します。」
そう言って、紗綾は自宅の方向に歩いていった。
「待って...!」
SANAEの手を振りほどいて、紗綾のところへ駆け寄り、腕を握った。
「おい、待てって!俺はそんな...」
振り向いた紗綾の目には、大粒の涙が...
驚いた俺は体が固まった様に動かなくなってしまい、涙を拭いながら走り去る紗綾の後ろ姿をただ見ていることしかできなかった。
「お前、なんでここに...」
そう呟く俺を見て、SANAEは不敵な笑みを浮かべた。
「そんなにニコニコして、どこに行くつもりだったの?
私とのLINEは返信1つも寄越さなかったのに...」
彼女は俺を小馬鹿にするように、
フフッ
と笑ってこう言った。
「まあいいわ。私よりも美しい女性なんていない...アンタがそう言ったんだからね。
だ か ら 、私よりもアンタを釘付けにする女なんていない。そうでしょ?」
俺は彼女の言っていることを、静かに聞くことしか出来なかった。
「彼女である私がいながら、他の女に目移りしちゃって。どういうことか分かる?」
「...どういうことだよ」
「世間には破局、なんて騒がれるでしょうね。
人気モデル『SANAE』と売れっ子俳優『成瀬翔』が別れて、一般人女性と同居をしてたなんて報じられたら、お互いの立場はどうなると思う?
恋愛ドラマなんて、しばらくは出れないでしょうね。」
「アンタに選択肢を あ・げ・る。
私と別れてあの女と関わりを持ち続ける。
もちろんこっちなら、事務所には連絡するわよ?『別れました』ってね。
それか、週刊誌の記者の前で私と キス
するか。
私はどっちでもいいの。
でも...お互い芸能界での居場所は必要、そうでしょ?」
紗綾の事を思い浮かべた。あの笑顔をもう見られなくなる?
それは絶対に嫌だ。馬鹿な俺にでも分かる、紗綾と関係を断ったら絶対に公開する...!
でも、芸能人である俺にとって、一番大事なのは『好感度』。今ここで芸能界での立場を無くしたら...
もう、どうしたらいいか分からなかった。
「俺は...」
俺が言葉を詰まらせていたとき、目の前のSANAEの顔が変わった。
最初は目を細めて、遠くを見た。
それから、何かを思いついたように、ニヤッと口角を上げて...最後に俺を見つめた。
「後ろ見て」
彼女の言葉通り振り向くと...
「さ、紗綾...?」
紗綾が俺の後ろにいた。
なんでここに?しかも、この性悪女と一緒にいるのを見られた?
そんなことを考えてるうちに、
俺の体はいつの間にかSANAEに引き寄せられていた。
Chu...
何が起こったか分からない。
俺はなんでいま奴に抱き寄せられているんだ?
なんでいま、キス...をしているんだ?
そして...目の前にはキスをする俺らと、それを呆然と見ている紗綾を激写するマスコミの姿があった。
「かけ...る?その人誰...?」
「いや、違うんだ、こいつはその...そ、そう!今度のドラマの練習で...」
「いーえ?
私は彼とお付き合いしてる、モデルの『SANAE』です。
たった今見たでしょ?
彼と私は公の場でキスをするような関係にある。あなたの出番は無い訳。さっさと帰って恋愛ドラマでも見てたら?
夢見てるままで良かったのにね、 一般人 。」
俺は黙って聞いてられなかった。
「違う!聞いて紗綾!
今のは無理矢理で、別にしようと思ったわけじゃ...」
俺が話してる間を割って、紗綾が口を開いた。
「そ、そうですよね...
私みたいな一般人が成瀬さんと関係を持つなんて、そんな夢みたいなの、有り得ないですよね。
お二人に迷惑をかけてしまっていたらすみませんでした。失礼します。」
そう言って、紗綾は自宅の方向に歩いていった。
「待って...!」
SANAEの手を振りほどいて、紗綾のところへ駆け寄り、腕を握った。
「おい、待てって!俺はそんな...」
振り向いた紗綾の目には、大粒の涙が...
驚いた俺は体が固まった様に動かなくなってしまい、涙を拭いながら走り去る紗綾の後ろ姿をただ見ていることしかできなかった。
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