57 / 104
第57話 実力測定 1
「はい皆さん!今から身体能力と武技と魔力の実力測定をします。今日は皆さんの実力を見て貰う為に冒険者ギルドからBランク冒険者〈勝利の大剣〉の皆様に来て頂きました。」
担当の赤髪の女性マリスが三人の冒険者を紹介する。大剣を背中に背負う赤い鎧の男の後ろには黄色髪で魔法の杖を持った女性と弓を背負った紫髪の女性が気怠そうに立っていた。紹介され赤い鎧の男が気怠そうに頭を掻きながら前に出る。
「はぁ・・お前らぁ!!俺様がBランク冒険者アルグ様だ!!今日は俺様がお前らに冒険者の厳しさを教えてやるから有難いと思え!!」
「・・・何あいつ・・・」
「なんかあの人怖い・・・」
「何を偉そうに・・・感じ悪い奴・・・」
アルグの威圧的な態度に子供達は不信感を覚えて怯える子もいた。
「ねぇ!アルグ!さっさと始めなさいよ!あんたのペナルティーに付き合ってあげてるんだから早く終わらせて帰るわよ!」
「そうよ!早く終わらせてよね!!全く!」
後ろに立っていた女性二人も態度が悪くアルグを吐き捨てる。
「けっ!連帯責任だろうが!!つべこべ言わずにお前らもさっさと始めろ!」
「はん!」
「ふん!」
態度が悪い女性二人が悪態を付きながら足早に持ち場に向かって行った。
この〈勝利の大剣〉の三人はギルドの依頼を立て続けに失敗しペナルティーとして罰金とギルドからの強制依頼を受ける事になった。そこに本来実力測定を依頼した冒険者が怪我をして動けなくなった為に強制依頼として〈勝利の大剣〉に白羽の矢が立ったのだった。
「おい!さっさと始めてくれ!」
アルグが気怠く片手で木剣を構えマリスを一瞥する。
「アルグさん。最初に言っておきますが相手は七歳の子供です。極力手加減をお願いします。」
マリスはアルグ達の今までのやり取りを見て素行の悪さが気になり不安になっていた。
「ふん!分かったから早く始めてくれ!!」
「・・・分かりました。それでは皆さん!各々得意な武器を持って一人づつ打ち込んでください。」
「はーい!」
マリスの合図で最初の男の子が辿々しい足取りで木剣を振りかぶりアルグに向かって行く。
「たぁぁぁ!!!」
(はぁ・・・これをどうやって手加減すればいいんだ・・・)
思わずアルグが木剣を突き出すと男の子の額に当った・・・
ゴツン・・・
「あうっ・・・」
どさっ・・・
男の子はそのまま尻餅を付くと段々と表情が崩れていく・・・
「うわぁぁぁぁぁん!!痛いよぉぉぉぉ!!」
「アルグさん!!何故当てるんですか?!」
マリスが慌てて男の子の側に駆け寄る。
「し、仕方ないだろう!!俺だって充分手加減したぜ!!」
「勘違いしないでください!!あなたの仕事は子供達の剣筋や体捌きの素質を判断する事です!!子供達を負かす事じゃないんです!!もっと考えてください!!」
マリスが真顔でアルグを叱り付けると子供達がざわつき出す。
「ぷぷっ・・やーい!!叱られてらーー!!」
「Bランク冒険者が叱られてるぞーー!!」
「偉そうしてた罰だーーあははぁぁ!!」
子供達の野次にアルグの眉間にくっきりと皺が寄り鬼の形相になる。
「ぬぐぐっ・・・このガキ共ぉぉ・・・い、いいだろう・・・この俺様が貴様らの素質を見てやる!!さっさとかかって来い!!」
アルグが木剣を片手で握り締め子供達に突き出す。
「アルグさん!!分かっていますよね?!これは実力測定ですよ?!個人的な感情は持ち込まないでください!!」
「ふん!!分かっているさ!!ガキ共の素質を見ればいいんだろう?!俺流のやり方で見てやるさ!!どけ!!」
アルグは詰め寄るマリスを押し退ける。
「さあ!かかって来い!ガキ共!!」
「よし!次は僕が行く!」
自身ありげに青髪の男の子が木剣を構え前に出た。木剣を構える姿は一目見て素人ではないと分かった。
「ふん!少しは出来そうだな。さっさとかかって来い!!」
「それじゃあ・・・」
ざんっ!!!
男の子は鋭い踏み込みであっという間にアルグの目の前に現れ逆袈裟に切り上げる!
(は、速っ!)
かぁぁんっ!!
意表を突かれたアルグは力が入らずに辛うじて防御するが予想以上のキレと威力に腕が痺れる。
(つ、痛う・・こ、こいつ・・・剣技系の称号持ちか・・・それも上級クラスか・・・それ以上・・・ちぃぃ!!気に食わねぇぇ!!)
「おらぁぁ!!」
アルグは力任せに男の子の木剣を弾く!!
「あうっ!!」
力で弾かれた男の子が一瞬怯むと返す刀でアルグが木剣を振り上げる!
「このガキが!!調子に乗るなぁぁぁ!!」
がぁん!ごぉん!ががぁん!!がぁぁん!!
アルグはBランク冒険者の意地とばかりに七歳の男の子に何度も木剣を打ち込む!!
「うぐっ!あぐっ!がっ!!あがっ!!」
男の子は力任せに打ち込まれる木剣を辛うじて捌く。しかし大人と子供の力の差を埋める事が出来ずに防戦一方になり木剣を飛ばされてしまう。
からぁぁん・・・
「あっ・・・」
「もらったぁぁぁぁぁ!!!」
「アルグさん!!!駄目です!!」
アルグはマリスの言葉を無視してトドメとばかりに木剣を振りかぶり振り下ろす!!
「うぅっ・・・」
男の子は目を瞑り覚悟を決める。
パシッ・・・
「・・・全く・・大人気ないね・・・」
男の子はいつまで経っても訪れない衝撃に恐る恐る目を開けるとそこには片手で木剣を掴みアルグを睨む黒髪の男の子が立っていた。
「き、君は・・・」
「僕はゼノア。君、大丈夫?」
「あ・・うん。」
(な、何だこのガキは・・・いつの間に・・・それに動かねぇ・・・)
「な、何だ!お前は!!邪魔しやがって!!・・・くっ!」
アルグは悪態を付きながら木剣を引っ張るがゼノアが掴んだ木剣はびくともしなかった。
そしてゼノアが不意に手の力を抜くと木剣を引っ張っていたアルグが勢い余って後ろによろける。
「くはっ・・・こ、このガキ!」
「・・・次は僕が行くよ。」
ゼノアは落ちている木剣を拾うと片手で木剣を握り斜に構える。
「あ・・駄目!!待って!!」
マリスが止めようとして一歩踏み出すと背後から肩に手を置かれて止められる。マリスが驚き振り返るとそこには副学院長のラミリアがいた。
「えっ?!副学院長?!あっ・・・は、早く止めないと!!」
「いいのよ。マリスさん。見ていなさい。」
「えっ?!で、でも・・・」
「大丈夫。見ていれば分かるわ。」
「は、はい・・分かりました・・・」
マリスは心配そうにゼノアを見ながら頷いた。
(ゼノア君のさっきの動き・・・全く見えなかった・・・これでゼノア君の実力の一端が分かるはず・・・)
「な、生意気なガキだ・・・だからガキは嫌いなんだ!!ふ、ふん!来やがれ!!俺様が教育してやるぜ!!」
アルグは無意識に両手で木剣を構えた。本能的に目の前の七歳の子供に警戒したのだった。
「じゃあ・・・お願いしますっ!!!」
ざっ・・・
「き、消え・・・」
ゼノアが踏み出した瞬間アルグの目にはゼノアの姿が忽然と消えたように見えた。
「えぇっ?!ど、何処に?!」
マリスもゼノアを見失い瞬きを何度もしなごらゼノアの姿を探す。
(ここは手加減してと・・・)
ゼノアはアルグの背後に現れるとアルグの尻を木剣で水平に振り抜いた。
ずばぁぁぁぁん!!!
「べひぃぃぃぃぃ!!!」
アルグは何が起こったかも分からずに仰け反り崩れ落ちる。そして後から襲い掛かる激痛にのたうち回る!
「い、いでぇぇぇぇぇ!!!うがっぁぁぁ!!あぐっぅぅぅぅ!!!!お、俺の尻ぃぃぃぃ!!!おれの尻がぁぁぁぁぁ!!し、尻が割れたぁぁぁぁ!!!!」
尻を押さえてのたうち回るアルグの姿に子供達が肩を揺らし始めた。
「ぷぷっ・・ぶふっ!!あーーっはっはっはーー!!お尻は始めから割れてるんだよーー!!!」
「あーーひっーっひっひっーーお、お腹痛い!!な、何あの格好ぉぉぉーーー!!」
「ひぃーーひっ!!し、死ぬぅぅ!!わ、笑い過ぎて死んじゃうぅぅぅぅ!!!」
子供達は笑いながら腹を抱えてのたうち回る。
「て、てめぇ!!う、後ろからなんて卑怯だぞ!!」
「え?正面から行ったのが見えなかったの?じゃあ・・・もう一度やって見せようか?」
ゼノアは仰向けで上半身だけ起こすアルグの鼻先に木剣を突き付けるとアルグが表情が曇る・・・
(・・・こ、こいつはヤ、ヤバイ奴だ・・・と、時々居るんだ・・スキルに恵まれた不公平な強さの奴が・・・ちっ・・)
「くっ・・ふ、ふん・・・お、俺のし、仕事はお前らの素質を見る事だ・・・お前らに勝つ事じゃねぇ・・・お、お前はもういい・・・」
(・・・ふん。癪だが・・言う通りにやってやるか・・・)
アルグは砂を払いながらよろよろと立ち上がるとマリスを恨めしそう見ながら開始線へと戻って行った。
「副学院長・・・あ、あの子は一体・・・」
マリスが震えながらラミリアを見る。
「えぇ・・遠巻きに見ていたから辛うじて見えたわ・・・でも・・目の前で対峙していたら・・・ふっ・・マリスさん。あの子は国王陛下直々の紹介でここへ来た・・ゲイブルの街の魔族スタンピードの功労者ゼノア君よ。学院長お墨付きのSクラスを蹴ってまで目立ちたくないと皆と一緒に実力測定を望んだ子よ・・」
「へっ・・・あ、あの子が噂の・・・で、でも・・充分に目立っていると思うのですが・・・」
「えぇ・・・そうね。そう思う所がまだ子供なのでしょう・・・ふっ・・それにしてもとんでもない子がサーメリア学院に来ましたね。」
ラミリアはゼノアの今後の行く末に想いを馳せるようにゼノアを眺めるのであった。
担当の赤髪の女性マリスが三人の冒険者を紹介する。大剣を背中に背負う赤い鎧の男の後ろには黄色髪で魔法の杖を持った女性と弓を背負った紫髪の女性が気怠そうに立っていた。紹介され赤い鎧の男が気怠そうに頭を掻きながら前に出る。
「はぁ・・お前らぁ!!俺様がBランク冒険者アルグ様だ!!今日は俺様がお前らに冒険者の厳しさを教えてやるから有難いと思え!!」
「・・・何あいつ・・・」
「なんかあの人怖い・・・」
「何を偉そうに・・・感じ悪い奴・・・」
アルグの威圧的な態度に子供達は不信感を覚えて怯える子もいた。
「ねぇ!アルグ!さっさと始めなさいよ!あんたのペナルティーに付き合ってあげてるんだから早く終わらせて帰るわよ!」
「そうよ!早く終わらせてよね!!全く!」
後ろに立っていた女性二人も態度が悪くアルグを吐き捨てる。
「けっ!連帯責任だろうが!!つべこべ言わずにお前らもさっさと始めろ!」
「はん!」
「ふん!」
態度が悪い女性二人が悪態を付きながら足早に持ち場に向かって行った。
この〈勝利の大剣〉の三人はギルドの依頼を立て続けに失敗しペナルティーとして罰金とギルドからの強制依頼を受ける事になった。そこに本来実力測定を依頼した冒険者が怪我をして動けなくなった為に強制依頼として〈勝利の大剣〉に白羽の矢が立ったのだった。
「おい!さっさと始めてくれ!」
アルグが気怠く片手で木剣を構えマリスを一瞥する。
「アルグさん。最初に言っておきますが相手は七歳の子供です。極力手加減をお願いします。」
マリスはアルグ達の今までのやり取りを見て素行の悪さが気になり不安になっていた。
「ふん!分かったから早く始めてくれ!!」
「・・・分かりました。それでは皆さん!各々得意な武器を持って一人づつ打ち込んでください。」
「はーい!」
マリスの合図で最初の男の子が辿々しい足取りで木剣を振りかぶりアルグに向かって行く。
「たぁぁぁ!!!」
(はぁ・・・これをどうやって手加減すればいいんだ・・・)
思わずアルグが木剣を突き出すと男の子の額に当った・・・
ゴツン・・・
「あうっ・・・」
どさっ・・・
男の子はそのまま尻餅を付くと段々と表情が崩れていく・・・
「うわぁぁぁぁぁん!!痛いよぉぉぉぉ!!」
「アルグさん!!何故当てるんですか?!」
マリスが慌てて男の子の側に駆け寄る。
「し、仕方ないだろう!!俺だって充分手加減したぜ!!」
「勘違いしないでください!!あなたの仕事は子供達の剣筋や体捌きの素質を判断する事です!!子供達を負かす事じゃないんです!!もっと考えてください!!」
マリスが真顔でアルグを叱り付けると子供達がざわつき出す。
「ぷぷっ・・やーい!!叱られてらーー!!」
「Bランク冒険者が叱られてるぞーー!!」
「偉そうしてた罰だーーあははぁぁ!!」
子供達の野次にアルグの眉間にくっきりと皺が寄り鬼の形相になる。
「ぬぐぐっ・・・このガキ共ぉぉ・・・い、いいだろう・・・この俺様が貴様らの素質を見てやる!!さっさとかかって来い!!」
アルグが木剣を片手で握り締め子供達に突き出す。
「アルグさん!!分かっていますよね?!これは実力測定ですよ?!個人的な感情は持ち込まないでください!!」
「ふん!!分かっているさ!!ガキ共の素質を見ればいいんだろう?!俺流のやり方で見てやるさ!!どけ!!」
アルグは詰め寄るマリスを押し退ける。
「さあ!かかって来い!ガキ共!!」
「よし!次は僕が行く!」
自身ありげに青髪の男の子が木剣を構え前に出た。木剣を構える姿は一目見て素人ではないと分かった。
「ふん!少しは出来そうだな。さっさとかかって来い!!」
「それじゃあ・・・」
ざんっ!!!
男の子は鋭い踏み込みであっという間にアルグの目の前に現れ逆袈裟に切り上げる!
(は、速っ!)
かぁぁんっ!!
意表を突かれたアルグは力が入らずに辛うじて防御するが予想以上のキレと威力に腕が痺れる。
(つ、痛う・・こ、こいつ・・・剣技系の称号持ちか・・・それも上級クラスか・・・それ以上・・・ちぃぃ!!気に食わねぇぇ!!)
「おらぁぁ!!」
アルグは力任せに男の子の木剣を弾く!!
「あうっ!!」
力で弾かれた男の子が一瞬怯むと返す刀でアルグが木剣を振り上げる!
「このガキが!!調子に乗るなぁぁぁ!!」
がぁん!ごぉん!ががぁん!!がぁぁん!!
アルグはBランク冒険者の意地とばかりに七歳の男の子に何度も木剣を打ち込む!!
「うぐっ!あぐっ!がっ!!あがっ!!」
男の子は力任せに打ち込まれる木剣を辛うじて捌く。しかし大人と子供の力の差を埋める事が出来ずに防戦一方になり木剣を飛ばされてしまう。
からぁぁん・・・
「あっ・・・」
「もらったぁぁぁぁぁ!!!」
「アルグさん!!!駄目です!!」
アルグはマリスの言葉を無視してトドメとばかりに木剣を振りかぶり振り下ろす!!
「うぅっ・・・」
男の子は目を瞑り覚悟を決める。
パシッ・・・
「・・・全く・・大人気ないね・・・」
男の子はいつまで経っても訪れない衝撃に恐る恐る目を開けるとそこには片手で木剣を掴みアルグを睨む黒髪の男の子が立っていた。
「き、君は・・・」
「僕はゼノア。君、大丈夫?」
「あ・・うん。」
(な、何だこのガキは・・・いつの間に・・・それに動かねぇ・・・)
「な、何だ!お前は!!邪魔しやがって!!・・・くっ!」
アルグは悪態を付きながら木剣を引っ張るがゼノアが掴んだ木剣はびくともしなかった。
そしてゼノアが不意に手の力を抜くと木剣を引っ張っていたアルグが勢い余って後ろによろける。
「くはっ・・・こ、このガキ!」
「・・・次は僕が行くよ。」
ゼノアは落ちている木剣を拾うと片手で木剣を握り斜に構える。
「あ・・駄目!!待って!!」
マリスが止めようとして一歩踏み出すと背後から肩に手を置かれて止められる。マリスが驚き振り返るとそこには副学院長のラミリアがいた。
「えっ?!副学院長?!あっ・・・は、早く止めないと!!」
「いいのよ。マリスさん。見ていなさい。」
「えっ?!で、でも・・・」
「大丈夫。見ていれば分かるわ。」
「は、はい・・分かりました・・・」
マリスは心配そうにゼノアを見ながら頷いた。
(ゼノア君のさっきの動き・・・全く見えなかった・・・これでゼノア君の実力の一端が分かるはず・・・)
「な、生意気なガキだ・・・だからガキは嫌いなんだ!!ふ、ふん!来やがれ!!俺様が教育してやるぜ!!」
アルグは無意識に両手で木剣を構えた。本能的に目の前の七歳の子供に警戒したのだった。
「じゃあ・・・お願いしますっ!!!」
ざっ・・・
「き、消え・・・」
ゼノアが踏み出した瞬間アルグの目にはゼノアの姿が忽然と消えたように見えた。
「えぇっ?!ど、何処に?!」
マリスもゼノアを見失い瞬きを何度もしなごらゼノアの姿を探す。
(ここは手加減してと・・・)
ゼノアはアルグの背後に現れるとアルグの尻を木剣で水平に振り抜いた。
ずばぁぁぁぁん!!!
「べひぃぃぃぃぃ!!!」
アルグは何が起こったかも分からずに仰け反り崩れ落ちる。そして後から襲い掛かる激痛にのたうち回る!
「い、いでぇぇぇぇぇ!!!うがっぁぁぁ!!あぐっぅぅぅぅ!!!!お、俺の尻ぃぃぃぃ!!!おれの尻がぁぁぁぁぁ!!し、尻が割れたぁぁぁぁ!!!!」
尻を押さえてのたうち回るアルグの姿に子供達が肩を揺らし始めた。
「ぷぷっ・・ぶふっ!!あーーっはっはっはーー!!お尻は始めから割れてるんだよーー!!!」
「あーーひっーっひっひっーーお、お腹痛い!!な、何あの格好ぉぉぉーーー!!」
「ひぃーーひっ!!し、死ぬぅぅ!!わ、笑い過ぎて死んじゃうぅぅぅぅ!!!」
子供達は笑いながら腹を抱えてのたうち回る。
「て、てめぇ!!う、後ろからなんて卑怯だぞ!!」
「え?正面から行ったのが見えなかったの?じゃあ・・・もう一度やって見せようか?」
ゼノアは仰向けで上半身だけ起こすアルグの鼻先に木剣を突き付けるとアルグが表情が曇る・・・
(・・・こ、こいつはヤ、ヤバイ奴だ・・・と、時々居るんだ・・スキルに恵まれた不公平な強さの奴が・・・ちっ・・)
「くっ・・ふ、ふん・・・お、俺のし、仕事はお前らの素質を見る事だ・・・お前らに勝つ事じゃねぇ・・・お、お前はもういい・・・」
(・・・ふん。癪だが・・言う通りにやってやるか・・・)
アルグは砂を払いながらよろよろと立ち上がるとマリスを恨めしそう見ながら開始線へと戻って行った。
「副学院長・・・あ、あの子は一体・・・」
マリスが震えながらラミリアを見る。
「えぇ・・遠巻きに見ていたから辛うじて見えたわ・・・でも・・目の前で対峙していたら・・・ふっ・・マリスさん。あの子は国王陛下直々の紹介でここへ来た・・ゲイブルの街の魔族スタンピードの功労者ゼノア君よ。学院長お墨付きのSクラスを蹴ってまで目立ちたくないと皆と一緒に実力測定を望んだ子よ・・」
「へっ・・・あ、あの子が噂の・・・で、でも・・充分に目立っていると思うのですが・・・」
「えぇ・・・そうね。そう思う所がまだ子供なのでしょう・・・ふっ・・それにしてもとんでもない子がサーメリア学院に来ましたね。」
ラミリアはゼノアの今後の行く末に想いを馳せるようにゼノアを眺めるのであった。
あなたにおすすめの小説
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
異世界セイセイAIで出来ること〜異世界転移してFランクの冒険者に敗北したけど実はチートでした〜
マーラッシュ
ファンタジー
生成AI⋯⋯誰しもが一度はこの言葉を聞いたことがあるはすだ。
データのリサーチ、分析、文書や音声、デザインの作成、もしこの能力が異世界で使えたらどんなことができるのだろう。
とある街に住む古流剣術道場の長男として生まれたユクトは、突如女神の力によって異世界転移した。
「では、あなたには私から特別な力を⋯⋯そうですね、今地球で流行ってる⋯⋯え〜と⋯⋯セイセイ? セイセイAIのスキルを授けましょう。使い方は――」
異世界の女神がスキルについて説明する。だがユクトは他のことを考えており、聞き流していた。
日々鍛錬している古流剣術は、真剣で戦うことを主としているため、現代では使うことが出来なかった。だがここなら自分の力を試せると、ユクトは喜び勇んで異世界の街へと繰り出す。
そしてある依頼を受けるために、自分と同じ歳くらいの女の子と手合わせをすることになったが敗北してしまう。
この世界では自分の剣の腕は通じない。これからここで生きていくためにどうすればいいか考えた時、頭に浮かんだのは女神からもらったセイセイAIのスキルだった。
しかしこのセイセイAIは、考えていたセイセイAIとは違う部分があり、ユクトは異世界で規格外のことをやらかすのであった。
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
最弱Sランク冒険者は引退したい~仲間が強すぎるせいでなぜか僕が陰の実力者だと勘違いされているんだが?
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
冒険者のノエルはSランクパーティーの荷物もちだった。
ノエル自体に戦闘能力はなく、自分のことを足手まといだとすら思っていた。
そして、Sランクになったことで、戦うモンスターはより強力になっていった。
荷物持ちであるノエルは戦闘に参加しないものの、戦場は危険でいっぱいだ。
このままじゃいずれ自分はモンスターに殺されてしまうと考えたノエルは、パーティーから引退したいと思うようになる。
ノエルはパーティーメンバーに引退を切り出すが、パーティーメンバーはみな、ノエルのことが大好きだった。それどころか、ノエルの実力を過大評価していた。
ノエルがいないとパーティーは崩壊してしまうと言われ、ノエルは引退するにできない状況に……。
ノエルは引退するために自分の評判を落とそうとするのだが、周りは勘違いして、ノエルが最強だという噂が広まってしまう。
さらにノエルの評判はうなぎのぼりで、ますます引退できなくなるノエルなのだった。
他サイトにも掲載
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!
あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。
モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。
実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。
あらゆるモンスターへの深い知識。
様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。
自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。
降って湧いた凶悪な依頼の数々。
オースはこれを次々に解決する。
誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。
さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。
やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。