5 / 11
第2章・瑠美編
羽織り唄・後編
しおりを挟む
~娘side~
私には、好きな人がいる。
それはいま作っている話の中なんかじゃない、本当に、心の底からだから。気持ちが収まらない。何をしてても、どこにいても、いつの間にかお父さんのことを考えてしまう。
さっきだって、キスできたかできてないか、ハッキリしない。
もしかしたらできてたかも知れない。もしかしたら、指でお預けされてたかも知れない。
あー、よくわかんない。頭の中がごちゃごちゃしてるのは、血が抜け過ぎてるせいなのかな、それとも考え事ばっかりしてるせい? お父さんのことばっかり頭から離れなくて、どうしようもないせい? 隠し味に、って思ってた血が入り過ぎたカレーは全然おいしくないし、デートしようとしたら予定入ってるし。
「あれ、まーたお父さんのこと考えてる~?」
遊んでる最中に、友達から冷やかしめいたことを言われたりする。
適当に返事してたら、いったいどんな会話になってたんだろう、すっかり引かれてしまった。だって仕方ないよ、お父さんとのデートができなかったんだから。もしデートできてたら、って考えるでしょ?
~父親side~
俺は、娘には恋をしていない。
何故なら、血の繋がった娘だからだ。今はいない妻との間にできた、俺の実の娘だからだ。確かに最近魅力的にはなってきてる気がするけど、それでも、娘なんだから、瑠美に恋するとかは、絶対にない。
じゃあ、何で俺は「デートしよう」なんて言った?
キスにしたって、はっきり断れなかった。
そもそも親子デートなんて、他の家はしないだろ?
……あ、最近はそうでもないのかも知れないけど。
ともかく、俺は、娘には恋をしていないはずだから。
だから、この感情は、違う。
瑠美が会ってるのは本当にただの友達なのかとか、デートの予定が潰れて残念だとか、だから新しい彼女を作ろうだとか、そんなことを思っているわけではない。
けれど、振られたときにどこか安堵している自分もいて。
腕を切って、全部汚して、そうしたら瑠美は俺を心配するかな?
そうしたら……。
そうしたら?
あれ、わからない。
もう、いいんだよ。
それを誰に言ったかはわからない、けれど、俺は……
俺はたぶん、ずっとこn
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あ、終わっちゃった。
せっかくいい夢見てたのに。
寒い。
痛い。
身体、動かない。
切り過ぎたかな。
冷たくなる身体。
あぁ、もういいよ。
こんな風に私を想ってくれるお父さんだったら、よかったのになぁ。
私には、好きな人がいる。
それはいま作っている話の中なんかじゃない、本当に、心の底からだから。気持ちが収まらない。何をしてても、どこにいても、いつの間にかお父さんのことを考えてしまう。
さっきだって、キスできたかできてないか、ハッキリしない。
もしかしたらできてたかも知れない。もしかしたら、指でお預けされてたかも知れない。
あー、よくわかんない。頭の中がごちゃごちゃしてるのは、血が抜け過ぎてるせいなのかな、それとも考え事ばっかりしてるせい? お父さんのことばっかり頭から離れなくて、どうしようもないせい? 隠し味に、って思ってた血が入り過ぎたカレーは全然おいしくないし、デートしようとしたら予定入ってるし。
「あれ、まーたお父さんのこと考えてる~?」
遊んでる最中に、友達から冷やかしめいたことを言われたりする。
適当に返事してたら、いったいどんな会話になってたんだろう、すっかり引かれてしまった。だって仕方ないよ、お父さんとのデートができなかったんだから。もしデートできてたら、って考えるでしょ?
~父親side~
俺は、娘には恋をしていない。
何故なら、血の繋がった娘だからだ。今はいない妻との間にできた、俺の実の娘だからだ。確かに最近魅力的にはなってきてる気がするけど、それでも、娘なんだから、瑠美に恋するとかは、絶対にない。
じゃあ、何で俺は「デートしよう」なんて言った?
キスにしたって、はっきり断れなかった。
そもそも親子デートなんて、他の家はしないだろ?
……あ、最近はそうでもないのかも知れないけど。
ともかく、俺は、娘には恋をしていないはずだから。
だから、この感情は、違う。
瑠美が会ってるのは本当にただの友達なのかとか、デートの予定が潰れて残念だとか、だから新しい彼女を作ろうだとか、そんなことを思っているわけではない。
けれど、振られたときにどこか安堵している自分もいて。
腕を切って、全部汚して、そうしたら瑠美は俺を心配するかな?
そうしたら……。
そうしたら?
あれ、わからない。
もう、いいんだよ。
それを誰に言ったかはわからない、けれど、俺は……
俺はたぶん、ずっとこn
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あ、終わっちゃった。
せっかくいい夢見てたのに。
寒い。
痛い。
身体、動かない。
切り過ぎたかな。
冷たくなる身体。
あぁ、もういいよ。
こんな風に私を想ってくれるお父さんだったら、よかったのになぁ。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる