壊れたオルゴール ~三つの伝説~

藍条森也

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第二部 絆ぐ伝説

第一一話一七章 第二の暗雲

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 東の空を埋め尽くし、翼のある異形いぎょうたちが雲霞うんかのごとくやってくる。押しよせてくる。世界を真っ黒に押し包み、翼の音を立ててやってくるその様は、遠目にはまるで何億というが群れ集うことで生まれた、天へとのぼる蚊柱かばしらのように見えた。
 呑み込まればたちまちにして、体中に針を突き立てられて血液という血液を吸い尽くされ、ミイラと化して息絶える。
 そんな、恐ろしい蚊柱かばしら
 近づいてくるにつれ、それよりさらに恐ろしい存在であることが見てとれた。
 クマの体の各所から石を生やし、両腕を翼にかえた異形いぎょうがいる。
 ひとつの体に三つの首、背中からは木の根のような翼を生やしたイヌの姿の異形いぎょうがいる。
 どこかの家の石壁だろうか。ゴツゴツとしたいくつもの石が組み合わさった壁となり、渦巻く風をまとって飛んでくる異形いぎょうがいる。
 空を埋め尽くして描かれる、空飛ぶ異形いぎょうの百鬼夜行絵図。
 それはまさにマークスⅡの言った『水や土、大気にいたるまでが亡道もうどう怪物かいぶつと化して襲ってくる』という言葉を現実のものとした姿だった。
 空飛ぶ百鬼夜行絵図はたちまちのうちに空を渡り、砦の上へとやって来た。空が、雲が、太陽が、そのすべてが空飛ぶ異形いぎょうの群れに覆われ、押しかくされ、砦はたちまち作られし夜に閉ざされた。頭の上から降りかかる羽ばたきの音が、何億、何十億というの羽音のように轟き、恐ろしい不快感を与え、人の精神にヤスリをかける。ゴリゴリと削っていく。その様子に――。
 砦に残る兵士たちは空を見上げて絶望の表情を浮かべていた。手にした小銃を空に向けることも忘れて腕をだらりとさげて、そのときをまつしかなかった。
 ギシャアアアッ!
 叫び声が聞こえた。
 世にもおぞましい叫び声が。
 空を埋め尽くす空飛ぶ異形いぎょう。そのうちの『なに』が発した声なのかはわからない。一体の声なのか、複数の声なのか、それとも、群れ全体で一斉にあげた声なのか。それすらもわからない。
 わかったことはただひとつ。その声を合図に空を埋め尽くす空飛ぶ異形いぎょうが一斉に降下し、砦に残る兵士たちに襲いかかった、その一点。
 悲鳴があがった。
 別の意味でおぞましい悲鳴が。
 人間とはここまで恥も外聞もかなぐり捨てて、純粋に恐怖に震える声を発することができるものなのか。
 聞くものにそう思わせ、人間に対する信頼や希望と言ったものを根こそぎ砕いてしまうような、そんな情けなさを極めた悲鳴。
 だからと言って、そんな悲鳴を発したことを誰が責められるだろう。それほどに絶望的な事態であったのだから。
 「怖れるな!」
 砦を預かる責任者である平等の国リンカーンの王、漆黒の肌と剽悍ひょうかんさから『黒豹』とも呼ばれるプリンスが決死の勇を振り起こして叫んだ。
 「銃を向けろ! 弾がつづく限り、撃ちつづけろ! 倒す必要はない。弾幕を張って近づけるな! 時間を稼げば地上の敵を片付けたマークスⅡが助けにやってくる、いまの時代を守る英雄がだ! 必ず勝てるぞ!」
 愛用のカトラスを引き抜いてそう叫ぶ。
 兵士たちを鼓舞するためとはいえ、その叫びの空しさは誰よりもプリンス自身が知っている。マークスⅡ率いる軍勢は一〇万を数えるパンゲア正規騎士団と激突中なのだ。助けに来る余裕などあるはずがない。充分な時間さえあれば地上の敵を殲滅せんめつし、助けにやってこられるかも知れない。しかし、それほどの時間、砦の兵士たちが持ちこたえることなどできないだろう。なにしろ、砦に集まった戦力のほとんどは地上の敵と戦うために出撃させており、砦内に残っているのは負傷兵と非常事態が起きたときのための少数の予備兵力だけなのだから。
 そのわずかな兵力を総動員したところで、空から攻める無数の怪物たちを相手に長い時間、持ちこたえることなどできるはずもない。そのはるか以前に全滅させられてしまうだろう。かと言って、マークスⅡたちが砦の兵士たちを助けるために反転しようとすれば、その後背をパンゲア騎士団に襲われて壊滅することになる。
 マークスⅡたちの軍勢を生き残らせるためには、砦の兵士たちを見捨てるしかない。
 いや、砦を守る兵士たちが全滅し、砦を占領されてしまえば、マークスⅡたちの命運もまた尽きる。補給を受けることも、治療を受けることもできなくなり、わずかな時間でも身を休めることのできる場所も失うことになる。前後を敵にはさまれ、双方向からの攻撃を受け、徐々に包囲をせばめられ、最後の一兵まで押し殺されることになる。そうなれば、世界は……。
 ――やつら……まさか、最初からこれが狙いだったのか? 地上部隊をあえて囮に使い、こちらの主力を砦から引きはなしたのか? 空からの急襲を成功させ、砦を一気に制圧するために……。
 プリンスは心にそう思った。それはまさに深刻な疑問だった。それは決して、知能のない怪物のすることではない。軍略にけた人間のやることだ。すべてが計画通りだというのならそれは、もはやいままでのような単純な力押しではない。人間ならではの計略に従って行動していることになる。
 ――亡道もうどう怪物かいぶつになっても人間の知恵は残っているのか。おれたちは人間の知恵と技術をもった不死身の怪物と戦わなくてはならないのか……。
 その事態を恐怖と言わずになんと言えばいいのだろう。さしもの勇敢なプリンスの心にも絶望の波がヒタヒタと押しよせてきていた。
 ――くそっ! 負けてたまるか! おれには妻と子がいるんだ。ふたりを守らなくてはならないんだっ!
 その思いだけで心を覆い尽くそうとする絶望の霧を振り払う。しかし――。
 だからと言って、どうすればいいのだろう。
 どうすれば、この状況を覆せるというのだろう。
 亡道もうどう怪物かいぶつたちは次々と空からおりてきては襲撃を繰り返す。兵士たちも黙ってやられているわけではない。勇気というより恐怖に駆られ、手にした武器を振りまわし、銃を撃ちまくる。しかし、空飛ぶ異形いぎょうたちには届かない。羽ばたきの音と共にすべての攻撃をかわし、決死の勇が途切れた一瞬を見透かして降下しては兵士たちを血祭りにあげていく。まるで、得物を狙って降下するハヤブサのように。
 砦はたちまち血の色に染まり、悲鳴が連鎖した。銃の発砲音も、爆砕ばくさいしゃの砲撃音すらも、いまのこの状況では絶望を彩る悲報、敗北を告げる鐘の音に過ぎない。
 「くそっ、こいつら! あっち行け!」
 セアラの悲鳴が響いた。さしもの元気者のセアラも空飛ぶ異形いぎょうに襲われ、身を守るのが精一杯。どうすることもできずにいる。
 プリンス自身、愛用のカトラスを振るってはいるものの空を舞う相手にかすらせることすらできず、相手を近づけないようにするのがせいぜいのところ。血祭りにあげられる兵士たちを助けに行くどころか、まともに指揮を執る余裕すらない。
 ――くそっ! 空から襲ってくることに気がつかなかったとは……!
 プリンスは心に叫び、自分自身をののしった。
 亡道もうどう怪物かいぶつに自分たちの常識は通用しない。すべてが混じりあった怪物。生物も、非生物も、水や、土や、大気でさえも、怪物となって襲ってくる。それならば――。
 空を飛び、水に潜り、大地を削って襲ってくる。
 そのことは当然、予想できたし、予想しておくべきだったろう。
 それを予想できず、戦力の大半を地上の敵に向けてしまい、砦の守りを手薄にしたのはプリンスの失策だったとも言える。とはいえ、そのことを攻めるのは酷だろう。人間同士の戦いでは空から襲われることなどあり得ない。その常識が染みついているだけに『空から襲われる』という発想はまるでなかった。
 プリンスだけではない。現代を守る英雄マークスⅡ、妖怪の群れをその身に宿した人外の戦士たる野伏のぶせ、ありとあらゆる修羅場をくぐり抜けてきた東方世界最強の宿将しゅくしょう方天ほうてん将軍。かのたちですら『空から襲ってくる』などとはチラとも考えつかなかったのだから。
 だからと言って『仕方ない』などと言って片付けられる場合ではなかった。このままでは砦を守る兵士たちが全滅するのは時間の問題。そうなれば、怪物たちは砦の奥深くまで侵入していく。そんなことになれば、砦にいるトウナとフォーチュンも……。
 ――くそっ! そうはさせるか! トウナとフォーチュンは守ってみせる!
 プリンスは心に叫ぶ。
 しかし、どうやって?
 どうすれば、この怪物どもを追い払い、愛する妻と子を守ることができる?
 その方法がわからない。わからないままに必死にカトラスを振るう。
 あるいは奇跡が起きてマークスⅡたちが地上の敵を早々に殲滅せんめつし、助けに来てくれるのでは?
 そんな淡い期待を抱いて地上の様子を横目に見る。すると、そこではやはり、想像通りの光景が展開されていた。マークスⅡ率いる軍勢とパンゲア騎士団とが真っ向からぶつかり合い、死闘を演じている。とてもではないが、その場をはなれて助けに来られる状況ではない。そして、この状況では、地上の戦いが終わる頃には砦のなかに生きた人間はひとりもいなくなっていることだろう。そのすべてが亡道もうどう怪物かいぶつと化した異界と成り果てているにちがいない。
 ――そうはさせるかっ! 絶対にさせない!
 プリンスのそんな思いも空回るばかり。敵にかすることすらなく空しく宙を裂くばかりのカトラスの刃のように、意味もなく振りまわされるだけ。そして――。
 さらなる絶望はやって来た。
 「プリンス! あれっ!」
 セアラが叫んだ。片方の手で頭をかばいながら、もう片方の手で東の空を指さしている。
 プリンスは東の空を見た。呻いた。そこに表われていたのは新たなる暗雲。最初の暗雲に倍するほどに彼方まで広がり、空という空を埋め尽くしてやってくる新たな翼あるものたちの群れだった。
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