鏡の中から覗くのは

鏡上 怜

文字の大きさ
11 / 26
3.裏話

鏡の世界に囚われて・2

しおりを挟む
 4章「硝子の世界」は、この章をご閲覧くださった某先生に「見てはいけないものを見た気がする」と言わしめた章である。何でも、私自身の心の内を覗いたような錯覚に陥ったのだという。

 この指摘は実に的を射たものであり、この章では色々と心の内に溜めておくのが苦しくなったことを1話完結の物語として吐き出した形をとっている。ちなみにほとんどの物語が「私」から誰かへの呼びかけの形をとっているのも、この章の特徴といえば特徴かもしれない。
 これが誰に対する呼びかけなのかについては、この話をご覧になった諸兄の解釈にお任せしたい。
 ただ、1つ言うとしたら……。

 この章、自分で後から見返してもような気持ちにさせられる。自身の心のままに書くということがあまりなかった(どの物語にせよ、しっかり物語としての形を作ってから書き始める)ので、なかなか見苦しい形になっているかも知れないが、これこそ、鏡上が心のままに曝け出すように書いた物語、と言えるかもしれない。
「曇天を映す泥濘、或いは空虚な器を満たした恋の話」
「少女露傷癖、或いは湧き起こる闇への最後の抵抗」
の2話に顕著に表れていると思われるので、お時間があれば是非覗いてみていただきたい。


 5章「偽らざる黒と、純白の嘘を」は、英語のサブタイトルにこだわっていた節があるが、ストーリーとしては既に殺してしまった想い人への想いを綴る物語である。4章「硝子の世界」の後と思うと、存外シンプルな構成になっているかも知れない。
 強いて言うなら、ルビ機能の新しい使い方を試したかった、という回かもしれない。


 6章「period」は、その名の通り『鏡の世界に囚われて』の終章として位置付けられている。
 1話目「瑠璃色の箱庭から」は、夜明け前の空を見上げながら夢を通して「あなた」を思う「わたし」の物語。届きそうにない片想いの物語が多い気がするのは、恐らく気のせいではないように思う。

 2話目「白いネコのお話」は、大学時代から少し考えていたシチュエーションオンリー話である。神秘的(魔的?)な雰囲気を秘めた猫の話を書きたかったのである。ラストは、鏡上作品のお約束と思ってほしい。

 最終回「鏡の世界に囚われて」。個人的に、最終回のサブタイトルが作品タイトルというシチュエーションに熱く燃える性質たちであるので、そこから決定した物語だ。一応、話としての『鏡の世界に囚われて』は終わっても鏡の世界そのものはあなたの背後に広がっているわたしはあなたのうしろにいるという意味合いで書かせていただいた。

 以上を以て、これがアルファポリス上での処女作『鏡の世界に囚われて』の解説を終わろうと思う。
 次回の更新は、なるべく早めにさせていただきますので、お待ちくださいませ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

処理中です...