妹を助けたら異世界転生。現実世界でもう二度と味わえない幸せな生活を異世界で

風都 蒼

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家族

スキル

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   サクラ!おい!聞こえないのか?おい!
 僕はサクラに心の中で呼びかける。でも反応は返ってこない。立ち上がって辺りを見渡す。
   はぁ~お前が・・・
 「お前がちゃんと説得してればこんなことにならなかったと言いたいのか?」
   人の体で勝手に喋らないでくれるかな?そうだよ。喧嘩しなければ、今頃・・・はぁ~
 「人の体って言うけど最初から僕の体なんだけど?何がしようと僕の勝手だろ?」
   はぁ?・・・もういい。疲れた。体は動かせないのか?
 「あぁ、口だけしか。おい!どこ行くんだ?これ以上奥行ったら余計見つからない。ここにいた方が・・」
   こんなところに居たって見つからない。なら来た道だと思う方に進んでいた方が見つかる可能性は高いだろ?
 「・・余計に体力使うと思うけど?」
   ・・・・・はぁ~
 自分と争っていると余計に疲れてしまう。森のようなところを少し行った。
   なんだあれは・・・
 少し進むと小屋を見つけた。
 「ちょ、やめておこうよ。」
   怖いのか?
 「ち、違う!ただ、入ってはいけないような気がして・・」
   本当か?
 「うん・・・・や、やめておこうよ・・・」
   ・・・ふ、やっぱり怖いんだな。
 「怖くないよ!・・・さ、サクラと、サクラが居ないと・・・」
   サクラねぇ・・・・
 小屋をジーと見ながら言う。
 「ねぇ、さっきガサっていう音しなかった?」
 急に僕の中の僕が言ってきた。
   こ、怖いこというなよ。
 「しょうがないじゃん。聞こえたんだから。」
   えー、してないよ
 後ろ振り返るが誰もいない。はぁっと息を吐いた。
   居ない・・・もう・・・
 小屋の方に視線を戻した瞬間
 「あぶな・・・」
 声が聞こえたが口を塞がれたので最後まで聞こえなかったが何が起こったのか理解することは容易に出来た。
 「おっと・・・叫ばれたらこの近くまで来ているあいつらにバレちまうな。いい子だから。大人しくしているんだぞ。」
   誰だ?
 身長差もあり後ろに居るので顔は分からなかった。少し暴れても簡単い抑えられてしまうので抜け出せない。
   おい!何か使えないのか?一応異世界なんだろ?
 心の中で叫ぶが口を抑えられていて答えてられない。
   僕が選んだスキルは使えるのか?
 そう言うと喋れないが「んーん」と言った。同じ体なので言いたいことは分かった。
   す、スキル!スキル発動:『創作自由』剣・・・なんでもいいから剣をそしてスキル発動:『身体強化+武器強化』剣と体に強化を・・・・
 そう心の中で呟いた瞬間手に剣が出て来た。瞬時に剣を後ろの男に当てた。男は僕を離し距離を取った。多分擦り傷程度の傷だと思う。僕は少し咳き込む立ち上がった。
 「このガキ!舐めやがって・・・」
   おい!大丈夫か?
 「自分の心配しろ。お前の体なんだから・・・」
   そうだな・・・・どうすればいい?僕は人を傷付けること自体初めてだ。
 「・・・ぼ、僕もしたことがない・・・剣術とかはお父さんに習っていたが・・・初めてだ」
 「誰と話してやがる?まぁいい。お前を捕まえて売ればいい金になる。英雄の息子としてな!」
   英雄?
 「知らないのか?僕達の両親は英雄・・・って今喋ってる暇ないって来るよ。」
 そう言われて目の前を見るとすごい速さで向かって来ていた。
 「うわっ」
 久しぶりに本当の僕の声が出た。
 「初心者だな。」
 「いっ・・・」
 男が使っている剣が腕を掠って血が出た。血がぽたっと地面に落ちて行く。
 「おっと、売り物を傷物にしてしまった・・・あちゃー」
 男がわざとそうに言う。
 「・・・・久しぶりだ・・・・」
 「ふん・・・」
 僕は小さく呟くと男は鼻で笑いもう一度来るが今度もは剣を持っていない。素手で。僕はなんとかしようと後ろに逃げる。だが・・・
 「つ、か、まえた。」
 「あ、チッ。離せ!離せよ!」
 「は?何言ってるんだ?売り物だって言ってんだろ?離す訳がねぇよ。さぁ、行こうか」
 掴まれたまま僕が見ていた小屋に男は向かって行った。
 僕は最後まで「離せ」と叫んでいたが段々と言えなくなった・・・・


 キクを探していてお父さんは言った。
 「こうなるからキクを外に出したくないんだ・・・」
 「もう、そんなこと言って・・・」
   キク・・・・
 「サ、」
 微かに声が聞こえた気がした。
 「キク?」
 私は森に入った。
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