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第51話 ベルボア帝都
あれからアルバン達を乗せた馬車は道中何事もなくベルボア帝都へと向かった。道中あった事と言えば変わり映えしない食事に飽きたユフィリアが魚が食べたいと森に入り魚が閉じ込められた大きな氷を持って帰って来た事。その魚をスキル〈料理5〉のゼノアが料理したら皆から絶賛されそのまま料理担当になってしまった事。毎夜イリアがゼノアの寝所に潜り込み毎度アルバンに小脇に抱えられてばたつきながら連れて行かれた事。最後の日はそれで起こされたユフィリアがイリアに鬼の形相で”いい加減にしなさいよ?!”と凄まれイリアが恐怖で下着を濡らした事・・・それ以来イリアがユフィリアに近付かなくなった事ぐらいである。
「ふむ。色々あったが無事着いたな。」
アルバン一行はベルボア帝都の巨大な門の隣にある一般通行用の入口を潜り帝都へ入る。帝都に入ると目の前には活気ある街並みが広がっていた。人通りも多く道幅も広くに大きな馬車がすれ違えるほどである。街中を進めば所狭しと露店が立ち並び活気ある呼び声が飛び交っていた。
「うわーー!お店がいっぱい並んでる!!今日はお祭りか特別な日なんですか?!」
ゼノアは馬車の窓から顔を出して初めて見るベルボア帝都の街並みに興味津々であった。
セルバイヤ王国ではこれほどの賑わいは特別な日しか記憶になかった。
「いや、ゼノア殿。これが帝都の日常なんだよ。お祭りになればもっと賑やかになるんだ。」
「へぇーー!毎日がお祭りみたいだ!」
ゼノアは目を輝かせながら街並みに見入っていた。
「ゼノア様!明日私が案内するわ!」
(来るか?!)
イリアが前のめりで近付こうとしてゼノアが構える。するとユフィリアの睨みにイリアが踏み留まる。
「はうっ!」
(あれ?)
イリアはユフィリアの顔色を伺いながらもじもじと体を捩る。
「あ、あう・・・も、もし・・時間があって・・良ければ・・で・・・いいでしゅ・・ごにょごにょ・・・」
それを見たゼノアは魔力を滲ませたユフィリアに首根っこを掴まれカタカタと震えていたイリアを思い出す。
(はは・・・イリアちゃん・・あれが相当応えたみたいだね・・・だけど少しだけおとなしくなってくれて僕は助かってるけどね・・・)
そしてユフィリアは目線を窓の外に向け窓際で頬杖を付きながらニヤつく。
「ふう。久しぶりに来たけどやっぱり活気があるわね。商業の中心と言うのは伊達じゃないわ。」
(ふふふ・・今回も暗殺を阻止したしロディアス商会の懐も緩む筈よね・・うふふ・・うふふふ・・)
「あれも・・ふふ・・それも・・・あれもいいわね・・・うふふふ・・あっと・・あれも忘れたら駄目よね・・・うふふ・・・」
(も、漏れてるわ・・お父さん・・・ユフィリア様の心の声がだだ漏れよ・・・なんで大人はいいの?)
(しっ!いいんだ・・・邪魔してはいけない。そ、そういうお年頃なんだ・・・イリアもそのうち分かる。だからそっとしておくんだ・・・)
(・・・う、うん。・・・お、大人のお年頃になったら私もあんな風になるのかな・・・)
イリアは少し不安そうにユフィリアを見つめるのであった。
「さあ。着いたぞ。」
馬車が止まりアルバンが窓から軽く手を振ると門の入口にから屋敷の敷地の奥まで使用人達が花道を造るように並ぶ。そしてゆっくりと馬車の扉が開けられる。
「アルバン様。お帰りなさいませ。長旅お疲れ様でした。」
「うむ。出迎えご苦労。」
赤と黒を基調としたスーツを着こなし身なりを整えた中年の男が優しくそしてキレの良い所作でアルバン達を出迎えた。そしてそれを合図に花道を作った使用人達が一糸乱れぬ所作で頭を垂れる。
「「「お帰りなさいませ。アルバン様。」」」
アルバン達はそれを当然のように受け止め馬車を降りて行く。その後に付いてユフィリアとゼノアが降りて行く。
(うはっ!・・・この使用人の数・・・そ、そうよね・・ロディアス商会の跡取りなのよね・・そ、それに・・な、何この屋敷・・・)
馬車を降りたユフィリアとゼノアは大きく開かれた門の前で唖然とする。開かれた門の奥には手入れが行き届いた木々や花々が生い茂りどこまで続いているのかその先が見えなかった。
(・・・な、なにこれぇぇぇ!!・・も、森?!森なの?!森の中に屋敷があるの?!まさか・・魔物とかいないよね・・・)
固まるユフィリアとゼノアを他所にアルバンは中年の男に話し掛ける。
「モーリス。私はこのまま報告に行く。それとお前に紹介しておく。」
アルバンが唖然として口が開いたままのユフィリアとゼノアに目線を向けると視線に気付いて二人共我に返る。
「あっ・・んんっ・・」
「こちらは四属性魔導士ユフィリア殿と大司祭メルミラ様のお孫さんのゼノア殿だ。この度の帰路の護衛を依頼したのだ。詳しい事は後で話すがくれぐれも失礼の無いようにもてなしてくれ。それと今回の護衛を依頼した冒険者の方々にも依頼料を上乗せして差し上げてくれ。頼んだぞ。」
「はい。かしこまりました。」
モーリスは眉一つ動かす事なく一礼する。話を聞いていた冒険者達は使用人達の花道の外で何度もアルバンに頭を下げていた。
(へー・・・凄く気前がいいんだ・・それだけの仕事をしたらそれ相応の報酬を支払うって事か・・・まるでゴルじいみたいだ。)
ゼノアは花道を堂々と歩くアルバンの背中を快く眺めていた。
モーリスが一礼し特別感溢れる金色の扉を開ける。
「ユフィリア様、ゼノア様、こちらでお待ちください。何かご要望がありましたら遠慮なくお申し付けくださいませ。」
ユフィリアとゼノアが通された客間はとにかく広く壁一面金箔で覆われ、床にはどこまで沈んでいくのか不安になるほどふかふかな赤い絨毯が敷かれていた。壁際には騎士の鎧や絵画、見た目も華やかな大きな壺などがこれでもかと飾られていた。部屋の中央には大きく真っ赤なソファが二列横たわりその間に華やかな装飾が施されたテーブルが置かれていた。
「はっ・・はは・・ユフィリアさん・・・この床・・底が抜けたりしないよね・・それにあのソファ使っていいのかな・・・僕の服汚れてない?とても高そうだけど・・・」
「ははっ・・・も、もう驚く事は無いと思ってだけど・・・ここまで来ると笑っちゃうわね・・・」
ユフィリアは数日前に自分の屋敷の客間にアルバンを通した事を思い出し苦笑を隠せずにいた。
「さあ。こちらでお寛ぎください。」
二人が立ち止まり戸惑っているとそれを察してか良いタイミングでモーリスがエスコートしてくれる。
「え・・あぁ。ありがとう・・・」
流石のユフィリアも恐縮しているようであった。
二人は身体が埋まるほどのソファに座ると貴族が嗜むティータイムのセットが次々と並べられた。
「・・・こ、これも凄いね・・さっき門からお屋敷まで馬車で来たのもびっくりしたけど・・・」
「そ、そうね・・・敷地内を馬車で移動なんて・・・それにこの屋敷の大きい事・・・うちの三倍は軽くあるわよ・・・逆に居心地が悪いわ・・・」
ユフィリアとゼノアが小声で話していると少し慌てたモーリスが滑るように側にやって来る。
「大変申し訳ありません!!何か不手際がありましたでしょうか?!」
「えっ?!な、何?!」
いつの間にか現れたモーリスにユフィリアが目を丸くする。
「申し訳ありません。今ユフィリア様から居心地が悪いと聞こえましたので。私共が何か不出際があったのかと。」
「あ・・あぁ・・ち、違うのよ・・・あ、あなた達の事じゃないの・・・あ、あなた達は充分にもてなしてくれているわ!だ、大丈夫よ!そう!大丈夫!自信を持って!」
ユフィリアは無理矢理笑顔を作る。
「そうでございましたか。お気遣い感謝致します。」
(えぇぇーー!あのユフィリアさんがあんなにも人に気を使ってるぅぅぅ!!お、恐るべしロディアス商会・・・恐るべしモーリスさん・・・)
ゼノアが心の声を全力で抑えていると物音と共に扉をノックと同時に開けられた・・・
かっかっかっ・・
こんこん・・どばぁぁぁん!!
「えっ?!今度は何?!」
ユフィリアとゼノアが驚いて振り返ると背の高い白髪混じりの初老の男がズカズカと部屋に入って来た。
「えっ・・・誰?」
男はそのまま止まる事なく大股でユフィリアとゼノアを目掛けて歩み寄る。そしてモーリスを押し除ける。
「あう・・・ハ、ハミルド様?!」
「君がゼノア君か?!」
(ハミルド?!・・あぁ・・・この人が・・ロディアス商会の・・・)
ユフィリアは目の前の男の正体に気付く。
初老の男は肩で息をしながら語尾を強めに呆気に取られるゼノアを見下ろす。
「は、はい・・・そうです・・・」
「そうか!」
男はゼノアを見つめたまましゃがむとゼノアの目を見つめて両肩に手を置く。
「うむ!!これはもう結婚だな!!!」
「ええええっ?!?!な、何の事ですかぁぁ?!」
ゼノアが顔を引き攣らせドン引きしていると男が引いた分だけ顔を近付ける!!
(いやいやいやいや!!!近い近い近い!!!)
「もちろん儂の孫のイリアと結婚するのだ!!儂の孫と大司祭メルミラ様の孫の君と結婚して子供をバシバシと作り・・・」
(何!何!何!?このなんかどこかで見た光景は?!)
男がゼノアの額に頭を付けて迫って来る。
「親父!!な、何をしているんだ!!落ち着いてくれ!!ゼノア殿が困っているじゃないですか!!!」
遅れて部屋に到着したアルバンが男に駆け寄ると男を羽交締めにしてゼノアから引き剥がす。
「な、何をするか!!は、離せ!!イリアと結婚させてバシバシと・・・」
初老の男はジタバタと手足をばたつかせアルバンに引きずられて行く。
(な、何?!この何度も見た光景は?!・・それに・・お、親父?!・・・アルバンさんのお父さんという事は、この人はイリアちゃんのおじいちゃんか・・・・)
ゼノアとユフィリアはイリアと初老の男の行動が重なる。
(あー・・あの爺さんの教育か・・・可哀想にイリアちゃん・・・)
(イリアちゃん・・・おじいちゃんの影響受け過ぎだよ・・・)
「ふむ。色々あったが無事着いたな。」
アルバン一行はベルボア帝都の巨大な門の隣にある一般通行用の入口を潜り帝都へ入る。帝都に入ると目の前には活気ある街並みが広がっていた。人通りも多く道幅も広くに大きな馬車がすれ違えるほどである。街中を進めば所狭しと露店が立ち並び活気ある呼び声が飛び交っていた。
「うわーー!お店がいっぱい並んでる!!今日はお祭りか特別な日なんですか?!」
ゼノアは馬車の窓から顔を出して初めて見るベルボア帝都の街並みに興味津々であった。
セルバイヤ王国ではこれほどの賑わいは特別な日しか記憶になかった。
「いや、ゼノア殿。これが帝都の日常なんだよ。お祭りになればもっと賑やかになるんだ。」
「へぇーー!毎日がお祭りみたいだ!」
ゼノアは目を輝かせながら街並みに見入っていた。
「ゼノア様!明日私が案内するわ!」
(来るか?!)
イリアが前のめりで近付こうとしてゼノアが構える。するとユフィリアの睨みにイリアが踏み留まる。
「はうっ!」
(あれ?)
イリアはユフィリアの顔色を伺いながらもじもじと体を捩る。
「あ、あう・・・も、もし・・時間があって・・良ければ・・で・・・いいでしゅ・・ごにょごにょ・・・」
それを見たゼノアは魔力を滲ませたユフィリアに首根っこを掴まれカタカタと震えていたイリアを思い出す。
(はは・・・イリアちゃん・・あれが相当応えたみたいだね・・・だけど少しだけおとなしくなってくれて僕は助かってるけどね・・・)
そしてユフィリアは目線を窓の外に向け窓際で頬杖を付きながらニヤつく。
「ふう。久しぶりに来たけどやっぱり活気があるわね。商業の中心と言うのは伊達じゃないわ。」
(ふふふ・・今回も暗殺を阻止したしロディアス商会の懐も緩む筈よね・・うふふ・・うふふふ・・)
「あれも・・ふふ・・それも・・・あれもいいわね・・・うふふふ・・あっと・・あれも忘れたら駄目よね・・・うふふ・・・」
(も、漏れてるわ・・お父さん・・・ユフィリア様の心の声がだだ漏れよ・・・なんで大人はいいの?)
(しっ!いいんだ・・・邪魔してはいけない。そ、そういうお年頃なんだ・・・イリアもそのうち分かる。だからそっとしておくんだ・・・)
(・・・う、うん。・・・お、大人のお年頃になったら私もあんな風になるのかな・・・)
イリアは少し不安そうにユフィリアを見つめるのであった。
「さあ。着いたぞ。」
馬車が止まりアルバンが窓から軽く手を振ると門の入口にから屋敷の敷地の奥まで使用人達が花道を造るように並ぶ。そしてゆっくりと馬車の扉が開けられる。
「アルバン様。お帰りなさいませ。長旅お疲れ様でした。」
「うむ。出迎えご苦労。」
赤と黒を基調としたスーツを着こなし身なりを整えた中年の男が優しくそしてキレの良い所作でアルバン達を出迎えた。そしてそれを合図に花道を作った使用人達が一糸乱れぬ所作で頭を垂れる。
「「「お帰りなさいませ。アルバン様。」」」
アルバン達はそれを当然のように受け止め馬車を降りて行く。その後に付いてユフィリアとゼノアが降りて行く。
(うはっ!・・・この使用人の数・・・そ、そうよね・・ロディアス商会の跡取りなのよね・・そ、それに・・な、何この屋敷・・・)
馬車を降りたユフィリアとゼノアは大きく開かれた門の前で唖然とする。開かれた門の奥には手入れが行き届いた木々や花々が生い茂りどこまで続いているのかその先が見えなかった。
(・・・な、なにこれぇぇぇ!!・・も、森?!森なの?!森の中に屋敷があるの?!まさか・・魔物とかいないよね・・・)
固まるユフィリアとゼノアを他所にアルバンは中年の男に話し掛ける。
「モーリス。私はこのまま報告に行く。それとお前に紹介しておく。」
アルバンが唖然として口が開いたままのユフィリアとゼノアに目線を向けると視線に気付いて二人共我に返る。
「あっ・・んんっ・・」
「こちらは四属性魔導士ユフィリア殿と大司祭メルミラ様のお孫さんのゼノア殿だ。この度の帰路の護衛を依頼したのだ。詳しい事は後で話すがくれぐれも失礼の無いようにもてなしてくれ。それと今回の護衛を依頼した冒険者の方々にも依頼料を上乗せして差し上げてくれ。頼んだぞ。」
「はい。かしこまりました。」
モーリスは眉一つ動かす事なく一礼する。話を聞いていた冒険者達は使用人達の花道の外で何度もアルバンに頭を下げていた。
(へー・・・凄く気前がいいんだ・・それだけの仕事をしたらそれ相応の報酬を支払うって事か・・・まるでゴルじいみたいだ。)
ゼノアは花道を堂々と歩くアルバンの背中を快く眺めていた。
モーリスが一礼し特別感溢れる金色の扉を開ける。
「ユフィリア様、ゼノア様、こちらでお待ちください。何かご要望がありましたら遠慮なくお申し付けくださいませ。」
ユフィリアとゼノアが通された客間はとにかく広く壁一面金箔で覆われ、床にはどこまで沈んでいくのか不安になるほどふかふかな赤い絨毯が敷かれていた。壁際には騎士の鎧や絵画、見た目も華やかな大きな壺などがこれでもかと飾られていた。部屋の中央には大きく真っ赤なソファが二列横たわりその間に華やかな装飾が施されたテーブルが置かれていた。
「はっ・・はは・・ユフィリアさん・・・この床・・底が抜けたりしないよね・・それにあのソファ使っていいのかな・・・僕の服汚れてない?とても高そうだけど・・・」
「ははっ・・・も、もう驚く事は無いと思ってだけど・・・ここまで来ると笑っちゃうわね・・・」
ユフィリアは数日前に自分の屋敷の客間にアルバンを通した事を思い出し苦笑を隠せずにいた。
「さあ。こちらでお寛ぎください。」
二人が立ち止まり戸惑っているとそれを察してか良いタイミングでモーリスがエスコートしてくれる。
「え・・あぁ。ありがとう・・・」
流石のユフィリアも恐縮しているようであった。
二人は身体が埋まるほどのソファに座ると貴族が嗜むティータイムのセットが次々と並べられた。
「・・・こ、これも凄いね・・さっき門からお屋敷まで馬車で来たのもびっくりしたけど・・・」
「そ、そうね・・・敷地内を馬車で移動なんて・・・それにこの屋敷の大きい事・・・うちの三倍は軽くあるわよ・・・逆に居心地が悪いわ・・・」
ユフィリアとゼノアが小声で話していると少し慌てたモーリスが滑るように側にやって来る。
「大変申し訳ありません!!何か不手際がありましたでしょうか?!」
「えっ?!な、何?!」
いつの間にか現れたモーリスにユフィリアが目を丸くする。
「申し訳ありません。今ユフィリア様から居心地が悪いと聞こえましたので。私共が何か不出際があったのかと。」
「あ・・あぁ・・ち、違うのよ・・・あ、あなた達の事じゃないの・・・あ、あなた達は充分にもてなしてくれているわ!だ、大丈夫よ!そう!大丈夫!自信を持って!」
ユフィリアは無理矢理笑顔を作る。
「そうでございましたか。お気遣い感謝致します。」
(えぇぇーー!あのユフィリアさんがあんなにも人に気を使ってるぅぅぅ!!お、恐るべしロディアス商会・・・恐るべしモーリスさん・・・)
ゼノアが心の声を全力で抑えていると物音と共に扉をノックと同時に開けられた・・・
かっかっかっ・・
こんこん・・どばぁぁぁん!!
「えっ?!今度は何?!」
ユフィリアとゼノアが驚いて振り返ると背の高い白髪混じりの初老の男がズカズカと部屋に入って来た。
「えっ・・・誰?」
男はそのまま止まる事なく大股でユフィリアとゼノアを目掛けて歩み寄る。そしてモーリスを押し除ける。
「あう・・・ハ、ハミルド様?!」
「君がゼノア君か?!」
(ハミルド?!・・あぁ・・・この人が・・ロディアス商会の・・・)
ユフィリアは目の前の男の正体に気付く。
初老の男は肩で息をしながら語尾を強めに呆気に取られるゼノアを見下ろす。
「は、はい・・・そうです・・・」
「そうか!」
男はゼノアを見つめたまましゃがむとゼノアの目を見つめて両肩に手を置く。
「うむ!!これはもう結婚だな!!!」
「ええええっ?!?!な、何の事ですかぁぁ?!」
ゼノアが顔を引き攣らせドン引きしていると男が引いた分だけ顔を近付ける!!
(いやいやいやいや!!!近い近い近い!!!)
「もちろん儂の孫のイリアと結婚するのだ!!儂の孫と大司祭メルミラ様の孫の君と結婚して子供をバシバシと作り・・・」
(何!何!何!?このなんかどこかで見た光景は?!)
男がゼノアの額に頭を付けて迫って来る。
「親父!!な、何をしているんだ!!落ち着いてくれ!!ゼノア殿が困っているじゃないですか!!!」
遅れて部屋に到着したアルバンが男に駆け寄ると男を羽交締めにしてゼノアから引き剥がす。
「な、何をするか!!は、離せ!!イリアと結婚させてバシバシと・・・」
初老の男はジタバタと手足をばたつかせアルバンに引きずられて行く。
(な、何?!この何度も見た光景は?!・・それに・・お、親父?!・・・アルバンさんのお父さんという事は、この人はイリアちゃんのおじいちゃんか・・・・)
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