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第二部 絆ぐ伝説
第一一話一九章 次なる一手は
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地鳴りが響き、移動する。
何万という重々しい足音が大地を揺らしながら走り抜ける。
ゾウが、
サイが、
ライオンが、
その他、大地中から集まった獣の群れが足音を響かせて激走し、亡道の軍勢を真っ二つに断ち割っていく。その様はまさに、木に直撃し、その幹を真っ二つに断ち割る稲妻のよう。
大自然の怒り。
そう呼ぶにふさわしい光景だった。
その獣たちの群れを率いるのは一頭のサル。先頭をひた走るひときわ大きなゾウの背に乗り、跳びはねながら叫んでいる。
「キキイ、キイ、キイ、キイ!」
――進め、すすめ! この世界はおれたちのものだ! よそものどもにデカい面をさせてたらおれたちの名折れだぞ!
ビーブ。現代を守る英雄マークスⅡの兄貴分にして自由の国の第一の戦士。そのビーブの叱咤の声、というより、けしかける叫びに踊らされるように獣の群れは疾走する。
もちろん、天命の理の影響も受けていないただの獣たちに亡道の怪物を殺すことはできない。しかし、人間にはとうてい持ち得ないその巨体と力にものをいわせて当たるを幸いなぎ倒し、吹き飛ばし、道を開く。強引に突き進み、亡道の軍勢を両断していく。数万に及ぶ軍勢のなかからその一部を切り取り、孤立させていく。
とまることを知らない巨大な落石と化した獣たちの群れは亡道の軍勢を一気に切り裂き、反対側に突き抜けた。そこで急激に弧を描いて道を戻り、再び亡道の軍勢のただなかに突撃する。ジグザグに、稲妻状に、亡道の軍勢のなかを走り抜け、列を乱し、整然たる軍列をかき乱し、単なる群れへとかえていく。
その勢いの良さは見ていて爽快なほどで、亡道の軍勢と対峙する人間の兵士たちの間から歓声が湧き起こったほどだ。
実際、自分たちの知る獣たちがこんなにも頼もしく見えたことはいままでになかっただろう。一瞬、自分たちの戦いを忘れて両腕を振りあげ、応援しだしたほどだ。それこそ、サッカーの試合でひいきのチームを応援するファンのように。
歓声を浴びる獣士隊の姿を見ながら、野伏が感心した声をあげた。
「さすがだな、ビーブ。一撃離脱を繰り返して敵陣を切り裂き軍列を乱すとは、兵法を心得ている」
「知識と言うより、本能の為せる業なんだろうけど……」
行者が血のように紅い唇に、こちらは白魚のように細くて白い指を当てながら苦笑した。
「それにしても、見事な登場だったね。ビーブのことだ。自分の出番を計っていたにちがいないね」
「たしかにな」
と、マークスⅡも苦笑した。現代を守る英雄という自覚からか、感情を失っているかのようにも見えたマークスⅡだが、このときばかりは感情豊かな若者らしい表情になっていた。
「では、こちらも負けてはいられないな」
野伏が太刀を振るって、目の前の亡道の怪物を斬り捨てながら言った。
「突撃の時期を計るとしよう。せっかく、我らが朋友が敵陣をかき乱してくれているんだ。この機を生かせないようでは『使えないやつ』と馬鹿にされるぞ」
「その通りだな」
マークスⅡがもう一度、苦笑しながらうなずいた。
後ろを振り向く。砦の上はすでに深紅の猛火によって染めあげられており、濛々たる黒煙が噴きあがっている。そのさらに上空ではいまなお、空飛ぶ異形と鳥たちの激闘が繰り広げられている。
一対一での戦闘力においては空飛ぶ異形たちの方が圧倒的に強い。しかし、鳥たちは群れをなして襲いかかり嘴を突き立て、爪で切り裂き、翼を打ちつけて、空飛ぶ異形を自分たちの世界から叩き落とそうとする。燃えさかる炎のなかに叩き落とし、消し去ろうとしている。
ただ一体の異形を相手に何羽もの鳥が同時に襲いかかり、まわりを囲み、羽を散らしながら争いつづける。その姿、それはまさに、
――一羽で駄目なら二羽で、二羽で駄目なら、三羽で、三羽でも駄目ならもっともっと大勢の数で! 必ず、しとめてやる! 必ずだ!
そんな叫びが聞こえてくるありさまだった。
そして、その心にのみ響く叫びを残しながら嘴を、爪を、空飛ぶ異形の体に突き立て、もつれ合ったまま猛火のなかに落ちていく。自分の命を武器に異形たちを始末していく。
――この世界はおれたちが守る!
その覚悟を見せつける姿に、どうしようもなく胸が熱くなる。
「そう。おれたちはひとりじゃない。おれたちには無数の仲間がいるんだ」
マークスⅡはそのことを改めて認識し、大きくうなずいた。
「それに、プリンス。さすがだな。躊躇なく砦の上に火をつけ、焼き払うとは。いま、なにを為すべきかがよくわかっている」
「ああ、その通りだ。その果断さ、さすが『黒豹』と呼ばれるだけのことはあるな」
戦場経験においては圧倒的に上回る野伏でさえ、そう認めるプリンスの指揮振りだった。
「呑気に感心している場合?」
冷ややかな声がした。
いつやって来たのか、気がつくと〝ブレスト〟・ザイナブがそこにいた。
冷酷無比な男殺し。その名で知られる双剣の女剣士が、顔中に巻きつけた布の隙間から切れ長のふたつの目だけを覗かせてマークスⅡを見据えている。その視線は控えめに言っても『冷えびえとした』と言ったもので、気の弱い人間ならその視線ひとつで『おれ、なにか悪いことした⁉』と、震えあがってしまうようなものだった。
「こちらは始末したわ。さっさと突撃の指示を出しなさい。でないと……」
役立たずは殺す。
全人類の代表に対して、はっきりとそう言ってのける男殺しの〝ブレスト〟・ザイナブだった。
マークスⅡは思わず三度目の苦笑をもらしていた。この状況で、これほど冷たい言葉を投げかけられて、それでもなお、苦笑するだけの余裕がマークスⅡにはあった。それはまさに、数々の修羅場をくぐり抜けることで鍛えられた精神のたくましさだった。
〝ブレスト〟・ザイナブの言葉は正しかった。ヴァレリと、方天将軍のふたりも部下を率いてこちらにやってくる。本隊から切りはなして包囲した敵軍。その敵軍を一体残らず始末してやってきたのだ。
もはや、後背に憂いはない。そして、目の前に立ちふさがる敵はビーブたち獣士隊に内部をかき乱され、軍列を乱している。内臓を食い荒らされ、苦悶にあえぐ巨獣のように。
となれば、躊躇する理由はない。
マークスⅡは叫んだ。
「突撃だ! 一気に敵軍を殲滅する!」
地上においてマークスⅡが突撃を指示した、そのとき――。
砦においてはプリンスが次の行動に移っていた。
「火を絶やすな! 油を撒きつづけろ! 戦闘員は全員、砦のなかに戻れ!」
「ちょっと! あいつらをどうする気⁉ 放っておく気なの⁉」
セアラは思わず抗議の声をあげた。
プリンスは相手にしなかった。砦のなかにおりる階段を走るのではなく、飛び降りながら叫んだ。
「空飛ぶ異形の相手は鳥たちに任せておけ! それより、砦のなかだ。砦にいる人間、全員、中層に移動させろ! 怪我人もすべてだ! 急げ!」
「無茶だよ、そんなの!」
プリンスのあまりの勢いにつられて、一緒に階段を飛び降りているセアラが叫び返した。
「ろくに動かせない重傷人だっていっぱいいるんだよ⁉ 中層に移動させるなんてできないよ!」
「移動させなければ重傷人がただの死体になる!」
「どういうこと⁉」
「やつらは空から襲ってきた。ならば、次に攻めてくるのはどこだ?」
セアラは一瞬、プリンスの言葉が理解できなかった。それでも、もともとが論理的で聡明な頭脳の持ち主。すぐにプリンスの言葉を理解した。跳ねあがったショートヘアに包まれた愛らしい顔が見るみる青くなる。
「まさか……」
「穴を掘って地下から攻め込むのは、城攻めの常道だ!」
プリンスがそう叫んだとき――。
砦の下層から悲鳴が響いた。
何万という重々しい足音が大地を揺らしながら走り抜ける。
ゾウが、
サイが、
ライオンが、
その他、大地中から集まった獣の群れが足音を響かせて激走し、亡道の軍勢を真っ二つに断ち割っていく。その様はまさに、木に直撃し、その幹を真っ二つに断ち割る稲妻のよう。
大自然の怒り。
そう呼ぶにふさわしい光景だった。
その獣たちの群れを率いるのは一頭のサル。先頭をひた走るひときわ大きなゾウの背に乗り、跳びはねながら叫んでいる。
「キキイ、キイ、キイ、キイ!」
――進め、すすめ! この世界はおれたちのものだ! よそものどもにデカい面をさせてたらおれたちの名折れだぞ!
ビーブ。現代を守る英雄マークスⅡの兄貴分にして自由の国の第一の戦士。そのビーブの叱咤の声、というより、けしかける叫びに踊らされるように獣の群れは疾走する。
もちろん、天命の理の影響も受けていないただの獣たちに亡道の怪物を殺すことはできない。しかし、人間にはとうてい持ち得ないその巨体と力にものをいわせて当たるを幸いなぎ倒し、吹き飛ばし、道を開く。強引に突き進み、亡道の軍勢を両断していく。数万に及ぶ軍勢のなかからその一部を切り取り、孤立させていく。
とまることを知らない巨大な落石と化した獣たちの群れは亡道の軍勢を一気に切り裂き、反対側に突き抜けた。そこで急激に弧を描いて道を戻り、再び亡道の軍勢のただなかに突撃する。ジグザグに、稲妻状に、亡道の軍勢のなかを走り抜け、列を乱し、整然たる軍列をかき乱し、単なる群れへとかえていく。
その勢いの良さは見ていて爽快なほどで、亡道の軍勢と対峙する人間の兵士たちの間から歓声が湧き起こったほどだ。
実際、自分たちの知る獣たちがこんなにも頼もしく見えたことはいままでになかっただろう。一瞬、自分たちの戦いを忘れて両腕を振りあげ、応援しだしたほどだ。それこそ、サッカーの試合でひいきのチームを応援するファンのように。
歓声を浴びる獣士隊の姿を見ながら、野伏が感心した声をあげた。
「さすがだな、ビーブ。一撃離脱を繰り返して敵陣を切り裂き軍列を乱すとは、兵法を心得ている」
「知識と言うより、本能の為せる業なんだろうけど……」
行者が血のように紅い唇に、こちらは白魚のように細くて白い指を当てながら苦笑した。
「それにしても、見事な登場だったね。ビーブのことだ。自分の出番を計っていたにちがいないね」
「たしかにな」
と、マークスⅡも苦笑した。現代を守る英雄という自覚からか、感情を失っているかのようにも見えたマークスⅡだが、このときばかりは感情豊かな若者らしい表情になっていた。
「では、こちらも負けてはいられないな」
野伏が太刀を振るって、目の前の亡道の怪物を斬り捨てながら言った。
「突撃の時期を計るとしよう。せっかく、我らが朋友が敵陣をかき乱してくれているんだ。この機を生かせないようでは『使えないやつ』と馬鹿にされるぞ」
「その通りだな」
マークスⅡがもう一度、苦笑しながらうなずいた。
後ろを振り向く。砦の上はすでに深紅の猛火によって染めあげられており、濛々たる黒煙が噴きあがっている。そのさらに上空ではいまなお、空飛ぶ異形と鳥たちの激闘が繰り広げられている。
一対一での戦闘力においては空飛ぶ異形たちの方が圧倒的に強い。しかし、鳥たちは群れをなして襲いかかり嘴を突き立て、爪で切り裂き、翼を打ちつけて、空飛ぶ異形を自分たちの世界から叩き落とそうとする。燃えさかる炎のなかに叩き落とし、消し去ろうとしている。
ただ一体の異形を相手に何羽もの鳥が同時に襲いかかり、まわりを囲み、羽を散らしながら争いつづける。その姿、それはまさに、
――一羽で駄目なら二羽で、二羽で駄目なら、三羽で、三羽でも駄目ならもっともっと大勢の数で! 必ず、しとめてやる! 必ずだ!
そんな叫びが聞こえてくるありさまだった。
そして、その心にのみ響く叫びを残しながら嘴を、爪を、空飛ぶ異形の体に突き立て、もつれ合ったまま猛火のなかに落ちていく。自分の命を武器に異形たちを始末していく。
――この世界はおれたちが守る!
その覚悟を見せつける姿に、どうしようもなく胸が熱くなる。
「そう。おれたちはひとりじゃない。おれたちには無数の仲間がいるんだ」
マークスⅡはそのことを改めて認識し、大きくうなずいた。
「それに、プリンス。さすがだな。躊躇なく砦の上に火をつけ、焼き払うとは。いま、なにを為すべきかがよくわかっている」
「ああ、その通りだ。その果断さ、さすが『黒豹』と呼ばれるだけのことはあるな」
戦場経験においては圧倒的に上回る野伏でさえ、そう認めるプリンスの指揮振りだった。
「呑気に感心している場合?」
冷ややかな声がした。
いつやって来たのか、気がつくと〝ブレスト〟・ザイナブがそこにいた。
冷酷無比な男殺し。その名で知られる双剣の女剣士が、顔中に巻きつけた布の隙間から切れ長のふたつの目だけを覗かせてマークスⅡを見据えている。その視線は控えめに言っても『冷えびえとした』と言ったもので、気の弱い人間ならその視線ひとつで『おれ、なにか悪いことした⁉』と、震えあがってしまうようなものだった。
「こちらは始末したわ。さっさと突撃の指示を出しなさい。でないと……」
役立たずは殺す。
全人類の代表に対して、はっきりとそう言ってのける男殺しの〝ブレスト〟・ザイナブだった。
マークスⅡは思わず三度目の苦笑をもらしていた。この状況で、これほど冷たい言葉を投げかけられて、それでもなお、苦笑するだけの余裕がマークスⅡにはあった。それはまさに、数々の修羅場をくぐり抜けることで鍛えられた精神のたくましさだった。
〝ブレスト〟・ザイナブの言葉は正しかった。ヴァレリと、方天将軍のふたりも部下を率いてこちらにやってくる。本隊から切りはなして包囲した敵軍。その敵軍を一体残らず始末してやってきたのだ。
もはや、後背に憂いはない。そして、目の前に立ちふさがる敵はビーブたち獣士隊に内部をかき乱され、軍列を乱している。内臓を食い荒らされ、苦悶にあえぐ巨獣のように。
となれば、躊躇する理由はない。
マークスⅡは叫んだ。
「突撃だ! 一気に敵軍を殲滅する!」
地上においてマークスⅡが突撃を指示した、そのとき――。
砦においてはプリンスが次の行動に移っていた。
「火を絶やすな! 油を撒きつづけろ! 戦闘員は全員、砦のなかに戻れ!」
「ちょっと! あいつらをどうする気⁉ 放っておく気なの⁉」
セアラは思わず抗議の声をあげた。
プリンスは相手にしなかった。砦のなかにおりる階段を走るのではなく、飛び降りながら叫んだ。
「空飛ぶ異形の相手は鳥たちに任せておけ! それより、砦のなかだ。砦にいる人間、全員、中層に移動させろ! 怪我人もすべてだ! 急げ!」
「無茶だよ、そんなの!」
プリンスのあまりの勢いにつられて、一緒に階段を飛び降りているセアラが叫び返した。
「ろくに動かせない重傷人だっていっぱいいるんだよ⁉ 中層に移動させるなんてできないよ!」
「移動させなければ重傷人がただの死体になる!」
「どういうこと⁉」
「やつらは空から襲ってきた。ならば、次に攻めてくるのはどこだ?」
セアラは一瞬、プリンスの言葉が理解できなかった。それでも、もともとが論理的で聡明な頭脳の持ち主。すぐにプリンスの言葉を理解した。跳ねあがったショートヘアに包まれた愛らしい顔が見るみる青くなる。
「まさか……」
「穴を掘って地下から攻め込むのは、城攻めの常道だ!」
プリンスがそう叫んだとき――。
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