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第二章
03
しおりを挟むバースデーパーティーは、
華やかな演奏で始まりをつげた。
本日の主役である私は、シンプルで箇所に花柄ワンポイントのついたドレスを着て濃くなり過ぎないナチュラルに近いメイクをメイドにしてもらいながら、舞台広場で顔見せをする時間まで待機する。
「お嬢様、日頃も愛らしいですが化粧をされますと、とても綺麗です。」
「サラン、ありがとう。」
「お嬢様の許嫁の御方、とても素敵なお方とお耳に致しました。お会い出来るのが楽しみですね!」
「…素敵なお方?」
「えぇ、なんでもイケメンで爽やかな好青年と言ったところだとお聞き致しました。もちろん、ハロルド殿下やヘンリー殿下には敵いませんともおっしゃてましたけどね。」
ニコニコしながら、私より許嫁のことを何故か知っているサランに関心し、結婚相手が年増のおじさんじゃなくて良かった。とホッと一安心をする。
コンコンとドアをノックする音が聞こえガチャりと開くと、メイドが一礼した後に
「サファリーアお嬢様、お時間です。」
その言葉に、気が進まず小さくため息が漏れる
「…ありがとう。サラン大丈夫かしら?」
「えぇ、お嬢様!自信を持ってください。とても愛らしく綺麗ですよ!」
「そうね、ありがとう。」
サランへ軽く微笑んで、重たい腰を上げる
舞台広場へ入れば、知らない人達ばかり。
私が入って来たことで演奏もまた変わる。
私を見て軽く会釈をしてくれるので、応える為に私も会釈をするけど知り合いの顔が見えず、お父様のもとにつくまではキョロキョロすることは良くないので、辺りを見回したい気持ちを抑えて前だけ見て歩く。
「サファリーア、さぁ!こっちだ」
私の存在に気付いたお父様がニコニコしながら声をかけてくれる。
お父様のもとにつけば、演奏を止める合図と共にマイクで私の紹介が行われる。
それだけで終了かと思えば、挨拶もまだなのに
「そして我が娘の許嫁であるエドウィー王子も本日は祝いにわざわざ三国向こうからお越し頂いている。さぁ、エドウィー王子こちらへ」
周りの目は、私と許嫁の彼へと興味津々と言った感じで注がれる。苦手な目線。
私は、先程聞いた噂通りなのかと彼が反応を示すのを待つ。
「デン陛下この度はお誘いありがとうございます。デン陛下のお嬢様であり私の許嫁である、サファリーアさんお初にお目にかかります。」
ニッコリと弓矢を引いたように笑みを向けられたら顔を見れば、サランが言ってたように兄たちと比べれば、そこまでって感じだけど普通に整った顔の青年が立っていた。
肌も白く、瞳はルビーのようで身長も180センチはありそうな見た目もスラリとした細身の許嫁としては申し分無い。
そんな彼は金髪の肩ギリギリまである髪は軽くウェーブがかけられており、前髪も後ろに流している。
紺色と白の男性が着るに支障がない程度のデザインがほどこされたスーツ、胸に赤色のバラ。
兄達以外の他国の王子をこの目で見ることはあまりなく、どちらかと言えば国王や国王に仕えてる男性をよく目にしていたので、『これが王子様なのね。』とマジマジと見てしまう。
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