【完結】婚約破棄を言い渡した王子は悪役令嬢の兄に執着される

白(しろ)

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第五章

夢なら許される※

「フィリアスの奥に触れたいと言ったのを覚えているか?」

 どうしようもない熱に浮かされていたあの日の記憶は曖昧だ。けれど腹の奥が熱かったのは鮮明に覚えているし、リュシアンに触れてほしいとも思っていた。
 リュシアンの問いには首を振ったけれど、その後すぐに口を開く。

「覚えてないけど、ずっとリュシアンに触ってほしいって思ってた。だからリュシアンが触りたいなら、いい」
「……あなたという人は」

 困り果てたようにリュシアンが眉を寄せて呟く。けれどまた唇が触れ合い、それからすぐに窄まりをリュシアンの指が撫でた。俺が出した蜜で周りを濡らし、緊張を解すように幾度か触れたあと、つぷりと指が沈んだ。

「っ!」

 圧迫感に息が詰まる。けれど同時にリュシアンが触れていると思うだけで腹奥がゾクゾクと疼くのがわかった。
 息が震えて爪先が丸くなる。それから時間を掛けて指が奥へ奥へと入っていき、やがて指の付け根まで飲み込む頃になると息が上がって、再び熱を取り戻した中心から滴が垂れていた。

「動かすぞ」
「ん、……は、ぁ……っ、ぁ、んんっ!」

 リュシアンの指がゆっくりと抜かれ、また奥へと入り込む。中が擦られるような感覚に息が漏れ、逆手でシーツを強く握った。

「苦しいか?」

 窺うようなリュシアンの声に小さく首を振る。

「大丈夫。ただ、ずっと変な感じで。んうぅっ」

 指の動きが早くなり、中を擦る激しさが増した。息が乱れ荒い呼吸の中に声が混ざって、それがどんどん大きくなる。その時腹の奥側をく、っと押されて目の前に火花が散る。

「ああっ!」
「ここか」

 その瞬間から例えようがない快感が押し寄せた。まるで雷に打たれているような刺激に勝手に腰が跳ね、堪えきれない快感が声になって部屋の中に響く。

「リュシア、ぁああっ! やだ、そこいや……っ!」

 いつの間にか中に指が二本も入っていて、それがばらばらに俺の嫌なところを刺激する。目の前が真っ白になっていく。前を触られている時よりもずっと強い快感が襲い、目からは涙が溢れた。

「大丈夫だフィリアス。ほら、私を見るんだ」

 その声に固く閉じていた目を開け、縋るようにリュシアンに抱き着いた。中を擦る動きは止まらず、ずっと脳が焼けそうな快感が襲ってくる。
 腹の奥にどんどん熱が溜まっていって、もう堪えきれない。

「リュシアン、リュシアンっ……もうダメ、ぁ、~~っ!」

 溜まった熱が弾けて、腹の上に白濁がとろとろと流れていく。
 今までのどんな絶頂よりも激しかった快感に全身から力が抜け、余韻に体が震えた。

「フィリアス、頑張ったな」
「ん、リュシアン……」

 降ってくる口付けに笑みを浮かべ、中から指が抜かれる快感に息を漏らす。
 甘く舌を絡め合い、体温を分け合うように体を触れさせながらリュシアンが服を寛げる音がした。

「フィリアス」

 これから先の行為を俺は覚えている。リュシアンの強請るような声に頷くと、今日はうつ伏せに寝かせられた。
 それが不思議で後ろを振り返ったら、リュシアンが獰猛な光を目に宿したまま俺を見ているのがわかってまた全身が熱くなる。
 双丘と足の付け根にリュシアンの熱があてがわれ、そこからまた強い快感に翻弄された。声が上擦り、意図していないのに腰が浮いて全身がリュシアンを求めるように震える。

 何度も彼の名前を呼び、そして数え切れないくらいキスをしながら甘い時間を過ごす。
 リュシアンの熱が放たれ、幾度目かの絶頂を迎えた俺の耳元でリュシアンが俺の名前を囁く。それは呼んでいるとかではなく、ただ名前を言っているだけだとわかった。
 その行為に胸があたたかくなり、ほとんど意識もない中口を開く。

「夢なら、好きと言っても許されるだろうか」
「フィリアス、」
「好きなんだ。夢の中だけだから、好きでいるのを許してくれ」

 それにリュシアンからの返事はなかった。わかりきっていたことだから悲しくもない。むしろ迷惑だと言われなかったことが救いでもあった。

「ありがとうリュシアン」

 そう伝えて目を閉じると、俺はそのまま寝入ってしまった。だから俺は知らなかったのだ、俺が想いを伝えたあとリュシアンがどんな顔をしていたかを。

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