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第二部 絆ぐ伝説
第七話一三章 飲めや、唄え
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うおおおおおっ!
兵士たちの渾身の叫びが、ライン公国全土に響き渡る。各所に巨大な焚き火が焚かれ、そのまわりに兵士たちが群がり、公国中が祭りの舞台となったかのような大騒ぎ。
ロウワンたち、連合軍の参戦により、化け物相手の形勢は一気に逆転した。文字通りの『全滅』間近だったルドヴィクス率いる衛兵隊。その衛兵隊が対化け物用の武器を手に先陣を切って突撃した。
ここまで、多くの仲間を殺され、無念の思いを噛みしめながら後退にこうたいを重ねるしかなかった兵士たち。敵意と復讐心と、そして、憎悪とをたぎらせながら、それを化け物相手にぶつける術をもたず、歯がみするしかなかった兵士たちだ。化け物を殺せる武器を手に入れればやはり、強い。
憎悪と復讐心をたぎらせた衛兵たちが突撃し、くさびとなって化け物の群れを両断した。そのあとから二〇万を超える連合軍が押しよせ、踏みにじり、ついに、化け物たちをライン公国から一掃した。
最高指揮官であるロウワンが戦闘の終結を宣言するとあとはもう、怒濤の勢い。自然発生的にあちこちで焚き火が焚かれ、飲めや歌えの大騒ぎ。末端の兵士一人ひとりに至るまで、生き残った喜びを、勝利の喜びを、心行くまで爆発させ、堪能している。肉とワインが振る舞われ、久しぶりのご馳走をたらふく味わっている。
「水、食糧、衣服、その他日用品、ゴンドワナ商人の名に懸けて決して不自由させないことをお約束いたします」
誇り高く胸を張ってそう宣言したロスタムの言葉に嘘はなかった。大陸中に散らばるゴンドワナ商人の人脈。その人脈を総動員して大量の補給物資が用意され、陸路と言わず、水路と言わず、続々とこの地に運び込まれている。水やパンといった必需品はもちろん、肉やワインといった贅沢品までふんだんに用意されている。その量ときたら、すべてを一カ所に積みあげれば見上げるばかりに高い山ができるのではないかと思うほど。それこそ、この二〇万を越える大軍でも食べきれないのではないかと思わせるほどの量だった。
また、ミッキーたち、自由の国の誇る腕利きの料理人たちが腕によりをかけてご馳走を作り、振る舞っていることも兵士たちの大騒ぎに拍車をかけていた。
「うめえっ! お前ら、いつもこんなもの食ってんのかよ。兵士のくせに」
「おう、その通りだ。うまいもんをたらふく食えるのが海賊のいいところさ」
「くう~。うらやましい。おれも海賊になりゃあ、よかった」
「おいおい、なに言ってんだ。おれたちはもう海賊じゃねえ。れっきとした自由の国の兵士さまなんだぜ」
「心はいつでも海賊さまよ。自由を求める海賊さま。だからこそ、自由を奪おうってやつらとは死に物狂いで戦えるんじゃねえか」
「ちげえねえっ!」
兵士たちの豪快な笑い声が響き渡る。
また、別の場所では名も無きひとりの兵士が焚き火の前に座り込み、ニヤニヤと締まらない笑顔を浮かべていた。
それを見咎めた同僚が尋ねた。
「さっきから、なにを笑ってるんだ? 気持ち悪いぞ」
「いやあ、嬉しくってさ。ついつい」
「嬉しい?」
同僚は眉を潜めた。それは、名も無きひとりの兵士の言葉以上に、そのニヤけきった表情に対してのものだった。
名も無きひとりの兵士は言った。
「ああ。だって、考えてみろよ。おれたち、世界の未来を懸けて〝賢者〟たちと戦うんだぜ。まるで、物語に出てくる、勇者と一緒に魔王と戦う戦士みたいじゃないか。親父たちにも自慢してやれるし、女の子にだってモテモテだぜ、きっと。それを思うとニヤニヤがとまらないのさ」
「まったく……」
同僚はあきれたように首を左右に振った。
「それもこれも、すべては生き残れば、の話だろうが。そんな夢を見ていないで生き残ることを考えるんだな」
「わかってるって。平民に生まれ、貴族たちに足蹴にされ、食うために軍人になるしかなかったおれが英雄になって、女の子にモテモテで、人生大逆転の好機なんだ。何がなんでも生き残って、かわいい女の子たちに囲まれて暮らすぞおっ!」
名も無きひとりの兵士はそう叫んで拳を突きあげた。その顔にはまぎれもなく、未来に対するいっぱいの希望が弾けていた。
二〇万を越える兵士たちがそれぞれに焚き火を囲んで座り込み、酒とご馳走に舌鼓を打ち、それぞれの戦果を自慢しあい、未来への夢を見る。それは確かに戦場にあって『平和』と呼べる光景だった。
そんななか、ロウワンは野伏、行者、メリッサらと共に、本陣と定めた天幕のなかにいた。死んだ兵士たちを弔い、負傷者たちを見舞えるだけ見舞ったあとのことだった。
いかに、優位に立ったとは言え、銃弾も効かない化け物相手の殲滅戦。被害が出ないはずはなく、この戦いでも多くの死傷者が出た。
死者たちに対しては、せめて遺髪だけでも家族のもとに届けてやろうと髪の毛を一房、切り取った上で、その場に埋葬し、弔った。いずれはこの場に教会を建て、墓地として末永く見守っていく予定である。
負傷者のうち、軽傷のものたちはこの場で治療したあと、今後も参戦を望むものたちは部隊に留まり、参戦を望まないものたちは恩賞を受けとったあと、船に乗ってサラスヴァティー長海をくだり、サラフディンへと渡っていった。この恩給は――所属を問わず――ロウワンが自由の国の財源から出したものである。
重傷者に関してはこの場では満足な治療ができないので、とりあえずの応急処置を施したあと、船に乗せて、サラフディンへと運んだ。そこからさらに自由の国へと向かい、入院し、気の長い治療を受けることになる。
それができるのもすべて、いまは亡きボウが将来を見越して医療体制を整えていてくれたおかげ。その先見の明には感謝するしかない。もっとも――。
この場から動かすこともできない『本当の重傷者』に関しては、殺すことで苦しみから解放してやることしかできない。それが、いまの時代の医療技術の限界というものだった。
「『もうひとつの輝き』でも、医療に関する研究はしてきたんだけど……」
メリッサは悔しそうに言ったものである。
「世間に見つからないよう隠れ潜んでいた身では、人でも資金も不足していたから。満足な成果は出せなかったわ」
研究者として、怪我に苦しむ多くの兵士たちを殺す以外に救う方法がないという現実に対しては人一倍、忸怩たるものがあるのだろう。美しい顔を沈痛にゆがめ、唇を噛みしめながらそう言ったものである。
「それは、メリッサ師の責任ではありませんよ」
ことのほか熱心にそう慰めたのはロウワンである。
「五〇〇年前、『もうひとつの輝き』を弾圧した国々がそもそもの元凶なんです。そんなことをせずに世をあげて技術開発に取り組んでいれば今頃、医療技術だって格段に高くなっていた。苦しんでいる人たちを救うことだってできた。これからは、自由の国が後ろ盾としてあるんです。思う存分、研究に励み、新しい技術を開発してください」
「ええ、そうね。ありがとう、ロウワン」
メリッサは一〇近くも年下の若者にそう慰められて、かすかに微笑んだ。その様子を野伏や行者たちが内心ニヤニヤしながら見つめていたことには――。
どちらもまるで気がつかない、朴念仁なふたりであった。
兵士たちの大騒ぎに苦言を呈したのは、その『朴念仁』メリッサだった。『お堅い女教師』らしく、生真面目な表情と口調とで言ったものである。
「戦いに勝って嬉しいのはわかるけど……いくらなんでも浮かれすぎでしょう。こんなことでは、敵襲があったらひとたまりもないわ。羽目を外しすぎないよう釘を刺しておかないと」
「その心配はない」
『お堅い女教師』に対して、そう言ったのは野伏である。
「〝ブレスト〟とプリンスがすでに、兵士たちが羽目を外しすぎないよう巡回している。化け物どもに関して言えば、やつらが近くに潜んでいれば、おれや行者が気がつかないはずがない」
化け物たちはライン公国から一掃されたのと時を同じくして、他の五つの公国からもその姿を消した。おかげで、〝賢者〟たちの人質とされていたローラシア人たちも解放された。
かの人たちはそれぞれの家族と再会し、抱きあい、喜び合ったあと、それぞれの希望に応じてその場に残るもの、避難のためにゴンドワナに向かうもの、義勇兵として戦いに参加するものとにわかれ、それぞれに行動している。
「それに……」
行者も血のように紅い唇にあるかなしかのかすかな微笑を浮かべながら付け加えた。
「ビーブが獣士隊を率いてあたりを警戒しているからね。敵が接近しているならすぐに鳥たちが知らせてくれるよ」
その言葉に――。
ロウワンは溜め息をついた。
「ビーブ様々だな。本当に」
実際、ビーブ抜きでは獣や鳥たちの協力など得られたはずがない。人間では到底、及ばない力と速さ。空を飛べるという圧倒的な機動力。その上、人間のようにいちいち宴を開く必要もない。戦いが終わればすぐにあたりの警戒に乗り出してくれる。そのありがたさはまったく、骨身に染みる。
「ハルキス先生の島にいたときも、島を出たあとも、ビーブには世話になってばかりだ。まったく、頭があがらないよ」
「それなら……」
と、行者がイタズラっぽく片目を閉じて言ってのけた。
「早く、君の子どもを見せてあげることだね。ビーブはそれを楽しみにしているんだから」
その言葉に――。
ロウワンは真っ赤になってうつむいた。その隣でメリッサまで頬をかすかに赤く染めてそっぽを向いているあたりが、行者に言わせれば『意外に意識しているのかな?』と言うことになるのだった。
ともあれ、ロウワンたちがそんな会話をしている間にも外では兵士たちによる大騒ぎがつづいている。とくに、レムリア軍の陣営では、兵士たちを指揮する将軍たる立場にあるヴァレリが、得意の裸踊りを披露して兵士たちもやんやの大喝采だという。
『裸踊り』と聞いて『お堅い女教師』たるメリッサは顔をしかめたが、それが許されるのもヴァレリが戦場にあっては自ら先陣を切る勇猛な戦士であり、指揮官としても優秀だからである。もし、ヴァレリが陽気で大騒ぎするだけの無能な将軍だったなら、いかに遊び心あふれるレムリア人と言えど、文句のひとつも言いたくなっていただろう。もっとも――。
ちがう場所で、ちがう理由で文句をつけたものがいる。行者である。
――ヴァレリ将軍が裸踊りをはじめた。
そう聞いたとき、行者は薄い笑いを浮かべて言ったものである。
「やれやれ。あんなむさ苦しいおじさんが裸踊りだなんて粋ではないね。そういうことは、僕のような美しい少年がやってこそだよ」
と、あざとい態度でしなを作り、服をはだけて肩など出して見せる。白くなめらかな肌がむき出しになり、なんとも言えないなまめかしさを演出している。
「ふっ、愚かな」
そんな行者に、そう言ってのけたのは野伏である。
「鍛え抜かれた筋肉こそ、男の美。見ろ。これこそ、男の肉体美だ」
そう言って上衣をはだけ、筋肉の束に包まれた肉体を惜しげもなく披露してみせる。男ふたりの裸体の共演に――。
メリッサは思わず、ロウワンに視線をそそいでいた。その視線に、
「おれは脱がないぞ!」
思わず真っ赤になって叫び、跳びすさるロウワンだった。
そこへ、衛兵隊隊長、いや、いまやローラシアの抵抗の象徴となったルドヴィクスがやってきた。
「ロウワンどの」
「ル、ルドヴィクス卿……!」
いかにもホッとした様子で、ロウワンは来客を出迎えた。
ルドヴィクスはありったけの誠意と感謝の念を込めて、年下の若者相手に騎士の礼をとった。
「ありがとうございます、ロウワンどの。いえ、ロウワン卿。あなたが来てくれなければ、我々はとうに全滅していたところです。すべての兵士にかわって心よりお礼申しあげます」
そう言って頭をさげる仕種がなんとも重苦しそう。体が満足に動いていない。緊張が解けたことで、これまでの疲れがドッとのしかかっているのだ。それでも、その表情が晴れやかで安堵の念に満ちているのは、
――仲間たちをこれ以上、死なせずにすんだ。
という思いがあるからだ。
そんなルドヴィクスに対し、ロウワンは優しく微笑んだ。
「いえ、ルドヴィクス卿。お礼はセシルに言ってあげてください。かの人が自由の国まであなたの書状を届けてくれたからこそ、こちらの実情がわかり、軍を動かすことができたのですから」
「ええ。あの子は我が家の自慢です」
ルドヴィクスはてらいもせずに、そう言ってのけた。ふたりは微笑みを交わしあった。するとそこへ、今度は大陸日報の従軍記者ハーミドがやってきた。
「ロウワン卿! これをご覧ください。たったいま、本国から届いたところです」
「これ?」
ロウワンは眉をひそめた。ハーミドがいかにも喧嘩慣れした様子の手に握って差し出したのは、数枚の大きな紙を丸めたものだった。
「新聞?」
「そうです。私の書いた記事が新聞として発行され、この地まで運ばれてきたのです」
ハーミドは分厚い胸を反らし、誇らしげにそう言って見せた。
ロウワンはいぶかしげに丸められた新聞を開いた見せた。すると、そこには、一面にデカデカと描かれたロウワンの挿絵があった。
「これは……」
「ゴンドワナとローラシアの国境において、ロウワン卿の行った演説の内容とその様子です」
ハーミドはますます胸をそびやかして言う。
「私は文章だけではなく、絵も描きますからね。あのときのロウワン卿の勇姿と演説、そのすべてを余すことなく記事にして載せさせてもらいました」
その言葉通り、そこにはローラシア軍相手に叫ぶロウワンの姿と、そのときの叫びのすべてが一言一句、余すことなく記されていた。
ロウワンはたちまち真っ赤になった。
「これは……いくらなんでも褒めすぎですよ。あれは、一歩まちがえれば味方を全滅させる羽目になっていたきわどい賭けで……責められこそすれ、べた褒めされるようなことじゃない」
「ですが、勝算あってのことだったのでしょう?」
「……それはまあ。ローラシア軍が侵攻をためらっている。そう聞いたときに『それなら……』と思ったのは確かですけど」
「それならば! なにも気にすることはありません。あの姿、あの叫び。あれはまさしく、千年先まで伝説として語られるに足る出来事でしたよ」
「たしかに」
と、新聞を受けとったルドヴィクスも食い入るように紙面を見ながらうなずいた。
「ローラシア軍一五万の心を動かしただけのことはある。見事な叫びです」
そう言われて、ロウワンはますます真っ赤になった。
行者がおかしそうに笑い声を立てた
「ははは。あきらめて受け入れることだよ、ロウワン。君の望むことを広く世間に知らしめるのは大切なことだし、そのためには偶像となるのも必要なことだからね」
と、イタズラっぽく片目をつぶってみせる。
「その通りだな。人の前に出て、人の心を動かせないものは、指導者とはなれない」
野伏もそう言った。
「でも、ロウワン」
と、メリッサが『女教師』らしく、お堅い口調で言った。
「調子に乗っては駄目よ。偶像と、あなた本人とはちがうのだから」
すると、行者が肩をすくめて見せた。
「やれやれ、メリッサ。君は本当に真面目だね。それとも、ロウワンのことが心配でたまらないと言うことかな?」
「どういう意味よ⁉」
メリッサが叫び、笑い声が起こり、ロウワンが困ったような表情を浮かべたそのときだ。獣士隊を率いて警戒に出ていたビーブが戻ってきた。
「キキキ、キイ、キイ、キイ」
――おい、ロウワン。鳥たちからの報告だ。化け物どもが大公邸のまわりに集まっているってよ。
兵士たちの渾身の叫びが、ライン公国全土に響き渡る。各所に巨大な焚き火が焚かれ、そのまわりに兵士たちが群がり、公国中が祭りの舞台となったかのような大騒ぎ。
ロウワンたち、連合軍の参戦により、化け物相手の形勢は一気に逆転した。文字通りの『全滅』間近だったルドヴィクス率いる衛兵隊。その衛兵隊が対化け物用の武器を手に先陣を切って突撃した。
ここまで、多くの仲間を殺され、無念の思いを噛みしめながら後退にこうたいを重ねるしかなかった兵士たち。敵意と復讐心と、そして、憎悪とをたぎらせながら、それを化け物相手にぶつける術をもたず、歯がみするしかなかった兵士たちだ。化け物を殺せる武器を手に入れればやはり、強い。
憎悪と復讐心をたぎらせた衛兵たちが突撃し、くさびとなって化け物の群れを両断した。そのあとから二〇万を超える連合軍が押しよせ、踏みにじり、ついに、化け物たちをライン公国から一掃した。
最高指揮官であるロウワンが戦闘の終結を宣言するとあとはもう、怒濤の勢い。自然発生的にあちこちで焚き火が焚かれ、飲めや歌えの大騒ぎ。末端の兵士一人ひとりに至るまで、生き残った喜びを、勝利の喜びを、心行くまで爆発させ、堪能している。肉とワインが振る舞われ、久しぶりのご馳走をたらふく味わっている。
「水、食糧、衣服、その他日用品、ゴンドワナ商人の名に懸けて決して不自由させないことをお約束いたします」
誇り高く胸を張ってそう宣言したロスタムの言葉に嘘はなかった。大陸中に散らばるゴンドワナ商人の人脈。その人脈を総動員して大量の補給物資が用意され、陸路と言わず、水路と言わず、続々とこの地に運び込まれている。水やパンといった必需品はもちろん、肉やワインといった贅沢品までふんだんに用意されている。その量ときたら、すべてを一カ所に積みあげれば見上げるばかりに高い山ができるのではないかと思うほど。それこそ、この二〇万を越える大軍でも食べきれないのではないかと思わせるほどの量だった。
また、ミッキーたち、自由の国の誇る腕利きの料理人たちが腕によりをかけてご馳走を作り、振る舞っていることも兵士たちの大騒ぎに拍車をかけていた。
「うめえっ! お前ら、いつもこんなもの食ってんのかよ。兵士のくせに」
「おう、その通りだ。うまいもんをたらふく食えるのが海賊のいいところさ」
「くう~。うらやましい。おれも海賊になりゃあ、よかった」
「おいおい、なに言ってんだ。おれたちはもう海賊じゃねえ。れっきとした自由の国の兵士さまなんだぜ」
「心はいつでも海賊さまよ。自由を求める海賊さま。だからこそ、自由を奪おうってやつらとは死に物狂いで戦えるんじゃねえか」
「ちげえねえっ!」
兵士たちの豪快な笑い声が響き渡る。
また、別の場所では名も無きひとりの兵士が焚き火の前に座り込み、ニヤニヤと締まらない笑顔を浮かべていた。
それを見咎めた同僚が尋ねた。
「さっきから、なにを笑ってるんだ? 気持ち悪いぞ」
「いやあ、嬉しくってさ。ついつい」
「嬉しい?」
同僚は眉を潜めた。それは、名も無きひとりの兵士の言葉以上に、そのニヤけきった表情に対してのものだった。
名も無きひとりの兵士は言った。
「ああ。だって、考えてみろよ。おれたち、世界の未来を懸けて〝賢者〟たちと戦うんだぜ。まるで、物語に出てくる、勇者と一緒に魔王と戦う戦士みたいじゃないか。親父たちにも自慢してやれるし、女の子にだってモテモテだぜ、きっと。それを思うとニヤニヤがとまらないのさ」
「まったく……」
同僚はあきれたように首を左右に振った。
「それもこれも、すべては生き残れば、の話だろうが。そんな夢を見ていないで生き残ることを考えるんだな」
「わかってるって。平民に生まれ、貴族たちに足蹴にされ、食うために軍人になるしかなかったおれが英雄になって、女の子にモテモテで、人生大逆転の好機なんだ。何がなんでも生き残って、かわいい女の子たちに囲まれて暮らすぞおっ!」
名も無きひとりの兵士はそう叫んで拳を突きあげた。その顔にはまぎれもなく、未来に対するいっぱいの希望が弾けていた。
二〇万を越える兵士たちがそれぞれに焚き火を囲んで座り込み、酒とご馳走に舌鼓を打ち、それぞれの戦果を自慢しあい、未来への夢を見る。それは確かに戦場にあって『平和』と呼べる光景だった。
そんななか、ロウワンは野伏、行者、メリッサらと共に、本陣と定めた天幕のなかにいた。死んだ兵士たちを弔い、負傷者たちを見舞えるだけ見舞ったあとのことだった。
いかに、優位に立ったとは言え、銃弾も効かない化け物相手の殲滅戦。被害が出ないはずはなく、この戦いでも多くの死傷者が出た。
死者たちに対しては、せめて遺髪だけでも家族のもとに届けてやろうと髪の毛を一房、切り取った上で、その場に埋葬し、弔った。いずれはこの場に教会を建て、墓地として末永く見守っていく予定である。
負傷者のうち、軽傷のものたちはこの場で治療したあと、今後も参戦を望むものたちは部隊に留まり、参戦を望まないものたちは恩賞を受けとったあと、船に乗ってサラスヴァティー長海をくだり、サラフディンへと渡っていった。この恩給は――所属を問わず――ロウワンが自由の国の財源から出したものである。
重傷者に関してはこの場では満足な治療ができないので、とりあえずの応急処置を施したあと、船に乗せて、サラフディンへと運んだ。そこからさらに自由の国へと向かい、入院し、気の長い治療を受けることになる。
それができるのもすべて、いまは亡きボウが将来を見越して医療体制を整えていてくれたおかげ。その先見の明には感謝するしかない。もっとも――。
この場から動かすこともできない『本当の重傷者』に関しては、殺すことで苦しみから解放してやることしかできない。それが、いまの時代の医療技術の限界というものだった。
「『もうひとつの輝き』でも、医療に関する研究はしてきたんだけど……」
メリッサは悔しそうに言ったものである。
「世間に見つからないよう隠れ潜んでいた身では、人でも資金も不足していたから。満足な成果は出せなかったわ」
研究者として、怪我に苦しむ多くの兵士たちを殺す以外に救う方法がないという現実に対しては人一倍、忸怩たるものがあるのだろう。美しい顔を沈痛にゆがめ、唇を噛みしめながらそう言ったものである。
「それは、メリッサ師の責任ではありませんよ」
ことのほか熱心にそう慰めたのはロウワンである。
「五〇〇年前、『もうひとつの輝き』を弾圧した国々がそもそもの元凶なんです。そんなことをせずに世をあげて技術開発に取り組んでいれば今頃、医療技術だって格段に高くなっていた。苦しんでいる人たちを救うことだってできた。これからは、自由の国が後ろ盾としてあるんです。思う存分、研究に励み、新しい技術を開発してください」
「ええ、そうね。ありがとう、ロウワン」
メリッサは一〇近くも年下の若者にそう慰められて、かすかに微笑んだ。その様子を野伏や行者たちが内心ニヤニヤしながら見つめていたことには――。
どちらもまるで気がつかない、朴念仁なふたりであった。
兵士たちの大騒ぎに苦言を呈したのは、その『朴念仁』メリッサだった。『お堅い女教師』らしく、生真面目な表情と口調とで言ったものである。
「戦いに勝って嬉しいのはわかるけど……いくらなんでも浮かれすぎでしょう。こんなことでは、敵襲があったらひとたまりもないわ。羽目を外しすぎないよう釘を刺しておかないと」
「その心配はない」
『お堅い女教師』に対して、そう言ったのは野伏である。
「〝ブレスト〟とプリンスがすでに、兵士たちが羽目を外しすぎないよう巡回している。化け物どもに関して言えば、やつらが近くに潜んでいれば、おれや行者が気がつかないはずがない」
化け物たちはライン公国から一掃されたのと時を同じくして、他の五つの公国からもその姿を消した。おかげで、〝賢者〟たちの人質とされていたローラシア人たちも解放された。
かの人たちはそれぞれの家族と再会し、抱きあい、喜び合ったあと、それぞれの希望に応じてその場に残るもの、避難のためにゴンドワナに向かうもの、義勇兵として戦いに参加するものとにわかれ、それぞれに行動している。
「それに……」
行者も血のように紅い唇にあるかなしかのかすかな微笑を浮かべながら付け加えた。
「ビーブが獣士隊を率いてあたりを警戒しているからね。敵が接近しているならすぐに鳥たちが知らせてくれるよ」
その言葉に――。
ロウワンは溜め息をついた。
「ビーブ様々だな。本当に」
実際、ビーブ抜きでは獣や鳥たちの協力など得られたはずがない。人間では到底、及ばない力と速さ。空を飛べるという圧倒的な機動力。その上、人間のようにいちいち宴を開く必要もない。戦いが終わればすぐにあたりの警戒に乗り出してくれる。そのありがたさはまったく、骨身に染みる。
「ハルキス先生の島にいたときも、島を出たあとも、ビーブには世話になってばかりだ。まったく、頭があがらないよ」
「それなら……」
と、行者がイタズラっぽく片目を閉じて言ってのけた。
「早く、君の子どもを見せてあげることだね。ビーブはそれを楽しみにしているんだから」
その言葉に――。
ロウワンは真っ赤になってうつむいた。その隣でメリッサまで頬をかすかに赤く染めてそっぽを向いているあたりが、行者に言わせれば『意外に意識しているのかな?』と言うことになるのだった。
ともあれ、ロウワンたちがそんな会話をしている間にも外では兵士たちによる大騒ぎがつづいている。とくに、レムリア軍の陣営では、兵士たちを指揮する将軍たる立場にあるヴァレリが、得意の裸踊りを披露して兵士たちもやんやの大喝采だという。
『裸踊り』と聞いて『お堅い女教師』たるメリッサは顔をしかめたが、それが許されるのもヴァレリが戦場にあっては自ら先陣を切る勇猛な戦士であり、指揮官としても優秀だからである。もし、ヴァレリが陽気で大騒ぎするだけの無能な将軍だったなら、いかに遊び心あふれるレムリア人と言えど、文句のひとつも言いたくなっていただろう。もっとも――。
ちがう場所で、ちがう理由で文句をつけたものがいる。行者である。
――ヴァレリ将軍が裸踊りをはじめた。
そう聞いたとき、行者は薄い笑いを浮かべて言ったものである。
「やれやれ。あんなむさ苦しいおじさんが裸踊りだなんて粋ではないね。そういうことは、僕のような美しい少年がやってこそだよ」
と、あざとい態度でしなを作り、服をはだけて肩など出して見せる。白くなめらかな肌がむき出しになり、なんとも言えないなまめかしさを演出している。
「ふっ、愚かな」
そんな行者に、そう言ってのけたのは野伏である。
「鍛え抜かれた筋肉こそ、男の美。見ろ。これこそ、男の肉体美だ」
そう言って上衣をはだけ、筋肉の束に包まれた肉体を惜しげもなく披露してみせる。男ふたりの裸体の共演に――。
メリッサは思わず、ロウワンに視線をそそいでいた。その視線に、
「おれは脱がないぞ!」
思わず真っ赤になって叫び、跳びすさるロウワンだった。
そこへ、衛兵隊隊長、いや、いまやローラシアの抵抗の象徴となったルドヴィクスがやってきた。
「ロウワンどの」
「ル、ルドヴィクス卿……!」
いかにもホッとした様子で、ロウワンは来客を出迎えた。
ルドヴィクスはありったけの誠意と感謝の念を込めて、年下の若者相手に騎士の礼をとった。
「ありがとうございます、ロウワンどの。いえ、ロウワン卿。あなたが来てくれなければ、我々はとうに全滅していたところです。すべての兵士にかわって心よりお礼申しあげます」
そう言って頭をさげる仕種がなんとも重苦しそう。体が満足に動いていない。緊張が解けたことで、これまでの疲れがドッとのしかかっているのだ。それでも、その表情が晴れやかで安堵の念に満ちているのは、
――仲間たちをこれ以上、死なせずにすんだ。
という思いがあるからだ。
そんなルドヴィクスに対し、ロウワンは優しく微笑んだ。
「いえ、ルドヴィクス卿。お礼はセシルに言ってあげてください。かの人が自由の国まであなたの書状を届けてくれたからこそ、こちらの実情がわかり、軍を動かすことができたのですから」
「ええ。あの子は我が家の自慢です」
ルドヴィクスはてらいもせずに、そう言ってのけた。ふたりは微笑みを交わしあった。するとそこへ、今度は大陸日報の従軍記者ハーミドがやってきた。
「ロウワン卿! これをご覧ください。たったいま、本国から届いたところです」
「これ?」
ロウワンは眉をひそめた。ハーミドがいかにも喧嘩慣れした様子の手に握って差し出したのは、数枚の大きな紙を丸めたものだった。
「新聞?」
「そうです。私の書いた記事が新聞として発行され、この地まで運ばれてきたのです」
ハーミドは分厚い胸を反らし、誇らしげにそう言って見せた。
ロウワンはいぶかしげに丸められた新聞を開いた見せた。すると、そこには、一面にデカデカと描かれたロウワンの挿絵があった。
「これは……」
「ゴンドワナとローラシアの国境において、ロウワン卿の行った演説の内容とその様子です」
ハーミドはますます胸をそびやかして言う。
「私は文章だけではなく、絵も描きますからね。あのときのロウワン卿の勇姿と演説、そのすべてを余すことなく記事にして載せさせてもらいました」
その言葉通り、そこにはローラシア軍相手に叫ぶロウワンの姿と、そのときの叫びのすべてが一言一句、余すことなく記されていた。
ロウワンはたちまち真っ赤になった。
「これは……いくらなんでも褒めすぎですよ。あれは、一歩まちがえれば味方を全滅させる羽目になっていたきわどい賭けで……責められこそすれ、べた褒めされるようなことじゃない」
「ですが、勝算あってのことだったのでしょう?」
「……それはまあ。ローラシア軍が侵攻をためらっている。そう聞いたときに『それなら……』と思ったのは確かですけど」
「それならば! なにも気にすることはありません。あの姿、あの叫び。あれはまさしく、千年先まで伝説として語られるに足る出来事でしたよ」
「たしかに」
と、新聞を受けとったルドヴィクスも食い入るように紙面を見ながらうなずいた。
「ローラシア軍一五万の心を動かしただけのことはある。見事な叫びです」
そう言われて、ロウワンはますます真っ赤になった。
行者がおかしそうに笑い声を立てた
「ははは。あきらめて受け入れることだよ、ロウワン。君の望むことを広く世間に知らしめるのは大切なことだし、そのためには偶像となるのも必要なことだからね」
と、イタズラっぽく片目をつぶってみせる。
「その通りだな。人の前に出て、人の心を動かせないものは、指導者とはなれない」
野伏もそう言った。
「でも、ロウワン」
と、メリッサが『女教師』らしく、お堅い口調で言った。
「調子に乗っては駄目よ。偶像と、あなた本人とはちがうのだから」
すると、行者が肩をすくめて見せた。
「やれやれ、メリッサ。君は本当に真面目だね。それとも、ロウワンのことが心配でたまらないと言うことかな?」
「どういう意味よ⁉」
メリッサが叫び、笑い声が起こり、ロウワンが困ったような表情を浮かべたそのときだ。獣士隊を率いて警戒に出ていたビーブが戻ってきた。
「キキキ、キイ、キイ、キイ」
――おい、ロウワン。鳥たちからの報告だ。化け物どもが大公邸のまわりに集まっているってよ。
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