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第2章・ただ春の夜の夢のごとし
5・桜の花弁
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「まだ挿入れないけどさ、これから美希んとこ行くし」
「――――」
わたしは、何て言おうとしたんだろう?
ふっ、と少し汗ばんだ温もりが離れていく。
煉さんが遠ざかる感覚に思わず胸が痛んで、開いた口からは空気が吐き出されるだけで。
言えない、慌てて取り縋りそうになったなんて。だって、別にわたしは煉さんにそんな感情は持ってないんだから。煉さんはあくまで美希さんの彼氏で、今だって、これからたくさん愛し合うんだ。
大きな声を上げて、ソファを激しく軋ませて。
それを想像しただけで、どうにかなりそうで。
もう、それくらいに、わたしは昂ってしまっていた。
毎晩一睡もしないくらいの勢いでセックスしている2人の姿は、もう脳裡に焼き付いてしまうくらいで。今だって、美希さんが蓮さんのを舐めている姿があまりにもいやらしくて、もう止まれないくらいになっている。
今、じゃ駄目なの?
思わずそう訊きそうになった。
「だーめ」
煉さんにはたぶんけっこう前からわかっていたんだ、わたしが2人のことを覗いてるの。急に恥ずかしくなって顔を背ける。襖に手をかけた姿勢のまま、煉さんはうーん、と悩むような仕草をして。
じゃあさ、交ざってみる?
まるで新しい遊びを思いついた小さい子みたいに楽しそうな笑顔で、わたしに囁いた。
その誘いに、わたしは……
「たぶん、美希も受け入れてくれると思うよ。平気平気」
煉さんのそんな言葉に背中を押された。
「――――」
わたしは、何て言おうとしたんだろう?
ふっ、と少し汗ばんだ温もりが離れていく。
煉さんが遠ざかる感覚に思わず胸が痛んで、開いた口からは空気が吐き出されるだけで。
言えない、慌てて取り縋りそうになったなんて。だって、別にわたしは煉さんにそんな感情は持ってないんだから。煉さんはあくまで美希さんの彼氏で、今だって、これからたくさん愛し合うんだ。
大きな声を上げて、ソファを激しく軋ませて。
それを想像しただけで、どうにかなりそうで。
もう、それくらいに、わたしは昂ってしまっていた。
毎晩一睡もしないくらいの勢いでセックスしている2人の姿は、もう脳裡に焼き付いてしまうくらいで。今だって、美希さんが蓮さんのを舐めている姿があまりにもいやらしくて、もう止まれないくらいになっている。
今、じゃ駄目なの?
思わずそう訊きそうになった。
「だーめ」
煉さんにはたぶんけっこう前からわかっていたんだ、わたしが2人のことを覗いてるの。急に恥ずかしくなって顔を背ける。襖に手をかけた姿勢のまま、煉さんはうーん、と悩むような仕草をして。
じゃあさ、交ざってみる?
まるで新しい遊びを思いついた小さい子みたいに楽しそうな笑顔で、わたしに囁いた。
その誘いに、わたしは……
「たぶん、美希も受け入れてくれると思うよ。平気平気」
煉さんのそんな言葉に背中を押された。
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