前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!

yoshikazu

文字の大きさ
56 / 104

第57話 英雄サーメリア

「ふん!平民が俺の前をうろちょろするな!!」

取り巻きの中心にいる金髪の男の子が前を歩く女の子の髪を鷲掴みにして無造作に投げ飛ばした。

「きゃぁ!!!」

ずざぁぁぁ・・・

女の子は足をもつれさせて転がりゼノアの足元で止まった。女の子の膝は擦りむけて血が流れていた。

「痛っ・・あ、足が・・・な、何するのよ!!」

(・・あぁ・・典型的なクズ貴族だ・・ここは関わらないように・・・)

「ねえ、大丈夫?血が出てるよ。」

「えっ?」

女の子が痛みを堪えて顔を上げると心配そうに首を傾げるゼノアと目が合う。

「ふ、ふん!これぐらい大丈夫・・・痛っ・・」

無理矢理立とうとした女の子が地面に膝を付く。

(あ・・足を挫いたね。仕方ない・・ヒール・・)

ゼノアは周りに気付かれないようにそっと女の子に回復魔法を掛ける。すると女の子の傷があっという間に消えた。

「あ、あれ?き、傷が・・・痛みも無くなって・・・」

「さあ。もう大丈夫だよ。」

ゼノアはニッコリ笑って手を差し伸べると女の子は少し頬を赤らめながらゼノアの手を取り立ち上がった。

「あ、ありがとう。私はナリアよ。」

「僕はゼノア。よろしくね。さあ。あんなの相手にしてたら時間の無駄だから早く行こう。」

「えぇ。そうね。・・ねえ。さっきの傷を治してくれたのは魔法?」

「え・・う、うん。だけど内緒だよ。あまり目立ちたくないんだ・・・」

「ふーん・・・そうなんだ。」

二人が何事も無かったように歩き出す。

「おい!貴様ぁ!!平民の癖に生意気だぞ!!」

金髪の男の子が苛立ちながら声を荒げるがゼノアとナリアは気にも止めずに話しながら校舎に向かって行く。

「こいつ!!俺様を無視するなぁぁ!!これでも喰らえ!!」

「えっ?!あ、危ない!!」

ナリアが振り返り叫ぶが金髪の男の子は拳を振り上げてゼノアの背後から襲い掛かる。そしてゼノアの後頭部に思いっきり拳を打ち込んだ。

ゴツン・・・

びきっ・・めきっ・・・

しかし打ち込んだ拳から鈍い音が鳴りそれと同時に金髪の男の子の拳に激痛が襲い掛かる!!

「うぎやぁぁぁぁぁ!!!」

金髪の男の子が手を庇いながら地面にのたうち回る!!

「痛でぇぇぇ!!手がぁぁぁ!!俺の手がぁぁぁ!!」

ナリアがのたうち回る男の子を唖然と見ていた。

「・・ゼノア君・・・大丈夫?」

「ん?あぁ・・何ともないよ。それより面倒な事になる前に早く行こう。」

「え、えぇ・・・」

ゼノアは気にも止めずに動揺するナリアと校舎に向かって歩いて行った。


金髪の男の子は取り巻きから回復ポーションを放ったくるとラッパ飲みで飲み干した。

「ぶはぁぁ・・はぁ、はぁ・・ぬぐぐぐ・・・くそぉぉ・・あ、あの野郎・・・この俺様に恥をかかせやがって・・ただで済むと思うなよ・・・」


校舎に入ると広いエントランスの中央に背が高くスタイルの良いシルバーのロングヘアーの女性が新入生の子供達に声を掛けていた。

「皆さん!『サーメリア学院』にようこそ!今からクラス分けの為の実力測定を行います!新入生の方は事前に書いた書類を持ってこちらで受け付けをして下さい。あと推薦状を持っている方は私の所へ来てください!」

「うわぁ・・・凄く広い・・・それに天井が・・・物凄く高い・・・」

ゼノアは学院のエントランスを見渡し予想外の広さに圧倒されていた。

「あっ!もう受け付けが始まってるわよ!早く行きましょう!」

ナリアはポカンと口を開けて天井を見上げるゼノアの手を掴み駆け出す。

「・・あうっ・・・ナ、ナリア待って!!僕はそっちじゃないみたいだ!」

「えっ?」

ゼノアは鞄から赤い蝋封印がされた封書を取り出す。

「そ、それって・・・紹介状?!も、もしかしてゼノア君って・・・噂の・・・」

ナリアが言葉を続けようとすると先程まで子供達に声を掛けていた女性がいつの間にかゼノアの前に立っていた。

「あ、えっ?!」

「君、その紹介状を見せてくれる?」

女性はナリアには目もくれずゼノアに手を差し出した。

「えっ・・・は、はい。」

(・・綺麗な人だな・・・それに・・)

ゼノアが女性の豊満な胸に見惚れながら封書を差し出すと女性が受け取り眼鏡の位置を調整する。女性は蝋封印を確認すると表情が微かに強張りチラチラとゼノアに目を落とす。

(これはセルバイヤ王国の紋章・・・こ、この子が・・あのゲイブルの街の魔族スタンピードの功労者・・・ゼノア君・・)

「初めまして。私はラミリア・エスリードよ。この学院の副学院長をしているわ。ゼノア君の事は王宮から聞いているわ。君はこっちに来て。」

「えっ・・・は、はい・・・」

ラミリアはゼノアの手を握るとツカツカと皆とは反対方向へと歩いて行く。

「ナリア!また後で・・・」

「え、えぇ・・・」

半ば強引に連れて行かれるゼノアを呆気に取られながら力無く手を振り返し見送った。

(きっとゼノア君はお父様達が噂していたゲイブル街で魔族をやっつけた子供だわ。・・ゲイブルの街の守護者・・・またの名を・・・おっぱい守護者・・・)

ナリアは何気なく小さく膨らんだ自分の胸を見下ろす。そして惚けた顔でラミリアを見ていたゼノアの表情を思い出した。

(・・・やっぱり・・大きい方が好きなのかな・・・)

ナリアは両手で胸を押さえる。そしてゼノアの笑顔を思い出し人混みに消えて行くゼノアの背中を見つめるのであった・・・


ラミリアはゼノアを連れて通路の一番奥の部屋へと歩いてゆく。そして重々しい扉で立ち止まり一呼吸置く。

コンコン・・・

「入って。」

(な、何?!・・・この扉から凄い魔力が溢れてる・・・)

ゼノアの目には扉の隙間から滲み出る濃密な魔力が辺りを漂うの感じていた。

そして中から女性の声が聞こえるとラミリアは扉の正面には立たずに扉に隠れるようにノブを握りそのまま引き開ける。

ばぁぁん!!

扉は内側から勢い良く弾けるように開かれる。すると溜まった魔力を解き放たれゼノアに襲い掛かった。

「うぐっ!!・・」

(こ、この魔力・・・重い・・分厚い絨毯を押し返しているみたいだ・・・それにしても・・いきなり何のつもりだよ・・・)

ゼノアはムッとしながら部屋へと入って行く。その姿をラミリアは扉の陰から目を丸くして見ていた。

(・・・が、学院長の魔力をまともに受けて立っているなんて・・・その上あの魔力の中を正面から向かって歩いて行く?!こ、これは・・・う、噂以上だわ・・・)

ゼノアは大きな机の前まで進み立ち止まり机の向こう側に居る女性を見つめる。

「・・・ふう。たった7歳で私の魔力を正面から受け止めるとはね。ユフィリアから手紙貰ってまさかと思ったけど・・・これ程とはね・・・」

女性は緑髪のロングヘアーでスタイルも良く一番印象的なのは耳が小さく尖っている事だった。

(・・あの耳・・・ハーフエルフ・・この人がユフィリアさんが言っていた・・・英雄サーメリア・・・)

すると女性は立ち上がりゼノアに微笑み掛ける。いつの間にか魔力の圧力は無くなっていた。

「私はこの学院の学院長を務めるサーメリア・リブストールです。ゼノア君。君を試すような事をしてごめんなさい。陛下からの直筆の手紙とユフィリアからの手紙で君の実力をこの目で見たかったの。でも今ので君の実力は十分過ぎる程分かったわ。君は文句なくSクラスです。実力測定はしなくてもいいわ。」

(・・・やっぱりユフィリアさんの師匠・・・英雄サーメリアさんだ・・・だけど・・)

「嫌です・・・」

「えっ?」

「僕だけ特別は嫌です。あまり目立ちたくないので皆んなと一緒がいいんです!」

ゼノアはサーメリアの目を見返す。

ゼノアは自分だけ特別である事が目立つ事と考えた。皆と一緒に同じ場所から始められたなら目立つ事なく皆も自分の事を分かってくれると思ったのだった。

「・・・そう・・分かったわ。ラミリア。ゼノア君を会場に案内してあげて。」

「は、はい。かしこまりました。」

呆気に取られていたラミリアはサーメリアに声を掛けられ我に返る。

「さ、さあ。ゼノア君。行きましょう。それでは失礼致します。」

「は、はい。」

ラミリアはゼノアを連れてそそくさと部屋を出て行った。それを見送ったサーメリアは全身の力を抜き息を深く吐く・・・

「はあぁぁぁぁ・・・・とんでもない魔力だわ・・・私の魔力を押し返すだけでなくぶつけてくるなんて・・・ふっ・・・だけどあの子目立ちたくないって言ってたわね・・・でも実力測定なんかしたら余計に目立つんじゃないかしら・・・」

サーメリアは肩をすくめて苦笑いを浮かべるのであった。
感想 37

あなたにおすすめの小説

42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太
ファンタジー
 かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。  しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。  失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。  だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。

異世界セイセイAIで出来ること〜異世界転移してFランクの冒険者に敗北したけど実はチートでした〜

マーラッシュ
ファンタジー
 生成AI⋯⋯誰しもが一度はこの言葉を聞いたことがあるはすだ。  データのリサーチ、分析、文書や音声、デザインの作成、もしこの能力が異世界で使えたらどんなことができるのだろう。  とある街に住む古流剣術道場の長男として生まれたユクトは、突如女神の力によって異世界転移した。 「では、あなたには私から特別な力を⋯⋯そうですね、今地球で流行ってる⋯⋯え〜と⋯⋯セイセイ? セイセイAIのスキルを授けましょう。使い方は――」  異世界の女神がスキルについて説明する。だがユクトは他のことを考えており、聞き流していた。  日々鍛錬している古流剣術は、真剣で戦うことを主としているため、現代では使うことが出来なかった。だがここなら自分の力を試せると、ユクトは喜び勇んで異世界の街へと繰り出す。  そしてある依頼を受けるために、自分と同じ歳くらいの女の子と手合わせをすることになったが敗北してしまう。  この世界では自分の剣の腕は通じない。これからここで生きていくためにどうすればいいか考えた時、頭に浮かんだのは女神からもらったセイセイAIのスキルだった。  しかしこのセイセイAIは、考えていたセイセイAIとは違う部分があり、ユクトは異世界で規格外のことをやらかすのであった。  

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?

ばふぉりん
ファンタジー
 中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!  「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」  「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」  これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。  <前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです> 注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。 (読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)

最弱Sランク冒険者は引退したい~仲間が強すぎるせいでなぜか僕が陰の実力者だと勘違いされているんだが?

月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
冒険者のノエルはSランクパーティーの荷物もちだった。 ノエル自体に戦闘能力はなく、自分のことを足手まといだとすら思っていた。 そして、Sランクになったことで、戦うモンスターはより強力になっていった。 荷物持ちであるノエルは戦闘に参加しないものの、戦場は危険でいっぱいだ。 このままじゃいずれ自分はモンスターに殺されてしまうと考えたノエルは、パーティーから引退したいと思うようになる。 ノエルはパーティーメンバーに引退を切り出すが、パーティーメンバーはみな、ノエルのことが大好きだった。それどころか、ノエルの実力を過大評価していた。 ノエルがいないとパーティーは崩壊してしまうと言われ、ノエルは引退するにできない状況に……。 ノエルは引退するために自分の評判を落とそうとするのだが、周りは勘違いして、ノエルが最強だという噂が広まってしまう。 さらにノエルの評判はうなぎのぼりで、ますます引退できなくなるノエルなのだった。 他サイトにも掲載

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。 モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。 実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。 あらゆるモンスターへの深い知識。 様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。 自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。 降って湧いた凶悪な依頼の数々。 オースはこれを次々に解決する。 誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。 さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。 やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。