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第74話 VSブラッドガルム 3
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どどどどどどど・・・・
「な、何事?!」
「いけない!!皆んな!そこの岩場の影に隠れて!!」
イーシアとナルメーラが異変に気付き子供達を岩場の影に先導して子供達を護る様に覆い被さる。
その直後皆がいた場所に数え切れない程の様々な魔物や魔獣が逃げる様に走り抜けて行った。
ナルメーラは魔物達が過ぎ去り静けさを取り戻した森の中を恐る恐る見渡し森の入口の方角を見据える。
「・・・い、一体この森の先で何が起こっているの・・・」
「え、えぇ・・・多分、今の魔物達は魔物玉で集まって来た魔物よ。その魔物達が魔物玉の波動を無視して逃げる程の脅威がそこにあるのよ・・・あっ!そ、そう言えば魔物玉の箱は何処に・・・」
イーシアは先程まで持っていた魔物玉の箱が無いのに気付き辺りを見渡し探すが見当たらない・・・
「は、箱がない・・・あ、あれが無いと魔物玉の波動が抑えられないわ・・・どうしたら良いの・・・」
そんな頭を抱えるイーシアを木の上から黒装束で身を包んだ者が見下ろしていた。顔を上げフードから覗くその顔は元闇ギルドのメーリアであった。そしてその手には魔物玉の箱握られていた。
「ふっ・・・全てはゼノア様の為に・・・それが・・・闇の掟!!」
メーリアは悩ましく自分の身体を抱きしめる様にポーズを決める。そして決めポーズの余韻に浸り光悦な表情を浮かべるのであった。
「ぐるるるるぅぅぅ・・・」
「これでも引かないのか・・・これも魔物玉の影響か・・あまり傷付けたく無いけど仕方ない・・・」
〈剛気〉を解放する事でブラッドガルム達を威圧して森へと追い帰そうとしたがブラッドウルフ達は怯えながらも威嚇を止めなかった。
そしてブラッドガルムは牙を剥き出しにして自らを鼓舞するかの様に空に向かって遠吠えを放つ!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!」
するとさっきまで怯えていたブラッドウルフ達が覚悟を決めたかのように次々とゼノア達に襲い掛かって来る!
「ぐるぁぁぁぁぁ!!!」
「ごるぁぁぁぁぁ!!!」
しかしゼノアは慌てる事なく構える。
「行かせないよ!!ウインドストーム!!」
ゼノアが魔力を集中した掌を突き出すと目の前に巨大な風の柱が渦巻く!!襲い掛かったブラッドウルフ達は勢いそのままに渦巻く風の柱に次々と飲み込まれて行く!
「このまま森へ帰すよ!!手荒な事をするけどごめんね・・・でも僕はここで引く訳には行かないんだ。」
ゼノアが渦巻く風の柱に魔力を込めると風柱が浮き上がりそのまま放物線を描いて森の奥へと消えて行った・・・そしてその光景を皆が唖然として眺めていた・・・
「・・・くっ・・地魔法と風魔法まで・・あいつはどれだけスキルを持っていやがる・・・」
ミレードは嫉妬にも似た複雑な表情でゼノアの背中を睨む。
「す、凄いわ・・・中級魔法ウィンドストーム・・・あ、あんな威力のウィンドストーム初めて見たわ・・・」
「わ、私も風魔法を使えるけど・・・なんか自信がなくなっちゃう・・・」
メルローラとナリアは羨望の眼差しでゼノアを見つめる。
「うむ・・・それに普通なら放った魔法は自然消滅だ。だがそれを更に操作して森へ飛ばした・・・熟練の魔法使いでも出来る者が居るかどうか・・・ふっ・・この勝負・・見えたな・・・」
リズナーはゼノアの勝利を確信して肩を撫で下ろす。しかしエルスはミレード以上にゼノアの規格外の実力に嫉妬心を抱いていた。
「あ、あいつは一体何の為に学院に来たんだ・・・身体能力だって、魔法だって、薬草採取だって・・・くっ・・あ、あんな力があるなら・・・学院なんかに入らなくったって良いだろう・・・ぼ、僕は必死に努力して選ばれてSクラスに入ったのに・・・自分の力が・・・ちっぽけに見える・・・」
エルスは小さな手に出来た剣ダコに目を落とすと拳を握り締める。そして歯を食い縛り込み上げて来るものを必死で押さえ込んでいた。
(エルス君・・・)
ナリアはかける言葉が見つからず戸惑っているとリズナーが立ち上がりエルスの目線までしゃがんだ。
「・・・ふっ。君の気持ちは痛いほど分かる。私もこの歳まで魔法の研鑽を誰よりも積んで来たつもりだ。最近では誰にも負けない自信を持ち始めていた。しかし・・・君と一緒でゼノア君にものの見事に打ち砕かれたよ。だが同時に魔法の可能性を知る事が出来た。私はね君達が羨ましいんだよ。」
「えっ・・・何故?」
「・・うむ。私はもう歳だ・・・これから新たな研鑽を積むのは難しい。しかし君達は若い!そして学ぶべき途轍もない存在がすぐ側に居るんだ!この環境がどれ程羨ましいか!!君もくだらないプライドなど捨て教えを乞うのだ!!そうすれば君はもっと高みに行けるだろう!!私はそれが何よりも羨ましくて堪らないのだ!!」
エルスはリズナーのまるで子供のような探究心の塊のような偽りの無い表情と言葉に圧倒されていた。
「・・・ぼ、僕が更に高みに・・?た、確かにあいつを平民だと見下していた・・・あいつの実力を認めたくないと思った・・・も、もし・・・その蟠りを捨てたなら僕はもっと強くなれるのか・・・」
エルスはリズナーの言葉に心を揺らされた。今まで貪欲に強さを求めて孤独に剣を振り続けて来たエルスの目にはゼノアの背中が更なる強さへの扉に目えたのであった。
ざざっ・・・
「ぐるぅぅぅぅぅぅぅ・・・」
ゼノアのウィンドストームに耐えたブラッドガルムが警戒を強めバックステップで距離を取る。
(・・・手加減をしたとはいえあれを耐えた・・・でも、もうそろそろ諦めてくれると助かるんだけど・・・仕方ない・・・)
ゼノアは立ち昇る〈剛気〉を身体の周りに循環させるように纏うと腰を落とし構える。
「行くよ!」
ざっ!!
ゼノアは大地を蹴りブラッドガルムに向かって行く!!
「ぐろぉぉぉぉぉぉ!!」
ブラッドガルムも前脚を振り上げゼノアを迎撃するべく鋭い爪を振り下ろす!!
(速っ!!でも・・躱せる!!)
ゼノアはサイドステップで躱しブラッドガルムの爪はゼノアに届く事なく空を切る・・・しかしゼノアの背中に悪寒が走る!
「なっ?!」
ゼノアの横目には躱したはずの前脚から平原に刻まれる五本の筋がナリア達に迫る光景であった。
「あぁっ!!しまった!!皆んな!!逃げてぇぇぇ!!」
「むっ!!いかん!!!」
ゼノアの絶叫に逸早く反応したのはリズナーであった。リズナーは携えた剣を抜き迫り来る斬撃に立ちはだかる!
(ぶっつけ本番だ!)
リズナーはゼノアの魔力操作を真似て抜いた剣に聖魔力を纏わす!
ぎぎぎんっ!!!!
「ぐがっ!!」
しかし剣に纏った魔力が弱く斬撃を受け切れずに剣を弾かれる。そしてブラッドガルムの斬撃はリズナーの右腕を切り飛ばし辛うじて軌道を変えた。
ずばぁぁぁぁ!!!
「うぐぅぅぅ!!」
「リズナーさん!!」
「枢機卿様!!!」
ゼノアとメルローラの叫び声が響く!
しかしリズナーは片膝を付き激痛に耐えながらメルローラ達に振り向く。
「ぬ、ぬぐっ・・み、皆は・・だ、大丈夫か・・・」
「・・・あぁ・・う、腕が・・・」
ナリアが震える声で呟き腰を抜かしていた。ミレードとエルスも声も出せずに震えていた。
もしリズナーが身体を張って護ってくれなければ自分達は確実に死んでいたのだ。
「・・・ふ、ふっ・・・だ、大丈夫だ・・わ、私は聖魔法使いだ・・・」
(と、取り敢えず・・・止血を・・・)
「聖なる光よ。慈悲の光で傷を癒せ。ヒール!」
しかし回復魔法ヒールを発動したが弱々しい蒼白い光を放ち消えてしまう。
「うぐっ・・・な、何故・・・はっ・・まさか・・・さっきの魔力操作で・・・魔力が・・・くっ・・咄嗟の事で加減が出来なかった・・・か・・・」
どさっ・・・
リズナーは出血により意識を手放し崩れ落ちるのであった・・・
「な、何事?!」
「いけない!!皆んな!そこの岩場の影に隠れて!!」
イーシアとナルメーラが異変に気付き子供達を岩場の影に先導して子供達を護る様に覆い被さる。
その直後皆がいた場所に数え切れない程の様々な魔物や魔獣が逃げる様に走り抜けて行った。
ナルメーラは魔物達が過ぎ去り静けさを取り戻した森の中を恐る恐る見渡し森の入口の方角を見据える。
「・・・い、一体この森の先で何が起こっているの・・・」
「え、えぇ・・・多分、今の魔物達は魔物玉で集まって来た魔物よ。その魔物達が魔物玉の波動を無視して逃げる程の脅威がそこにあるのよ・・・あっ!そ、そう言えば魔物玉の箱は何処に・・・」
イーシアは先程まで持っていた魔物玉の箱が無いのに気付き辺りを見渡し探すが見当たらない・・・
「は、箱がない・・・あ、あれが無いと魔物玉の波動が抑えられないわ・・・どうしたら良いの・・・」
そんな頭を抱えるイーシアを木の上から黒装束で身を包んだ者が見下ろしていた。顔を上げフードから覗くその顔は元闇ギルドのメーリアであった。そしてその手には魔物玉の箱握られていた。
「ふっ・・・全てはゼノア様の為に・・・それが・・・闇の掟!!」
メーリアは悩ましく自分の身体を抱きしめる様にポーズを決める。そして決めポーズの余韻に浸り光悦な表情を浮かべるのであった。
「ぐるるるるぅぅぅ・・・」
「これでも引かないのか・・・これも魔物玉の影響か・・あまり傷付けたく無いけど仕方ない・・・」
〈剛気〉を解放する事でブラッドガルム達を威圧して森へと追い帰そうとしたがブラッドウルフ達は怯えながらも威嚇を止めなかった。
そしてブラッドガルムは牙を剥き出しにして自らを鼓舞するかの様に空に向かって遠吠えを放つ!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!」
するとさっきまで怯えていたブラッドウルフ達が覚悟を決めたかのように次々とゼノア達に襲い掛かって来る!
「ぐるぁぁぁぁぁ!!!」
「ごるぁぁぁぁぁ!!!」
しかしゼノアは慌てる事なく構える。
「行かせないよ!!ウインドストーム!!」
ゼノアが魔力を集中した掌を突き出すと目の前に巨大な風の柱が渦巻く!!襲い掛かったブラッドウルフ達は勢いそのままに渦巻く風の柱に次々と飲み込まれて行く!
「このまま森へ帰すよ!!手荒な事をするけどごめんね・・・でも僕はここで引く訳には行かないんだ。」
ゼノアが渦巻く風の柱に魔力を込めると風柱が浮き上がりそのまま放物線を描いて森の奥へと消えて行った・・・そしてその光景を皆が唖然として眺めていた・・・
「・・・くっ・・地魔法と風魔法まで・・あいつはどれだけスキルを持っていやがる・・・」
ミレードは嫉妬にも似た複雑な表情でゼノアの背中を睨む。
「す、凄いわ・・・中級魔法ウィンドストーム・・・あ、あんな威力のウィンドストーム初めて見たわ・・・」
「わ、私も風魔法を使えるけど・・・なんか自信がなくなっちゃう・・・」
メルローラとナリアは羨望の眼差しでゼノアを見つめる。
「うむ・・・それに普通なら放った魔法は自然消滅だ。だがそれを更に操作して森へ飛ばした・・・熟練の魔法使いでも出来る者が居るかどうか・・・ふっ・・この勝負・・見えたな・・・」
リズナーはゼノアの勝利を確信して肩を撫で下ろす。しかしエルスはミレード以上にゼノアの規格外の実力に嫉妬心を抱いていた。
「あ、あいつは一体何の為に学院に来たんだ・・・身体能力だって、魔法だって、薬草採取だって・・・くっ・・あ、あんな力があるなら・・・学院なんかに入らなくったって良いだろう・・・ぼ、僕は必死に努力して選ばれてSクラスに入ったのに・・・自分の力が・・・ちっぽけに見える・・・」
エルスは小さな手に出来た剣ダコに目を落とすと拳を握り締める。そして歯を食い縛り込み上げて来るものを必死で押さえ込んでいた。
(エルス君・・・)
ナリアはかける言葉が見つからず戸惑っているとリズナーが立ち上がりエルスの目線までしゃがんだ。
「・・・ふっ。君の気持ちは痛いほど分かる。私もこの歳まで魔法の研鑽を誰よりも積んで来たつもりだ。最近では誰にも負けない自信を持ち始めていた。しかし・・・君と一緒でゼノア君にものの見事に打ち砕かれたよ。だが同時に魔法の可能性を知る事が出来た。私はね君達が羨ましいんだよ。」
「えっ・・・何故?」
「・・うむ。私はもう歳だ・・・これから新たな研鑽を積むのは難しい。しかし君達は若い!そして学ぶべき途轍もない存在がすぐ側に居るんだ!この環境がどれ程羨ましいか!!君もくだらないプライドなど捨て教えを乞うのだ!!そうすれば君はもっと高みに行けるだろう!!私はそれが何よりも羨ましくて堪らないのだ!!」
エルスはリズナーのまるで子供のような探究心の塊のような偽りの無い表情と言葉に圧倒されていた。
「・・・ぼ、僕が更に高みに・・?た、確かにあいつを平民だと見下していた・・・あいつの実力を認めたくないと思った・・・も、もし・・・その蟠りを捨てたなら僕はもっと強くなれるのか・・・」
エルスはリズナーの言葉に心を揺らされた。今まで貪欲に強さを求めて孤独に剣を振り続けて来たエルスの目にはゼノアの背中が更なる強さへの扉に目えたのであった。
ざざっ・・・
「ぐるぅぅぅぅぅぅぅ・・・」
ゼノアのウィンドストームに耐えたブラッドガルムが警戒を強めバックステップで距離を取る。
(・・・手加減をしたとはいえあれを耐えた・・・でも、もうそろそろ諦めてくれると助かるんだけど・・・仕方ない・・・)
ゼノアは立ち昇る〈剛気〉を身体の周りに循環させるように纏うと腰を落とし構える。
「行くよ!」
ざっ!!
ゼノアは大地を蹴りブラッドガルムに向かって行く!!
「ぐろぉぉぉぉぉぉ!!」
ブラッドガルムも前脚を振り上げゼノアを迎撃するべく鋭い爪を振り下ろす!!
(速っ!!でも・・躱せる!!)
ゼノアはサイドステップで躱しブラッドガルムの爪はゼノアに届く事なく空を切る・・・しかしゼノアの背中に悪寒が走る!
「なっ?!」
ゼノアの横目には躱したはずの前脚から平原に刻まれる五本の筋がナリア達に迫る光景であった。
「あぁっ!!しまった!!皆んな!!逃げてぇぇぇ!!」
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ゼノアの絶叫に逸早く反応したのはリズナーであった。リズナーは携えた剣を抜き迫り来る斬撃に立ちはだかる!
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リズナーはゼノアの魔力操作を真似て抜いた剣に聖魔力を纏わす!
ぎぎぎんっ!!!!
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ずばぁぁぁぁ!!!
「うぐぅぅぅ!!」
「リズナーさん!!」
「枢機卿様!!!」
ゼノアとメルローラの叫び声が響く!
しかしリズナーは片膝を付き激痛に耐えながらメルローラ達に振り向く。
「ぬ、ぬぐっ・・み、皆は・・だ、大丈夫か・・・」
「・・・あぁ・・う、腕が・・・」
ナリアが震える声で呟き腰を抜かしていた。ミレードとエルスも声も出せずに震えていた。
もしリズナーが身体を張って護ってくれなければ自分達は確実に死んでいたのだ。
「・・・ふ、ふっ・・・だ、大丈夫だ・・わ、私は聖魔法使いだ・・・」
(と、取り敢えず・・・止血を・・・)
「聖なる光よ。慈悲の光で傷を癒せ。ヒール!」
しかし回復魔法ヒールを発動したが弱々しい蒼白い光を放ち消えてしまう。
「うぐっ・・・な、何故・・・はっ・・まさか・・・さっきの魔力操作で・・・魔力が・・・くっ・・咄嗟の事で加減が出来なかった・・・か・・・」
どさっ・・・
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