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第四章
03
しおりを挟む「…ィ…フィ…サフィ」
誰かが私の名を呼びながら優しく髪を梳くように頭を撫でてくれている。
その触り方や声から懐かしい気がする。
ずっと私を見守ってきたくせに肝心な時にいなかった人の声に似てる。
肝心な時…あれ?肝心な、何か忘れてる
…サラン…サランは?
あの時どうだったかしら、私は彼女を助けようとして、助けれた?
…いいえ、助けれてない?
そうよ、助けれてないわ!早く目を覚まさなきゃ!
早く起きて彼女を助けなきゃ!!!
「サラン!!!」
目を開けると同時に上半身を起こしサランの名を叫んでいた。
現実か夢か分からないけど、サランを探さなきゃと周りを見回すが見当たらない。
「…サラン?どこ、どこなの?」
自分の身体の上にあった布を横にやり、乗っていた場所からドアが見えたのでもしかしたらドアの外にサランがいるかもしれないと地に足をつく
思った通りに足に力が入らず前に倒れかける前にふわっと横から腕がさし伸ばされ身体を受け止められた。
「サラン?」
もしかしてサランは視界外れにいただけ?
「…サフィ」
こんなにサランが声が低いわけないわ、誰?
身体を受け止めてくれた人物を見れば
「騎士…」
「サフィ、やっと目が覚めたと思ったら…」
言葉も途中でぎゅっと抱きしめられる。
騎士の身体が少し震えているように感じたが、私の頭の中は悲痛な叫び声で此方を見ていたサランの顔がフラッシュバックしてそれどころでは無い。
騎士なら知っているかもしれないと
「騎士、サランは?」
抱きしめ返すこともせずに問う私に
抱きしめる力を緩めることなく
静かな間の後で
「サランは残念だが、」
「…な、に?」
それ以上聞きたくないけど、聞かなきゃ
「サフィを見つけた時には、サランは馬車と一緒に崖下へ」
「そんな…そんなのって…」
有り得ない、ありえないわ!
そうよ、お父様やお母様に聞けばわかるわ。
もし、分からなくても兄さん達か城に仕える誰かしらが知っているはずよ!!
そうなれば、早くドアの向こうに行かなきゃ。
抱きしめる騎士から離れようとお互いの胸の間に両手を滑り込ませてできた隙間から騎士の胸板を押す。
「サフィどこに行く」
その行動に、私が離れたがってることを理解したようだが離す気は全くない様で腕の力が緩まない。
「はな、して!」
「サフィ」
「お父様やお母様にも確認したいの!」
「サフィ、落ち着け!」
騎士の声にハッとなり、瞳からポロポロと涙が零れ落ちる。それを自分ではとめることができず、「サランに会いたい…」騎士の胸元で小さく呟くように声に出してみたが、会えるわけなく
「守れなかった…守れなかったのよ!サランを守りたかっ…た、のに!なんで、私だけが生きてるのよおおぉ!」
騎士に当たったところで彼女は戻ってきやしないって分かってる、分かってるけど、止めどない涙を零しながら騎士の胸板をグーでドンドンと叩きながら、抑えきれない気持ちを騎士に訴える。
「サフィ…誰しも死に逆らえない。俺もサフィもだ。彼女は無惨だったが彼女の決められた最後だった、それを変えることはできない。だが、サフィがそれだけ悲しみ哀れんで悔いてくれてるなら彼女も嬉しいだろう。今やきっと天国へ導かれているはずだ。悲しみは直ぐには癒えぬだろうが彼女を思うならこれ以上彼女への未練を強く思ってやるな。」
抱きしめなおされ、頭から肩まで優しく何度も私を落ち着かせるためにゆっくり撫でながら優しく穏やかな声で語りかける。
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