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第一話 真朝の庭園
出ていって
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――第一印象は最悪だったけど、打ち解ければ『実はいい人』なんてこともあるかも知れない。
と、真朝が少女マンガありがちな展開を期待したとしても、その願いが叶うことはなかった。
立花リキの印象は最初からずっと最悪のまま、かわることはなかった。とにかく、態度がでかい。口が悪い。毎日まいにちメダル売り場にやってきては、買うわけでもないのにジロジロ眺め、手にとってはためつすがめつしていく。そして、あからさまな嫌味口調で言うのだ。
「出来が悪い」
「意匠が古くさい」
「細工が稚拙だ」
「仕上げが不充分だ」
etc.etc.……。
毎日まいにち聞かされるその言葉のシャワーに――。
真朝はキレた。
――なによ、これ! こんなのまるで、意地の悪い師匠が弟子の作品を貶すみたいじゃない! 師匠にされたって腹立つのに、縁もゆかりもない他人にそんなことを言われる筋合いはないわ!
「ちょっと! 黙って聞いてれば毎日まいにち好き勝手言って! 失礼にもほどがあるでしょ!」
「その台詞も毎日、聞いているな。いつ『黙って聞いて』いることがあった?」
「うぐっ……」
真朝は言葉に詰まった。その通りなのでなにも言えない。
――こんな揚げ足取りをしてくるなんて、どこまでいやなやつ!
思いっきり、そう思った。
「だ、だいたい、わたしの作るメダルがそんなに気に入らないならいちいち来ることないでしょ。あなたのお眼鏡にかなう作り手のところに行けばいいじゃない」
「どの店に行こうが客の勝手だ」
「客って言うのはマナーを守った上で商品を買っていく人のことを言うのよ。あなたはマナーも守らない上、なにひとつ買っていかないじゃない」
「そんな台詞は買う気になる商品を作ってから言え。そのために欠点を指摘してやってるんだ。ありがたく思え」
「大きなお世話よ!」
連日、この調子。真朝は腹が立って、腹が立って、仕方がない。
売り場だけではなく、夕食のときもそうだった。
『真朝の庭園』では、夕食は住人全員がそろって食べる決まりになっている。このあたりは『庭園』ごとにちがうのだが、『真朝の庭園』では貴族の屋敷感を出すためにも各部屋ごとのキッチンはついていない。そのかわり、共同キッチンとしてなかなかに広い食堂が用意されている。
この食堂は二四時間使用可能で、『庭園』で採れた作物が常時、用意されている。住人たちは自分で料理したくなったらいつでもこの食堂の設備と作物を使い、料理していい。設備のみならず、食材も共有なのだ。少人数分だけ料理しようとするとどうしても食材が余りがちになるので、それを防ぐための知恵である。
それだけに、住人自身のマナーが重要になるし、トラブルも起きる。真朝もその点では苦労させられている。しかし、この食堂は先代である祖母から受け継いだ大切な教えのひとつなのだ。
「昔からこう言うのよ。『同じ釜の飯を食った仲』ってね。人と人は一緒に食事することで打ち解けあい、仲が深まる。せっかく、縁あって同じ場所で暮らすことになった仲間だもの。お互い、挨拶もせずにすれちがうだけ、なんてさびしすぎるわ。仲良くなって、お互いにいい思いが出来るよう、この食堂を用意したのよ。そのためなら、多少のトラブルなんてなんでもないわ」
祖母はそう言って、毎日まいにち屋敷の住人たちのために夕食を作りつづけた。
真朝はその祖母の姿勢を尊敬している。大切に思っている。だから、自分もその思いを受け継ごうと祖母の方針をつづけている。
夕食の時間は決まっており、この時間だけは屋敷の住人全員が集まって夕食をとる。真朝もメイドだからと言って給仕役に徹したりはせず、一緒に食べる。作るのが真朝とも限らない。ときには住人自身が作ることもあり、みんなで舌鼓を打つ。
そんな、みんなの仲を深めるための大切な時間。その時間にもリキはさっそくやらかした。
「まずい」
一口食べて、そう言ったものである。
もちろん、真朝は眉を吊りあげた。
「ちょっと! いきなり、失礼でしょ!」
「失礼なのは、まずい料理を食わせる方だ」
「なにがまずいって言うのよ⁉ これは、おばあちゃんから受け継いだ伝統の味なのよ!」
「これで『受け継いだ』とは、ばあさんが泣くな。これでは遠く及ばない」
「言ってくれるじゃない」
真朝は頬をふくらませた。完全に腹を立てていた。
「そんなに言うなら自分で作ればいいじゃない。わたしの納得出来るものを作れるなら認めてあげるわ」
「いいだろう」
と、他の住人たちがハラハラしながら新入りとオーナーメイドのやり取りを見つめるなか、その傲岸不遜な新入りは自分でキッチンに立った。そして、一時間ほどたって出来上がった料理の味は……。
「……うそ」
真朝は思わず口元に手を当て、目を丸くして呟いていた。
それは、祖母の味。
真朝が目指し、受け継ごうと日々、精進してきた祖母の味そのものだった。
真朝だけではなく、祖母の代から屋敷に住んでいる古株の住人もそれを認めた。リキの料理は真朝の料理以上に、真朝の祖母の味を再現していた。
「な、なんで、あなたが、おばあちゃんの味を知ってるのよ?」
「おれは一流の探索者だ。一流の探索者である以上、野外料理は当然の素養だ」
――そういう問題じゃないと思うけど……。
真朝はそう思ったが、祖母の味の再現度において負けているのは明らかだったのでなにも言えなかった。
――見てなさいよ。わたしにはおばあちゃんの残してくれたレシピノートがあるんだから。絶対、ギャフンと言わせてやる!
なにも言えないかわり、心にそう誓う真朝だった。
ある夜。
真朝はふと思い立って、自宅の風呂ではなく『庭園』の温泉を使うことにした。
水草が浮き、魚たちが泳ぐそこは『温泉』と言うよりもさながらジャングルの池。そのなかを思いきり泳げば気も晴れるだろう。
そう思い、温泉に行くと、そこにはすでに先客がいた。
――誰?
目をこらしてよく見るとそれは、よりによって立花リキだった。
「な、なんで、あなたがここにいるのよ」
真朝は思わず体を隠しながら叫んだ。
リキは平然として答えた。
「ここは住人みんなに解放されたプールであり、温泉だろう。いつ、入ってもかまわないはずだ」
「そ、それは、そうなんだけど……」
真朝は口ごもった。
リキの言うことはまったくもってその通りなので『出て行け!』などと言うわけにはいかない。
もちろん、真朝の方が回れ右して帰ることは出来た。しかし、それはなんとも癪にさわる。一八歳の、五つも年下の『子ども』相手に逃げ出すなんて年上の矜持が許さない!
真朝は意地を通して湯のなかに入った。
そもそも、いつでも使えるようほのかな明りこそついているものの、大した光度ではない。湯のなかに入ってしまえば体を見られる心配はまずないのだ。
体のまわりを魚たちが泳いでいく感触が伝わった。しばらくの間、ふたりは黙って湯のなかに身を沈めていた。最初は気付かなかったが、段々わかってきた。リキは決してこちらを見ようとしない。身動きひとつしないが顔はずっとそらしている。
――なに? もしかしてこいつ、けっこう緊張してるの?
どうやら、平静を装っているのは必死の虚勢であって、内心はけっこうドギマギしているらしい。
――なんだ。かわいいところもあるじゃない。しょせん、一八歳の男の子ってことね。
そう思い、ちょっと心に余裕の出来る真朝だった。
「……ねえ」
「……なんだ?」
真朝の声に、リキが答えた。
相変わらず顔をそらしたままである。
「あなたって、なんでいつもあんなにギスギスしてるの? それも、他の住人の人たちにはそんな態度、とらないみたいじゃない。『愛想はないけど、礼儀はわきまえてる』ってみんな、言ってるわ。それなのに、わたしにだけあの態度。わたしになにか含むところでもあるわけ?」
「………」
「ダンマリ? まあね。その若さで名の知れた探索者。となれば、プライドが高いのもわかるし、その見た目だもの。いままでさぞかしチヤホヤされてきたんでしょうね。でも、はっきり言って、あなたの態度は感じ悪いの。不快なの。わたしは金のためにいやなやつに頭をさげる気なんてない。これからもこここで暮らしていくなら、その態度を改めて。それがいやなら、いますぐ出て行って」
きっぱりと――。
真朝はそう言いきった。
その言葉に対し、リキは、
「……わかった」
顔をそらしたままそう答えた。
リキが立ちあがった。女の子のような顔に似合わない、探索者らしい引きしまった肉体が露わになった。今度は真朝があわてて顔をそらす番だった。
「……以外に、チヤホヤされたって意味はない」
その一言を残し――。
立花リキは立ち去った。
そして、その夜以来。
立花リキの姿は消えた。
と、真朝が少女マンガありがちな展開を期待したとしても、その願いが叶うことはなかった。
立花リキの印象は最初からずっと最悪のまま、かわることはなかった。とにかく、態度がでかい。口が悪い。毎日まいにちメダル売り場にやってきては、買うわけでもないのにジロジロ眺め、手にとってはためつすがめつしていく。そして、あからさまな嫌味口調で言うのだ。
「出来が悪い」
「意匠が古くさい」
「細工が稚拙だ」
「仕上げが不充分だ」
etc.etc.……。
毎日まいにち聞かされるその言葉のシャワーに――。
真朝はキレた。
――なによ、これ! こんなのまるで、意地の悪い師匠が弟子の作品を貶すみたいじゃない! 師匠にされたって腹立つのに、縁もゆかりもない他人にそんなことを言われる筋合いはないわ!
「ちょっと! 黙って聞いてれば毎日まいにち好き勝手言って! 失礼にもほどがあるでしょ!」
「その台詞も毎日、聞いているな。いつ『黙って聞いて』いることがあった?」
「うぐっ……」
真朝は言葉に詰まった。その通りなのでなにも言えない。
――こんな揚げ足取りをしてくるなんて、どこまでいやなやつ!
思いっきり、そう思った。
「だ、だいたい、わたしの作るメダルがそんなに気に入らないならいちいち来ることないでしょ。あなたのお眼鏡にかなう作り手のところに行けばいいじゃない」
「どの店に行こうが客の勝手だ」
「客って言うのはマナーを守った上で商品を買っていく人のことを言うのよ。あなたはマナーも守らない上、なにひとつ買っていかないじゃない」
「そんな台詞は買う気になる商品を作ってから言え。そのために欠点を指摘してやってるんだ。ありがたく思え」
「大きなお世話よ!」
連日、この調子。真朝は腹が立って、腹が立って、仕方がない。
売り場だけではなく、夕食のときもそうだった。
『真朝の庭園』では、夕食は住人全員がそろって食べる決まりになっている。このあたりは『庭園』ごとにちがうのだが、『真朝の庭園』では貴族の屋敷感を出すためにも各部屋ごとのキッチンはついていない。そのかわり、共同キッチンとしてなかなかに広い食堂が用意されている。
この食堂は二四時間使用可能で、『庭園』で採れた作物が常時、用意されている。住人たちは自分で料理したくなったらいつでもこの食堂の設備と作物を使い、料理していい。設備のみならず、食材も共有なのだ。少人数分だけ料理しようとするとどうしても食材が余りがちになるので、それを防ぐための知恵である。
それだけに、住人自身のマナーが重要になるし、トラブルも起きる。真朝もその点では苦労させられている。しかし、この食堂は先代である祖母から受け継いだ大切な教えのひとつなのだ。
「昔からこう言うのよ。『同じ釜の飯を食った仲』ってね。人と人は一緒に食事することで打ち解けあい、仲が深まる。せっかく、縁あって同じ場所で暮らすことになった仲間だもの。お互い、挨拶もせずにすれちがうだけ、なんてさびしすぎるわ。仲良くなって、お互いにいい思いが出来るよう、この食堂を用意したのよ。そのためなら、多少のトラブルなんてなんでもないわ」
祖母はそう言って、毎日まいにち屋敷の住人たちのために夕食を作りつづけた。
真朝はその祖母の姿勢を尊敬している。大切に思っている。だから、自分もその思いを受け継ごうと祖母の方針をつづけている。
夕食の時間は決まっており、この時間だけは屋敷の住人全員が集まって夕食をとる。真朝もメイドだからと言って給仕役に徹したりはせず、一緒に食べる。作るのが真朝とも限らない。ときには住人自身が作ることもあり、みんなで舌鼓を打つ。
そんな、みんなの仲を深めるための大切な時間。その時間にもリキはさっそくやらかした。
「まずい」
一口食べて、そう言ったものである。
もちろん、真朝は眉を吊りあげた。
「ちょっと! いきなり、失礼でしょ!」
「失礼なのは、まずい料理を食わせる方だ」
「なにがまずいって言うのよ⁉ これは、おばあちゃんから受け継いだ伝統の味なのよ!」
「これで『受け継いだ』とは、ばあさんが泣くな。これでは遠く及ばない」
「言ってくれるじゃない」
真朝は頬をふくらませた。完全に腹を立てていた。
「そんなに言うなら自分で作ればいいじゃない。わたしの納得出来るものを作れるなら認めてあげるわ」
「いいだろう」
と、他の住人たちがハラハラしながら新入りとオーナーメイドのやり取りを見つめるなか、その傲岸不遜な新入りは自分でキッチンに立った。そして、一時間ほどたって出来上がった料理の味は……。
「……うそ」
真朝は思わず口元に手を当て、目を丸くして呟いていた。
それは、祖母の味。
真朝が目指し、受け継ごうと日々、精進してきた祖母の味そのものだった。
真朝だけではなく、祖母の代から屋敷に住んでいる古株の住人もそれを認めた。リキの料理は真朝の料理以上に、真朝の祖母の味を再現していた。
「な、なんで、あなたが、おばあちゃんの味を知ってるのよ?」
「おれは一流の探索者だ。一流の探索者である以上、野外料理は当然の素養だ」
――そういう問題じゃないと思うけど……。
真朝はそう思ったが、祖母の味の再現度において負けているのは明らかだったのでなにも言えなかった。
――見てなさいよ。わたしにはおばあちゃんの残してくれたレシピノートがあるんだから。絶対、ギャフンと言わせてやる!
なにも言えないかわり、心にそう誓う真朝だった。
ある夜。
真朝はふと思い立って、自宅の風呂ではなく『庭園』の温泉を使うことにした。
水草が浮き、魚たちが泳ぐそこは『温泉』と言うよりもさながらジャングルの池。そのなかを思いきり泳げば気も晴れるだろう。
そう思い、温泉に行くと、そこにはすでに先客がいた。
――誰?
目をこらしてよく見るとそれは、よりによって立花リキだった。
「な、なんで、あなたがここにいるのよ」
真朝は思わず体を隠しながら叫んだ。
リキは平然として答えた。
「ここは住人みんなに解放されたプールであり、温泉だろう。いつ、入ってもかまわないはずだ」
「そ、それは、そうなんだけど……」
真朝は口ごもった。
リキの言うことはまったくもってその通りなので『出て行け!』などと言うわけにはいかない。
もちろん、真朝の方が回れ右して帰ることは出来た。しかし、それはなんとも癪にさわる。一八歳の、五つも年下の『子ども』相手に逃げ出すなんて年上の矜持が許さない!
真朝は意地を通して湯のなかに入った。
そもそも、いつでも使えるようほのかな明りこそついているものの、大した光度ではない。湯のなかに入ってしまえば体を見られる心配はまずないのだ。
体のまわりを魚たちが泳いでいく感触が伝わった。しばらくの間、ふたりは黙って湯のなかに身を沈めていた。最初は気付かなかったが、段々わかってきた。リキは決してこちらを見ようとしない。身動きひとつしないが顔はずっとそらしている。
――なに? もしかしてこいつ、けっこう緊張してるの?
どうやら、平静を装っているのは必死の虚勢であって、内心はけっこうドギマギしているらしい。
――なんだ。かわいいところもあるじゃない。しょせん、一八歳の男の子ってことね。
そう思い、ちょっと心に余裕の出来る真朝だった。
「……ねえ」
「……なんだ?」
真朝の声に、リキが答えた。
相変わらず顔をそらしたままである。
「あなたって、なんでいつもあんなにギスギスしてるの? それも、他の住人の人たちにはそんな態度、とらないみたいじゃない。『愛想はないけど、礼儀はわきまえてる』ってみんな、言ってるわ。それなのに、わたしにだけあの態度。わたしになにか含むところでもあるわけ?」
「………」
「ダンマリ? まあね。その若さで名の知れた探索者。となれば、プライドが高いのもわかるし、その見た目だもの。いままでさぞかしチヤホヤされてきたんでしょうね。でも、はっきり言って、あなたの態度は感じ悪いの。不快なの。わたしは金のためにいやなやつに頭をさげる気なんてない。これからもこここで暮らしていくなら、その態度を改めて。それがいやなら、いますぐ出て行って」
きっぱりと――。
真朝はそう言いきった。
その言葉に対し、リキは、
「……わかった」
顔をそらしたままそう答えた。
リキが立ちあがった。女の子のような顔に似合わない、探索者らしい引きしまった肉体が露わになった。今度は真朝があわてて顔をそらす番だった。
「……以外に、チヤホヤされたって意味はない」
その一言を残し――。
立花リキは立ち去った。
そして、その夜以来。
立花リキの姿は消えた。
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