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最終章
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しおりを挟む髪の雫で濡れた背中を拭いたあと、私の下着を手に取り身につけてくれる。
とても楽しそうな怪しい瞳と時々目線が合うが、無心を決めてされるがままにする。明日以降の事を考えたくとも、どこか人の心が読めているような節がみられるユーグス陛下に何か問い詰められるのは気が重くなるので今は無心でいるように自己暗示を心の中で唱える。
寝間着用のシルクのワンピース型のネグリジェを着せられ、髪にタオルが巻かれる。次にユーグス陛下も男性用のシルバーのネグリジェにチャスズを履き終える。
「我が姫、寝室へ戻り髪を乾かそう。」
額にキスを落として、横抱きに抱えられる。
そのまま寝室までは食堂に向かった時よりも半分ぐらいの速さで付き『もう着いたの?』と歩幅の違いに感心していると、ドレッサーの椅子に座らさせられる。
「明日はやっとサフィを妻に正式に迎えれる日だ」
噛み締めるように呟きながらタオルを外して髪を包むように拭き、私を鏡越しに見つめるユーグス陛下の青の瞳と目が合う。
「愛しいサフィ…やっとこの手に」
私の髪を掬いキスを落とす。
ドライヤーで時間をかけて乾かした後愛しそうに抱きしめてくる。
これがエドウィー王子だったならどれ程喜びと幸せに満ちて明日が来るのを楽しみしたことか、口が裂けてもユーグス陛下には言えない気持ちを呑み込む。
「ユーグス陛下ありがとう。…眠りたいですわ」
「あぁ、愛しの姫仰せのままに」
本当に機嫌がいいのだろう。
体を横抱きにしてベッドまで連れて行かれる。
背を向けて眠りにつこうとすれば、背中から包み込むように抱きしめられる。
「サフィ、子は欲しいか?」
「…」
結婚式前夜にこんな話をされて、エドウィー王子とならと考えてしまう。
「俺はお前と死ぬまで二人だけでいいと思っているが、国の事を考えれば次世を継ぐ者が必要となる。」
死ぬまで二人だけでいいなんて、王なのだから各王国から嫁を貰って囲えばいいのに。そして、私との子は望めなかったと他の女性に産んでもらい何ならこれから手にする王妃の座を空け渡したいわ。
「継ぐ者が必要だと知っているが、サフィと俺の時間を取られるかと思うと我が子すら手にかけてしまいそうだ」
「…まだ宿りもしていないですわ。」
私のお腹を角張った手を広げて優しく撫でる。
「あぁそうだ。だが想像しただけでも腹が煮えくり返る気持ちがふつふつと湧き、愛してやる自信が無い。」
「私の子で無くともその感情になるの?」
「…いや、どうだっていい女どもに子が出来たところで何も思わない。」
「そう、なら「サフィお前だけだと言っただろう」」
体の向きを強制的に向き合うように変えさせられ、ユーグス陛下と真正面から瞳と瞳がかち合う。
「サフィ、昔からそうだが俺がお前以外の女どもを性欲の処理程度とはいえ一夜を過ごしていても怒るどころか関心を寄せることすらしてこなかったな」
「…えぇ」
「俺だけか?お前を愛し兄弟ですらお前に触れることに苛立ちを感じていたのは」
貴方だけだと思うわ。
それよりも身勝手すぎる発言に、苛立ちを感じる
「私を愛していると言いながら欲に耐えれず他の女性と一夜を共にするような貴方にそのように言われても私には響かないわ。今までの貴方と関係を結んだ女性だってユーグス陛下を愛していた人は多いわ、なのに自分勝手にも性欲処理としか見てない。だなんて失礼にも程があるわ。婚約後ですが今まで通り他の人と夜の営みは過ごして頂戴。女性を性欲処理としてしか見れない御方に私は操を捧げる気はありませんわ。」
落ち着いた声で、ゆっくり目を見て伝える。
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