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第四章
手段があるなら使うべき
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「自信とか、持てねえし~」
そんな情けない声にノクトが笑う気配がした。
「笑うなや。こっちは真剣に悩んでんだぞ!」
「ごめんごめん。泣き方がエスタそっくりだと思って」
「エスタと一緒にすんなよエスタの方が五万倍かわいいわ」
「ごめん。でもそうだな、どこに自信が持てないんだ?」
「全部」
即答するとまたノクトが笑う。ムカついて睨んでいると、少し荒れた指がオレの涙を拭った。
「僕は君のそういうところも魅力的だと思うよ」
ノクトは多分オレが言うこと成すこと全部を肯定するような気がした。
「……そこまで落ち込んでいる理由はルークか?」
「うるせえ違うしばーか」
「わかりやすいな、君は」
勢いで言ってみたものの、ノクトにはお見通しだったらしい。
それに息を吐いて一度落ち着いてみると、意外にもぽろぽろと思っていることが言葉にできた。
「ルークにさあ」
「うん」
「多分結構めちゃくちゃ仲良い人がいて」
「……」
「その人がすげえ綺麗でさ。髪とか艶々だし、スタイルもよかったし、ルークの隣にいても、なんか全然お似合いだったんだよ」
「ルークからその人のことを聞いたことは?」
「ねえよ。正面からいって振られるとか無理すぎる」
ノクトが額に手を当てて深い溜息を吐いた。
「つまり君は、ルークから何も聞かずにただ自信を失くしているのか……?」
「だってオレがルークに釣り合ってないのは事実じゃん」
ノクトが再び溜息を吐いた。どうしたものかと悩んでいるような姿が不思議だが、オレにはノクトが何を考えているかわからないからとりあえず喉を潤した。
「オルロン」
それから少ししてノクトがオレを見た。
どこか覚悟を決めたような顔に瞬きをすれば、ノクトがゆっくりと口を開く。
「それをルークに伝えた方がいい」
「……は? 無理だってそんなの」
「賭けてもいいが、彼は多分君よりもずっと傷付いていると思う」
予想もしていなかった言葉に目を丸くする。どうしてルークが傷付くのかがわからなくてノクトの顔をじっと見ていると、仕方がないなというような顔をした。
「君はあらゆる情報を知っているのに、人の心には驚く程鈍感だ」
「だって、ルークが何に傷付くんだよ」
好きだって告白しようとした日にあんな場面を見てしまったオレだって傷付いていると思った。でも確かに、オレはそのことをルークに言ってない。だって怖いから。
ルークがオレ以外にも触れてたかもしれないって事実を知るのが怖くて、オレは自分がもっと傷付く前にルークから離れたんだ。
「僕も彼のことはわからない。でも大切な人から距離を取られたらきっと不安になる。その説明がないのなら、不安はもっと大きくなるんじゃないかな」
どう説明しろって言うんだ。そんな言い訳ばかりが口から出そうになるけれど、ノクトがあまりに優しい顔で言うものだからそれらを飲み込む。
ノクトはずるい。品行方正を地でいくような男に真正面から諭されたら、オレが本当に悪いことをしているように思えてくる。
「君には言葉がある。伝えないとわからないことの方がこの世界にはたくさんある。わかり合える手段があるなら、それをちゃんと使うべきだ」
何も言えなくなったオレにノクトが微笑み、空気を変えるようにグラスを空にした。
「今日はもうお開きにしよう」
「え」
「ルークと話した方がいい、君の心と体のためにも。今のオルロンの顔を見たら、きっと彼は怒ると思うよ」
「でも、話があるって」
元々ここにきた理由を口に出すと、ノクトは一瞬切なそうに笑った。
「もういいんだ。さあ立って、店まで送るよ」
そんな情けない声にノクトが笑う気配がした。
「笑うなや。こっちは真剣に悩んでんだぞ!」
「ごめんごめん。泣き方がエスタそっくりだと思って」
「エスタと一緒にすんなよエスタの方が五万倍かわいいわ」
「ごめん。でもそうだな、どこに自信が持てないんだ?」
「全部」
即答するとまたノクトが笑う。ムカついて睨んでいると、少し荒れた指がオレの涙を拭った。
「僕は君のそういうところも魅力的だと思うよ」
ノクトは多分オレが言うこと成すこと全部を肯定するような気がした。
「……そこまで落ち込んでいる理由はルークか?」
「うるせえ違うしばーか」
「わかりやすいな、君は」
勢いで言ってみたものの、ノクトにはお見通しだったらしい。
それに息を吐いて一度落ち着いてみると、意外にもぽろぽろと思っていることが言葉にできた。
「ルークにさあ」
「うん」
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「その人がすげえ綺麗でさ。髪とか艶々だし、スタイルもよかったし、ルークの隣にいても、なんか全然お似合いだったんだよ」
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「ねえよ。正面からいって振られるとか無理すぎる」
ノクトが額に手を当てて深い溜息を吐いた。
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「だってオレがルークに釣り合ってないのは事実じゃん」
ノクトが再び溜息を吐いた。どうしたものかと悩んでいるような姿が不思議だが、オレにはノクトが何を考えているかわからないからとりあえず喉を潤した。
「オルロン」
それから少ししてノクトがオレを見た。
どこか覚悟を決めたような顔に瞬きをすれば、ノクトがゆっくりと口を開く。
「それをルークに伝えた方がいい」
「……は? 無理だってそんなの」
「賭けてもいいが、彼は多分君よりもずっと傷付いていると思う」
予想もしていなかった言葉に目を丸くする。どうしてルークが傷付くのかがわからなくてノクトの顔をじっと見ていると、仕方がないなというような顔をした。
「君はあらゆる情報を知っているのに、人の心には驚く程鈍感だ」
「だって、ルークが何に傷付くんだよ」
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